2011年11月21日
共同体社会の実現に向けて【10】 破局後の経済は?その時、秩序は維持できるのか?(中)
前回の記事「破局後の経済は?その時、秩序は維持できるのか?(上)」【目前に迫ってきた国債暴落の危機】では、東北大震災と原発災害後にもかかわらず「不自然な円高」が続いている原因の解明から、金融勢力の狙いを読み解きました
過去の日本市場における外資の動き、そして3.11後のマネーの動き等から、金融勢力の狙い(本丸)は、米国債デフォルトを皮切りとする世界中の国債暴落(日本含む)→旧紙幣の廃棄である、という仮説に達しました 🙁
世界中の国債暴落→旧紙幣の廃棄→新紙幣の発行に向けて事態が進んでいくとしたら、世界経済はどうなってしまうのでしょうか
画像はこちらからお借りしました。
また「共同体社会の実現に向けて【1】」には「(崩壊寸前に追い詰められた支配勢力一派の最後の悪あがきもあいまって)地球危機と経済危機に伴う破局現象は、これから世界各地で毎月or毎週のように発生し、その頻度を増してゆくだろう」とありますが、まさに、現在進行中の欧州国債破綻と世界経済危機のみならず、世界のあちこちでくすぶる暴動、さらには世界中で頻発する大災害や異常気象など、破局現象がいよいよ現実になりつつあるようにも感じます
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【国債暴落→リセット後の世界経済】
では、その場合、世界経済はどうなるのか?大胆に予測して見よう。
米国債のデフォルトを皮切りに、世界中の国債が暴落すると、まずパニック買いや銀行取付騒ぎが始まり、デフォルトから1~2週間で預金封鎖が強行される(但し、ex月50万円までは引き出し可)。
国債暴落とは貨幣価値の暴落と同義であり、あらゆる物価が2倍→3倍→5倍と跳ね上がっていく。この超インフレ状態が、1~2ヶ月続くだろう。
この期間、旧貨幣価値の崩壊を目論む金貸しにとって重要なのは、紙幣が紙屑化すると人々に思わせることである。そのために物価が日毎に上昇してゆく超インフレが演出される。預金封鎖も紙幣を紙屑化するための一手段であり、それによって人々の貯金は霞のように消えてしまったも同然となる。
そういう状況に追い込んでおいて、1~3ヶ月後に世界中で一斉に新紙幣が発行される。ここで、旧紙幣は新紙幣とは交換不可とすることで、旧紙幣は完全に紙クズになる。(※新1:旧100といった低い交換比率でも、交換される限りは通貨単位が変わるだけ、つまり単なるデノミと同じで、それでは何も変わらない。)
交換不可とすることで、国債をはじめCDS債権etcあらゆる貸借関係は消滅する。旧紙幣や旧国債の価値はゼロとなるが、企業の銀行借入や家計のローンetc全ての借金もゼロとなる。
同時に、新紙幣を配給する。たとえば、国民1人当たり100万円程度、企業には時価総額の1割相当が配給される。(この場合、国債価格が0になっただけではなく、株価も簿価/時価の比率まで下落するので、金融市場=博打場の住人たちはその金融資産のほとんどを失うことになる。)
歴史的には国家のデフォルトは世界各地で頻繁に起こっています 参考
記憶に残るところでは、ロシアの経済破綻やアルゼンチンの国家破産などがありますが、実は日本も日露戦争後と第二次世界大戦後に実質デフォルトした経験があります
いずれもハイパーインフレが進み、紙幣価値が下がり 紙屑化、それと同時に大量失業 、治安の悪化 、死亡率の上昇 、出生率の減少 、ストレスによる健康障害 や寿命の短縮 など、さまざまな悪影響で国家は大混乱 、国力の衰退 、人々は不安な日々を過ごすことになりました
このように一国のデフォルト=経済破局でさえもこれだけの大混乱を引き起こしているのですから、今までに例のない世界同時のデフォルトはどのような混乱が起こるのか予想がつきません😥
画像はこちらからお借りしました。
参考
経済が破綻したらどうなる?~メキシコ通貨危機~
経済が破綻したらどうなる?~ロシア経済破綻~
経済が破綻したらどうなる?~アルゼンチンの国家破産~
これは、新紙幣によって金融経済(=国債経済)をリセットして、実物経済に再転換させ、それによって市場を延命させようとする計画だろう。(18世紀初頭の実物経済の拡大から今日の金融経済の崩壊まで、概ね200年間かかっているので、金貸したちも新興国を足場に概ね200年くらいの延命は可能と読んでいるのだろう。)
