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2011年10月05日

成功を導く確かな理論 ~共同体・類グループの事例:③表層的だった若手社員が、皆の期待を掴めるまで成長できた鍵は?


画像は こちら からお借りしました。
皆さん、こんにちは 😀
近年の若者達は、『皆の役に立ちたい』という想いを持った方が多いのが特徴の一つです。
今回は、その想いを持ちながら成果が出なかった人材が、皆からの期待に応えられる存在に成長した成功事例をお伝えします。

●役に立ちたいが成果が出ない
今年30歳になるT君は、入社時から、「皆の役に立ちたい」との想いが強く、何事においても一生懸命に取り組み、且つ日常場面では周りに笑いを届けてくれる5年目の男性です。
そんな彼が入社した当時は、上司のAさんから指示された事に応える自信が無かったり、知ったかぶりをしたまま作業を進める事が多かったそうです。
なんで?どうすれば良いか?etc具体的な質問が出来なかった為に、その結果、期待された成果にミスが多くなり、その言い訳をしては上司から怒られる事もしばしば。
そんなT君の意識の中でいつしか「期待されてないんじゃないか?」という思いも湧いてきました。
しかし、そんなT君に転機が訪れます・・・。

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T君が、これまで同様ミスした事を上司から怒られ、落ち込んでいる姿を見て周りの先輩や後輩が声をかけ食事に誘ってくれたらしいのです。
そこで、ある女性の先輩が「T君はいつもAさんに怒られて落ち込んでいるけど、AさんはT君が嫌で怒っている訳ではないんだよ。T君に成果を出して欲しいし、自信をつけさせたいと思って必死に考えてくれている。怒る時も、毎回後で私に今回は言い過ぎたかな?あれで良かったかな?もっと違う言い方があったかな?と聞いてくれるし、どう伝えたら良いか真剣に考えてくれている。Aさんも本気なんだよ。 」と言ってくれた言葉を聞いて、皆の想いに気付き、心の底からAさんや皆への感謝が湧いてきたそうです。それ以降もともと秘めていた「どうしたら皆の役に立てるのか?」を真剣に考えられるようになっていきました。

●若者に多く見られる表層化
上述した表層化現象は、主に若者に多く見られる事例です。では、なぜ彼らにはそのような現象が見られるのでしょうか?その現象を引き起こした社会構造を見て行きたいと思います。
’70年に貧困が消滅し、これまで人々にかかっていた私権圧力(私的権益=財(金)、地位、異性(女)などに皆が収束する)が衰弱すると、私権を求める充足に代わる新たな充足(=活力源)が生起しました。

この新たな充足(=活力源)については、るいネット「実現論:序2(下) 私権時代から共認時代への大転換」 より紹介させていただきます。

>貧困の圧力に基づく、私権を獲得しなければ生きていけないという否も応もない強制圧力=私権圧力の衰弱とは、力の原理の衰弱に他ならない。
力の原理が衰弱していけば、人々が、その強制から脱して、人類本来の共認原理に回帰してゆくのは必然である。(※共認原理とは: 実現論1_4_11
かくして人々は、’70年以降、最も深い潜在思念の地平で、次々と私権収束から脱して共認収束を強めていった。
この共認収束の潮流は、半世紀以上は続く大潮流であり、現在は転換の途上であるが、すでに10年以上前から、大多数の人々にとって、周りの期待に応える充足こそが、(私権充足に代わる)最大の活力源(=共認充足)になっており、いまやこの期応充足の土壌から生み出された課題収束が、最先端の意識潮流として、顕現している。(引用終了)

とあるように、新たな充足源とは周りの期待に応える充足、つまり共認充足になります。それを受けて、仲間との関係を第一に考え仲間の期待に応えたい想いが、若者を中心に生起し始めました。

>「とりあえず穏便な仲間空間を守ること」が「不安な自分を守る」上でも差し当たって重要な課題となる。だから、そこに“乱れ”を持ち込みそうな「浮いた」「変わった」「自己中な」者は、真っ先に白い目を向けられる。しかし、各々が自分の不安⇒保身を優先させているので、浮いた相手に踏み込んで共認充足に持ち込む努力はしない。
その際の一番手っ取り早い反応が「無視」という方法論になる。そして、ある対象への排除意識が一旦共認されれば、今度は再び不安⇒保身から、それは絶対に犯してはならない掟となり、同時に、不在の課題に代る仲間の結集軸となってしまう。その結果が「いじめ」になる。(引用終了)(参照:「 いじめの心理 」)

すると若者は仲間に収束していきましたが、学校には課題が無いため、「いじめ」が新たな課題と化し、横行し始めるようになりました。それを受けて、若者の意識の中で皆に“嫌われたくない”と自分の評価を強く意識するようになります。そして、いつ自分が嫌われるか分からない状態が続くので皆への不安視が強くなり、その場を乗り切る術として“表層的な対応”を身につけていったのです。
改めてT君の事例を振り返って見ると、上記に当て嵌まる事が分かりました。
つまり、評価不安からくる皆への不安視が、成果を上げられない根本原因だったのです。

●彼がこの壁を突破するにはどうしたら良いのでしょうか?
ここで再び、T君が皆の想いに気付けた事例を振り返ってみましょう。女性の先輩との食事会で、先輩が成果の出ないT君を否定せず、むしろ肯定的に接してくれたからこそ、T君も「僕はAさんに嫌われてるんじゃないか?」と本音を開き出せました。それを聞いた先輩からAさんや皆の期待を伝える事ができ、この時T君は初めて皆の想いに気付けたのです。
ここで、表層化現象を捉える上で、参考になる投稿を紹介します。

