2014年05月03日
第2回 新概念を応用したプレゼンテーション講習会開催! プレゼン発表編
昨年開催した、類グループ社会事業部主催の特別企画「新概念を応用したプレゼンテーション講習会」
新概念の有用性を実感いただき大変好評でしたので、今年も開催いたしました。
※昨年の様子はコチラ
昨年にも増して社会情勢の変化は激しく、今後も加速度的に変化していくことが予測されます。
それに伴い、人々の期待も刻々と移り変わっていきます。今、企業に求められる力は、その期待を的確に捉え、答えを提示するための「追求力」。
そこで今回は4社5名の方々から、日々の仕事の中での追求成果を発表いただき、各社の発表内容について、新概念によって見出された最新の時代状況や意識潮流等を切り口に多角的な追求に取り組み、多くの気づきが生まれました。
今回は、当日の様子を振り返りながら、できるだけ生々しくお伝えしていきます☆
1.課題共認
まずはじめに類グループの社員より、最先端の時代状況認識と今回の3つの追求軸をお伝えし、課題共認を行いました。
類グループでは、年末劇場会議にて、2014年は「追求の時代(の到来)」と結論付けました。
●なぜ、今年は「追求の時代」なのか?
転換の起点は2012年12月。この頃、唯一インパクトのある出来事は、衆院選による自民党圧勝です。
当時311大震災の影響もあって、みんなは、反原発、反TPP。状況から考えても、自民党が圧勝できるわけがありません。地方選では、自民党は大敗したにも関わらず、この衆院選と都知事選だけは圧勝です。●なぜ勝てたのか?
実はこの選挙ネットで大きく問われているのが「不正選挙疑惑」です。
民主主義の根幹を揺るがす不正選挙、みんなの期待を裏切り強引な政治にもはや、お上に任せておけない。自分たちでなんとかしなければという感覚。その高まりが、自給期待・自考期待となって現れ始めたのです。世の中なにかおかしい。しかし誰かが何とかしてくれるわけでもない。「今こそ、自分たちで考える」と覚悟を決めるとき。それを、類グループでは「追求の時代(の到来)」と位置付けました。
●追求の時代とは、どのような時代か?
追求は、どれだけ広く人々の期待に答えを出せるか?という一点に絞られます。
これら自考、あるいは追求の背景は、先程も紹介しました通り、社会の秩序崩壊が背景ですが、この逆境をプラスに捉えて、どれだけ「追求力」を上昇させられるかが、今後の企業間競争の勝敗を決めると考えています。●追求の深さは、充足や活力にもつながる。
生命の普遍原理として外圧=内圧という構造があります。
これは、人類集団は、外の圧力に対応するべく、中の圧力が生じる構造、つまり活力が生じる構造です。1970年以前、貧困の圧力が働いていた時代は、その貧困が強制圧力となっていました。
しかし、現代は、共認の時代。共認時代は、自らみんなの期待圧力を掴み取る必要があります。
そして共に追求を重ね、共認圧力を追求充足へと上昇させていくのが、みんなの活力となっていきます。その最先端が、日々、共認圧力を高め、共に追求し合える、共同体企業。
これを目指してゆく事が、社員の活力上昇、社会の活力再生にも繋がっていきます。ですから、この後のプレゼンテーションを深める視点として大きく3点。
●外圧=内圧という視点:自分たちを取り巻く外圧に適応していけるかどうか?
●自給期待の視点 :自らが運営の主体となる新しい潮流に乗せられるかどうか?
●追求力の視点 :期待を掴み取り、どれだけ掘り下げ、塗り重ねて行けるか?この3つの視点で、各社のプレゼンテーションを磨き上げていきましょう!
参加者の表情も一段と真剣になり、引き締まった空気感の中、各社のプレゼンテーションへと移っていきました。
2.各社プレゼンテーション発表
■類グループ 「類設計室 新卒採用 学内説明会」
これからの設計者に求められる能力とは何なのか?類設計室が共同体として、社会の期待にどのように応えているのか?