この仕組みは、一見、金貸しもその資産を放棄したかのように見えるし、国民にも企業にもほぼ均等にお金を配るので、ある意味では共産主義的な政策のようにも見える。
しかし、旧紙幣資産や国債資産がリセットされても、土地や現物資産の所有権は従来のままであり、また株式価格は簿価レベルに低下するものの各企業における株式保有比率は変わらないので、金貸しは企業支配権をそのまま保持し続ける。つまり、土地や企業の所有権はそのまま存続する。
これは、あい変わらず持てるものが圧倒的に有利な仕組みである。
画像はこちらとこちらからおかりしました。
金融勢力の立場からすれば、新紙幣によって金融経済をリセット、実物経済への再転換を見据えた上で、有利な地位を保持するには、資源・土地・生産活動を行う企業を押さえておくことが不可欠です
逆に言えば、そこさえ押さえておけば、金融資産を失っても支配体制を維持していくことができます。
金融勢力は既に資源・大企業を支配下に置いていると考えられますが、土地についても最近気になる動向があります。日本でも農地価格が高騰しているという情報がありますが、アメリカでもジョージ・ソロスやジム・ロジャースが金融市場の資金を引き揚げて、相当量の農地を買っているという情報があり、実際、アメリカ北中西部の農地価格が急騰しているようです。これらは、次の段階への動きの兆候とも取れます
また、バチカンが明確に金融規制の見直しや市場規制当局の創設、世界中央銀行の設立等の見解を示していますし、金本位制への回帰なども取り沙汰されています。
これらも欧州勢による金融リセットへの布石かも知れません。
これらのことからも新紙幣によるリセット、実物経済への再転換は、十分にあり得ると考えた方がいいでしょう
参考
ゆかしメディア
内藤忍の公式ブロ
ブルームバーグ
【金貸し勢の甘い読み】
しかし、この計画を実現させるには、いくつかの条件がある。
新紙幣に対する信認をスムースに形成するためには、まず旧紙幣は紙屑化すると思わせなければならない。そのためには、物価とりわけ食料価格を2倍から5倍へと段階的に超インフレ化させる必要があり、そのために、1ヶ月毎に人工災害が引き起こされる。(そのような人工災害の実験の一つが東北大震災と原発事故であった疑いが濃厚である。)
すでに、ケム・トレイルと呼ばれる気象操作のための化学物質が数年前から盛んに航空散布されており、その頻度が年々増えている。
こうして、1ヶ月に1回程度、計画的な人工災害が引き起こされ、そのたびに食糧価格が上昇し、紙幣がどんどん紙屑化していって、新紙幣にリセットされても仕方がないorむしろその方が良いという大衆共認が作り上げられてゆく。
ところが、世界的な食料不足を演出するための、世界的に影響を与えることのできる災害となると条件は限られてくる。地震や旱魃や洪水は局地的な災害であり、世界的に影響を及ぼすには大型の火山噴火が最も好都合であろう。
金貸し勢は、一年間に亙ってマイナス0.5℃~マイナス1℃になる程度の人工災害、つまり食糧生産高8割くらいを想定していると予想される。
その場合、食糧価格は、自然需給に任せていても2倍に上昇するが、現実には至る所で農家の売り惜しみや流通業者の買占めが横行するので、簡単に3倍~5倍に高騰してゆく。
●2011年10月上旬 タイの台風→大洪水 ●2011年10月28日 南米ペルーでM6.9地震 ●2011年10月下旬 米東部の大雪(寒波)
画像はこちらからお借りしました。
食糧価格は自然災害による不作に加え、新興国需要の急速な拡大、植物燃料への転用問題、商品先物市場への投機マネー流入などにより、近年ますます食糧価格が高騰しています
2008年リーマンショック時の食糧暴騰と途上国での暴動は記憶に新しいですが、2011年の価格指数はそれと同レベルまで来ています
参考:世界の食糧価格の推移
そして近年、自然災害は世界的に急増傾向にあります
自然災害は、1970年代に比べ、発生件数・被災者数ともに約3倍に増加、世界の地震は、1990年頃から大きな地震が急増、風水害については1970年代後半から2000年頃にかけて4~5倍まで増加しています
参考:
【自然災害の予知シリーズ】世界的にはここ30年、日本ではここ10年で自然災害が急増
●自然災害の発生件数
●大地震の発生回数