>一人でいるのが好き。一人のほうが楽。一人でも何でも楽しめる。
と思ってた。思い込んでた。そういうふりしてた?
ほんとはすごくすごく不安だったんだと思う。みんなと一緒にいたいのに、一緒に楽しみたいのに。でもなんだか怖いから、「私は一人で大丈夫。」って観念武装して、感情に蓋してた。
じゃ、その「怖い」の中身って?
幼稚園の頃から中学校の途中まで、1年に何度か必ず回ってくる仲間外れ。何にも悪いことしてないのに、なんで無視されるの?仲間はずれにされるの?不安や孤独感に襲われるけど、先生にも、親にも、自分が「仲間外れされてて、悲しい。辛い。」なんて言えなかった。
辛い思いするんなら、はじめから一人でいればいい。そっちの方が楽。って、高校に入ったぐらいから思い始めたと思う。
引きこもりにもならなかったし、友達にも不自由しなかったし、楽しい学生生活も送ってきた。
だけど、ふとした瞬間に、「怖い」感覚が甦ってくる。不安感に襲われる。昔のトラウマから逃げ出せない。
どんどん観念武装して、自分に蓋をして、頭でっかちになってしまった。
さすがに支えきれなくなって、とうとうへたってしまった。
(中略)
そんな時、みんなで「変わりたいのはなんで?変わるって何?」って話をした。
自分が変わりたいけど、変われないのは何でか。不安の中身(いじめ体験)を打ち明けていると、緊張が緩んで涙がでてきてしまった。ずっと、みんなに発信したかったんだって、再確認した。
みんな、「実はみんな一緒なんだよ。だから大丈夫だよ。あせらなくっていいんだよ。」ってニコニコしながら話を聞いてくれた。
安心して、また涙が出てきた。
(中略)
みんなのいる中で『みんなが受け入れてくれる。みんな一緒なんだ。』という安心感を得られて初めて、やっと、可能性が見えた気がした。
「みんな」が「安心」に変わった。
みんなに感謝。
ほんとうにありがとう。(参照投稿 「安心基盤」

この投稿と同様に、T君が女性の先輩に受け入れてもらいAさんや皆の想いを知れた事で、T君自身も安心して皆を受け入れられるようになりました。と同時に自分が表層的だった事を受け止め、まだまだAさんの期待に応えられなくて申し訳ないと思えるようになり、成果を上げている先輩や後輩達に教えを乞いながら、学べるようになったそうです。
ここまでの話を図解でまとめて見ました。

●こんなに成長してくれたT君の事例
そして、皆を深く肯定視出来るようになったT君の成長は目覚しいものがありました。最後にT君のその後の成長過程についてご紹介致します。
①相手の気持ちを掴み、安心感を与える存在へ
仕事場面では、短期間に客先に資料を提出しなくてはならない事があります。
その際、T君はSKをしっかり守る事は当たり前ですが、図面の枚数や注記漏れ、ページ数の漏れや言葉の漏れ・間違い等、細かい細部迄見直しが行き届いており、ミスが無くなっていたそうです。
人が行う作業なので、ミスが完璧に無くなる事は無いと思いますが、課題に取り組む上で、相手の立場に立って物事を考えてくれているからこそ、ミスが無い。相手の気持ちを掴み、求められる期待に応え、安心感を与える存在へと成長してくれました。
②指導されている側から指導する側へ
後輩のK君が、仕事で与えられた課題に対し効率を上げるにはどうする?と考え、悩んでいたそうです。
そんなK君から相談を受けたT君は、
「課題というのはみんなからの期待だよね。
でも効率よくみんなの期待に応えるというはなんかおかしくない?
そもそも効率って、より小さな労力でより多くの私権を獲得するという私権時代ならではの言葉。
だから、みんなの期待に応えるといった要素はない。
今は共認充足の時代!当然、課題の中身はみんなの期待に応えるってこと。
つまり、効率という概念で考えるということは、その課題の背後にあるみんなの期待を捉えようとしていないってこと。私権時代のような、こなさなければならないある意味面倒な作業っていうふうに課題を捉えているってこと。
それに、課題に取り組むときに、相手(=みんな)の期待は何だろうか?ということに頭を使ったほうが、成果の高いものが出せて、結果的に課題に要する時間は短くなるよ。
と伝えてくれました。
このように、彼は指導される側から後輩を指導する立場へと成長し、 “皆の期待に応える男”として今も元気で頑張ってくれています

今回類グループの事例として挙げていますが、皆さんの職場でも、分かったふりや知ったかぶりをして成果が上がらない若手社員に対しては、まずは否定せずに肯定的に受け止めてあげる事で、彼らに心を開かせる必要があります。彼らが心を開く前にこちらの想いをぶつけても、彼らの“評価不安”を刺激するだけで効果がありません。
心を開いてくれた状態でこちらの想いを伝えてあげれば、彼らはそれを受け止め、自分の至らなさに気付き、成果を出せる人材から学び始めるでしょう。その結果、彼ら自身も徐々に成功体験を積めるようになり、周りの期待に応えられる人材へと成長するはずです。
以上、類グループ 塩貝 がお届け致しました。
次回は、T君を指導した“Aさん”に目を向け、Aさんの人材育成に迫ってみたいと思います。

「成功を導く確かな理論 ~共同体・類グループの事例シリーズ」をお楽しみに~
最後まで読んでいただき、有難うございました
◆これまでのバックナンバー◆
★シリーズ1:成功を導く確かな理論 ~共同体・類グループの事例:①プロローグ~
★シリーズ2:成功を導く確かな理論 ~共同体・類グループの事例:②庶務は雑用ではない、担当者はリーダー!前編~
★シリーズ2:成功を導く確かな理論 ~共同体・類グループの事例:②庶務は雑用ではない、担当者はリーダー!後編~

 

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