学生の欠乏を捉えた深いアプローチで、社内の追求と充足の場と時代認識から導かれた実現イメージを具体的な実例を交えながら、2年生と3年生のコンビが発表しました。
●類設計室は様々な分野の設計を手掛ける組織設計事務所。
類設計室は、競技施設や学校、福祉施設など様々な分野の建築設計を手掛けています。
実際の作品も紹介してくれました。
●実務に携わっての気づき
◆施主の立場、状況を捉え、設計を進める事の重要性
どうやったら建物を使う人たちが迷わず目的地までたどり着きやすいサイン計画となるのか?
使いやすい計画や快適な空間となるのか?
ユーザーやお施主さんの立場や状況を深く捉えながら設計を進めていく事の重要性を学びました。◆学生と社会人の違い「建築が実現するまでの過程を理解する。」
学生のときは、自分が作りたいと思うものを好きなように描いていればよかった。
でも、実務は違った。図面に記載される線1本1本に意味があり、それは何を伝えるものなのか、圧力が全く違う!●類設計室が考える、建築設計という仕事
建築は「社会の器」ゆえに「建築設計」とは、「社会を創っていく仕事」です。
施主と設計者は「戦略パートナー」となり、最先端の可能性と戦略を追求し、志を共有しながら、日本を牽引する先端事業の基盤を構築し、施主を「勝たせる」空間をつくることを目指しています。●社会を捉えるには何が必要か?
設計は、施主の置かれている状況にどこまで肉迫できるかが勝負!だからこそ、社会の状況を広く深く捉えることが必要になります。ですから、設計者は認識力を磨き続けることが求められます。
そのために類設計室は、事実を発掘し、深く追求するための場と認識を生み出してきました。
それが、ネットサロンやるいネットです。
このような場で学び、広く深く社会の期待を捉えることで、新たな戦略とそのために必要な建築を実現することができるのだと強く感じています。●類設計室は何を創造するのか?
類設計室は共同体。それは、自分たちの生きる場を自分たちでつくるという事です。ですから、私たちは建築をつくるし、組織もつくる、そして社会もつくっていきます!
期待に応える仕事を実現できている背景には、長年培ってきた認識と追求の場があること、若手でもどんどん主体的に学んで成長していける可能性を提示していく事は、学生にとって大きな魅力です。
■saiブランド 「資源であり続けるモノづくり」
「資源は地球からお借りしているもの。」地球に生きるものとして、真の資源循環を追求し続けてきたsaiブランド。仕事の上流から末端まで貫徹された深い追求過程を、多くの実績と共にご紹介いただきました。
深い追求力の背景には何が秘められているのでしょうか?
●saiブランドとは?
saiブランドは、港湾、漁港、河川海岸、海辺など水辺環境の設計、施工を手掛けています。
水辺という環境負荷が高い場所で、いかに耐久性のあるものを提供していくか追求し続けている企業です。経営理念は「資源であるものづくり」
ウッドデッキの下地の構造を素材から追求し、将来ゴミではなく、資源になっていくモノづくりをしていくことを理念としています。資源は地球からお借りしているもの。大切な資源として循環させ、自然と共生していく事を大切にしています。●saiって何?
彩・・・彩りある景観
才・・・優れた技術で優れたカタチにする
再・・・再生・再利用を実現する
際・・・水際にも強く、自然と交際していく
細・・・大きなことから小さなことまで地球に人に製品に向き合うスタンス
砕・・・豊かな発想で既成概念にとらわれない「sai」に込められた意味はいろいろあるが、既成概念に捉われず、新しいものを作り続ける「砕」が一番好きです!