●洪水と風水害発生回数
このような状態が続けば、ますます食糧の超インフレや、それにともなって世界各地で暴動が多発し 、現紙幣に対する信認が失墜 していくことは十分に予測されます。
そして、このような災害を人工的に起こす気象兵器の発動 、また人工地震兵器とも言われるHARRP により地球を取り巻く電離層が変化していることが、近年頻発する災害の原因であるという説も有力視されています
参考
人工台風の研究状況
最近の世界異常気象の原因は、HAARPにより電離層が地球から遠ざかったため
従って、食糧価格を沈静化させるためには、国家が全食糧を買い上げ、全国民に配給するしかない。
その場合、政府が国債を発行し、中央銀行が紙幣を発行して国債を買い受けるという従来の体制のままでは、旧国債と旧紙幣が紙くずになってしまった直後であり、新紙幣に対する信認を形成することができずに、食糧価格の暴騰から暴動へ、そして最終的には秩序崩壊に陥る可能性が高い。
むしろ、秩序崩壊を避けるには、中央銀行を廃止し国家が自ら紙幣を発行した方が簡単で、新紙幣に対する信認も得られやすく、安全度が高くなる。
しかし、金貸し勢にとって、無から有を生み出す打ち出の小槌である中央銀行は、全ての力の源泉であり、彼らが中央銀行を廃止するとは考えにくい。
もちろん、金貸し勢とその配下の試験エリートたちは、アメリカが借金国に転落した’85年以来、25年に亙ってリセットのシミュレーションを重ねてきた。とりわけ、世界バブルが崩壊した’08年以降、集中的に思考実験を繰り返してきたはずである。
しかし、彼らはあらゆるリスクを十分計算したつもりでいるが、最後の所は常に自分に都合のいい判断に流れる。今回も、「中央銀行を存続したままでも、秩序は維持できる」というのが彼らの結論だが、その甘い判断が彼らの致命傷となるだろう。
金融勢力にとって中央銀行制度は生命線です。中央銀行制度を保持する限り、紙幣発行権のない国家はお金を借り続けるしかなく、金貸しはマネーを生み出し、利子収入を得ることができるからです。
まさに近代~現代までの数百年にわたる金融支配システムの根幹=力の源泉であり、そう簡単に手放す訳にはいきません
しかし、旧紙幣の紙屑化→新紙幣発行、インフレと暴動の危機という条件下で、そううまくいくのでしょうか
国家紙幣であれば、食糧等の配給元=紙幣の発行管理元であり、国家への信認が全面崩壊しない限りは秩序を維持できますが、中央銀行制度のペーパーマネーでは信認を得られず、店舗や流通の襲撃、生産者や所有者からの略奪、大規模な暴動に突入する可能性が高いと思われます。
(直近のヨーロッパ各地での暴動、アメリカでの反ウォール街運動なども凄まじいものがありますが、さらにこのような経済破局下では相当に過激なor破滅的な暴動に発展する可能性が高いのは間違いないでしょう)
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参考:中央銀行による紙幣発行権独占は、国家と市場の野合の産物
いままでの内容を図解化すると以下のようになります
現段階の仮説では、金融勢力の狙いは、世界中の国債暴落→旧紙幣の廃棄(リセット)→新紙幣の発行であり、それを通じて、金融支配体制(中央銀行方式は継続)、現物資産所有による経済支配体制を再構築することであり、同時に市場の延命を図ることである、と考えるのが最もありうるシナリオです
金融勢力の立場からすれば、彼らが生き残ることができる道はそれしかありません。
したがって、気象兵器や人工災害を含め、あらゆる手を打ってくる可能性が高い
しかし、果たしてそれは可能なのでしょうか
金貸しのシナリオ通り進むのか、それとも秩序の崩壊によって社会は底抜けしてしまうのか(そうなれば金貸しもおしまいだが、社会全体も私権時代初期まで逆戻りしてしまうだろう)、あるいは新勢力によって新秩序を構築することはできるのか
いずれにしてもこのまま事態が進むとすれば「秩序は維持できるのか」が最大のカギになります。
次回はその問題について考えてみます 😛
- posted by kazue.m at : 18:25 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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