●材料開発の追求
ウッドデッキの不具合は、下地に大きく左右されます。
ですからsaiブランドでは、品質とデザインを追求する中で、再生木材や下地、果てはビス1本まで自社で設計して開発してきました。他にも、材料に木が使われている再生木材は、通常水を吸ってしまいますが、原発事故でこれから火力発電が増えていく事を考えると、その廃材であるフライアッシュは再利用できるのではないかと考え、水を吸わない材料も開発しました。
また、焼却処分されるゴムの木を活用した天然木素材や高潮がきてもバッテリーが被害を受けない街灯、特殊材料を利用したトラックの架台など常に新たな材料を次々と開発し特許も取得しています。このようにウッドデッキという専門分野はもちろん、広く期待に応えていく中で技術開発を続けていきたいと考えています。
●物件紹介
沖縄~都心の案件まで広範な仕事をしてきました。
地盤が沈下してもすぐに調整して元に戻せるデッキづくりや、山間部の案件で、伐採した木を再利用して建物に活かすなど至る所で、自然との共生、資源の循環を実現しています。沖縄で、台風により桟橋が崩壊する事故がありました。
どうしたらこのような被害を防ぎ、安心して利用してもらえるか考え、自然の外圧を直視し続ける中で考案したのが、スリット構造で波力を受け流すシステムです。戦後最大の台風にも十分耐えることができます。このように、saiブランドは、既成概念を砕いて、自社でないとできないものを作り続けていきたいと考えています。
常に自然との共生、循環を主軸に置き、社会=自分事と捉えながら、新しい発想で具体的な商品や事業を展開していく姿勢は、今後、どの企業にも求められることです。会場では、とことん具体的に実現していく追求力に、真剣に学びとっていこうという空気に包まれました。
■GB:「映画仕立て」で百発百中の提案力を身に着ける。
GBは、出版・編集プロダクションを手掛ける出版社。アニメや漫画家向けに作成したストーリ作成ツールを紹介いただきました。実は、このツール、仕事をする上でも共通する重要な要素が抽出されているのです。
サービス業に顕著ですが、商品だけで優劣がつきにくいのが現実です。出版業でも価格競争になり、売上全体下がっている状況です。ですから、商品をどう差別化していくか?というのは誰もが考えていること。
しかし、差別化していく事はたやすいことではないし、差別化できたとしてもその価値が相手に伝わらなければビジネスとして成立しない。
そこにストーリー作成のノウハウを応用すれば、価値をしっかり伝えることができると考えています。自分自身の体験としても、親しい友人が困っているのを見て、そこまでほしいと思ってないものをお金を出して買ったという経験がありますが、お金を支払う理由が必ず存在するのではないか?というところに着目します。
ストーリー作り書籍発行のヒントになったのは、apple社のジョブス。彼は一流のプレゼンターであり、一流のエンターテイナーでもあります。
すでにあるエンターテイメントである映画、漫画などもエンターテイメントも同じなのでは?と考え、徹底的に分析し、ストーリーづくりに必要な要因を理論的に組み立て構造を抽出し、ストーリーの作り方をまとめた書籍を発行しました。このような追求の中から見出したルールがあります。
誰かが置かれている「抜け出したい状況」に対して、それをどうやったら「解決した状態」にできるか。
それを実現するための配役と行動を整理していくことがストーリー作りに求められます。これは、商品やサービスをアピールしていく際にも同じなのです。
※詳しくは、書籍をご覧ください。
出版社ならではの視点から追求された、実現するための道筋の描き方や皆の役に立つ思考の仕方は、どんな仕事でも役に立つ認識です♪
■東邦レオ 安全で冷える街づくりに向けて
都市型自然災害の急増に対して、都市住民の安心・安全を守るためにはどうすればよいのか?
海外視察や材料探索など数年間に及ぶ試行錯誤と追求過程とともに、日本の制度・風土に適った新システムをご紹介いただきました。幅広い追求の視点は、学びの宝庫です!
●目指すのは、安全で冷える美しい街。
東邦レオは緑化を手掛けて30数年。緑化だけでこれからの都市は大丈夫なのか?とずっと感じていました。
屋上庭園、壁面緑化、どんな役割をしているのか、それだけで都市はやっていけるのか?という疑問が残り続けていました。緑だけでもダメ、土だけでもダメ、水を活用する道はないか?どうすればいいのか考え続けてきた答えがJMIX。街づくりのひとつの解となるものです。今の時代は、CO2削減は現段階では限界です。温暖化は進まざるを得ないと国も考えています。
そしていくらいいモノでも価格が高ければ売れない=広がらない。同じ機能でもより安価にできるものを追求してきました。●水に関する変化
都市では、異常気象、災害の大型化、温暖化(関東以北で越冬できる樹種が増加。)ヒートアイランド現象など様々な都市環境の問題があり、それを解決していくことも企業の役割と考えています。
都市部では緑地が激減し、保水機能が低下している。水に関する環境が変化している中で、水をどう使うかという事を考えていく必要性がある。水を活かす技術は、都市にとっては不可欠な技術です。●日本で実現するには?
日本の都市では緑の量が急減しほとんど失われてしまっている。ゲリラ豪雨では、雨が地面に浸みこまず横に流れあふれる状況。雨水貯留のための条例もあり、土の中にプラスチックのメッシュ埋めたりして対応しているが、非常に不自然です。何十万トンもためられるような巨大な雨水貯留槽も莫大な資金が必要。被害がひどくなれば、作り続けなければならないというデメリットがあります。
では海外ではどうしているのか?ニューヨーク、シカゴ、シアトル、ポートランドと実際に視察して勉強してきた。
どこも最先端の環境都市であり、自然の特性を活かして、共生しながら雨水問題を解決する取り組みが行われています。世界は自然の力を最大限に活用して「アーバンネイチャー」を実践している一方、東京では、明確な方向性は示されていない。だからこそ、「大地の力を都市の力に」していきたい。
●具体的にどうする?
コンクリートの砕石なら都市にたくさんあるし、捨てる場所がないものを引き取れば、安く手に入ります。
しかし砕石は、強アルカリ性になると有害物質を発生させるという難点もあるので、これを防げないか追求してきました。そこで、長年、土を研究してきた経験から、腐植土でアルカリ性を緩和できるのではないか?
実験を何年も重ね、有害物質が発生しないことを実証することができました。もう一つの問題は、都心の公園やグラウンドのように、礫を重ねて水が浸透する仕組みは、だんだん締め固められ20年もするとほとんどしみこまない状態になっているということです。
どうしたら締め固められにくく、空隙が多く、安全で、プラスチックより安価なものができるか?
海外の事例では、路面の下に瓦礫などを埋め込み、空隙率を確保し、保水性の高い道路で都市環境を改善している。ゲリラ豪雨対策にもなっている。しかも安価。砕石と腐植を組み合わせたもので、空隙率を確保し、締め固まりにくいものができるのではないかと考え、何度も実験を繰り返した結果、それも実現可能だという事が証明できました。
さらに、空隙率の高さを生かせば、植物が根を張ることも可能です。
吸収した水を植物に吸わせ、蒸散作用を促し、都市の温度を下げるシステムも将来的に見据えています。この自然の力を活かしながら、都市環境を良くしていくことが、東邦レオの一番やりたいことです。
10年間も実験し続けてきた追求し続ける姿勢に、会場からは感嘆の声があがるほどの発表でした。
徹底したコスト意識、売れなければ使ってもらえない=勝てない、勝つために徹底的に追求する。
都市環境の改善、地域住民の安心安全、自社や発注者のメリットなど、あらゆる観点からの追求によって、統合された一つの答えを導いて下さいました。
以上、4社の発表をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?どの発表も現実の課題を突破するために追求された内容で、学ぶべき追求の視点がたくさんありました。次回は、このプレゼンテーションをもとに劇場会議形成で議論した内容をご紹介します。
- posted by kawai at : 3:01 | コメント (0件) | トラックバック (1)
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