2014年05月11日
第2回 新概念を応用したプレゼンテーション講習会開催! 追求討議編
第2回 新概念を応用したプレゼンテーション講習会の後編は、各社の素晴らしいプレゼンテーションを元に、
●外圧=内圧という視点:自分たちを取り巻く外圧に適応していけるかどうか?
●自給期待の視点 :自らが運営の主体となる新しい潮流に乗せられるかどうか?
●追求力の視点 :期待を掴み取り、どれだけ掘り下げ、塗り重ねて行けるか?
の3つの視点を軸に、劇場会議形式で追求を深めていきました。
前回の記事:第2回 新概念を応用したプレゼンテーション講習会開催! プレゼン発表編
この追求討議も、新しい気づきが盛りだくさんでしたので、主要なポイントをご紹介します。
■追求力の源泉は?
プレゼンテーションを通じて、みなさんの追求力の高さを強く実感させていただきました。
皆さんのモノづくりの追求していく際の源泉となっているものはなんなのでしょうか?
Saiブランド 結城社長
大企業によくあるようなリスク回避ばかりでは、追求しきれないし、楽しい仕事もできない。
新しい事に挑戦するというのは大事。
自身の生き方として、一番外圧の高いところにいるのが好き。
高い外圧に順応できれば、ほかのどんなところでも対応できると考えている。
モノづくりも同じ。水際は最も外圧が厳しいところだから、自身のライフワークの場所にしている。
根底にあるのは、海が好きという気持ち。東邦レオ 木田専務
すごい商品、すごいブランドをつくろうというのを会社の目標にしており、追求したいという気持ちは常にある。
しかし、すごいものはすぐにはできない。いろんなものの組み合わせを仕事の中で試し、過去経験したことを紡いでいくと見えてくることがある。
いろんな経験や知識をつないでいくと、ローテクの集まりでも、これができたら次にいける、次ができればその次というように次の道筋がみえてくる。都市が困っていることをどう解決したらいいのかが見えてくる。
その蓄積が追求力になっているのではないか。追求を重ねてきたことが新商品の開発にもつながっている。
■追求できる人の共通点はなにか?
共通点は、「いつも考えている」ということ。これができているかいないかが、追求力の分かれ目。
プレゼンの合間でも、腐植に着目したという発表を聞き、フライアッシュを利用できないか?とすぐに実践に結び付けていく会話があったように、組み合わせてさらによくできないかと、いつも考えていることは、可能性に向かっていく力に繋がっている。また、専門領域にこだわらず、都市を良くするために何が必要なのか?と「社会的な地平で考えている」ことも重要。
社会的地平で考えているからこそ、たくさんの発想を生み出すことができるのだろう。どんな自然現象(気候、波風等)であっても、それを事実として認め、肯定し、常に「自然に同化」していく姿勢も重要なのではないか。
そうすることで、点と点を広げながら同化し、追求を深めていく事が可能となる。
■地域と都市の在り方について
自然という観点からすれば、都市の過密状況、特に東京には人が集まりすぎており、非常に不自然な状況になっている。
地方で暮らす方が大変な側面もあるが、そこで暮らせる人間力から考え直さないとダメな状況になっている。
地方に土着できるくらし、それを楽しめる人が増えるかが課題ではないか?
類塾でも自考力を鍛える授業に力を入れているように、将来の人材を育てることは不可欠。
その先どうなるかと考えていくと、地方は、市場では活用されていないが農業のできる土地がある。しかし人がいない。それならば、農村学校をつくって社会の役に立つ人材を輩出しようといったように、構想を描くと同時に、徹底して実践、実験を積み重ねていくという姿勢がかなり重要なのではないか?
新しい都市の形としてコンパクトシティが昨今謳われているが、現実的には快適な環境を実現する難しい。
海外の事例によくあるが、田舎の楽しさや魅力の発信を牽引してくれる人が必要なのではないか?
これからは共同体の時代でも追求しているように、これまでは市場経済優先、その吸引力、効率化で都市がつくられてきた。しかし、これからは「自給」「循環」がキーワードであり、それを目指していくべきではないか?
参考投稿
都市開発の将来予測-1(2020年までの建設市場)
都市開発の将来予測-2 中期的な展望は?建設物価の混乱はどうなる?
都市開発の将来予測-3 自給型・循環型のグランドデザインに向けて都市で困っているのは自分たちであり、一方で原因をつくっているのも自分たち。
企業の技術はその問題を解決することを目的としているが、一方で人間の感覚をマヒさせてしまうような影響がでてしまうのではないか?
自分たちが自分たちの町をつくっているんだという意識を醸成する必要もある。技術に加えて、みんなが都市を冷やすためにどうするのか?排熱してる自分自身の生活をどうするのか?と考えることが必要なのではないか。
いかがでしたでしょうか。まだまだ追求したい、聞いてみたいことがたくさんという空気の中タイムアップとなりました。
今回のプレゼン発表と追求討議の重要ポイント
・追求に必要な姿勢=「自然への同化」
人間だけがお互い同化しているだけでは不十分で自分たちが暮らしていく環境に同化していく姿勢が今後より重要になってくる。
・共同体の力
外圧=内圧、自給、追求力という視点で議論したが、これらを実現していくためには、ものをつくっていく仲間が必要であり、企業が担っていく役割はますます大きくなっていく。
そのためにも共同体の力をつけていくこと、加えて共同体同士が結集していくことで社会に対するインパクトをつくっていくことが今後ますます重要になっていく。
最後にプレゼンテーション講習会に参加いただいた方々の感想をご紹介します。
■参加者の感想
・問題解決のヒントは日常のいろいろなところに転がっているのだなということに気づきました。
問題というのは、根本的なものを見つめなければいけなく、目をそむけて、一時的にカバーするというのは通用しないんだということを再認識しました。
・一番の気づきは自考型人材育成。「追求」する為に自ら勉強し、自分の足で歩き廻り、知る。ミーティングで人の話を聞き知識とする。その先に追求があるものと思う。常に考え続けることだと気づいた。
・各社のプレゼンを通して、共通して感じたのは、目先的・売込み的なプレゼンではなく、その背後にある外圧や状況認識を追求を出発点としている姿勢が強く伝わってきた点です。
環境関連の提案にしても、自然の摂理や本来どうあるべきかといった根底的な部分に追求が及んでいる点が、非常に興味をそそられ、かつ聞きやすいプレゼンにつながっていると感じました。
・外圧を外圧と認識していないケースもあるのではないかと感じた。環境問題について意識はあるが自分自身の問題(外圧)として思っていない場合もあると思った。それを自給期待・追求力の視点での意見をきくことで、外圧として認識することがあると思った。
・問題意識と現実的な視点からの追求力の凄さ。都市計画において、定説とされている問題やその対策に疑問を抱き、不断な実験と試行錯誤、またそれらから答えを見出し、行動を起こすのは凄い。
・4社のプレゼンテーションを開いてみると実は繋がっていると気付けたことが大きな収穫だった。きっかけは、‘領域を超える’というキーワード。突飛な考えではなく、対象に徹底的に同化すると自分の領域だけでは留まることが出来ないのだと改めて思った。考え続ける姿勢とは常に疑問と隣り合わせで、このような追求の軸を定める上でも主人公の立ち位置は照準を定めることだと気付けた。
昨年に引き続き、今回も高い追求圧力の中、それぞれに深い気づきを持ち帰っていただく機会となりました。
次回の開催を期待するありがたい声もたくさんいただきましたので、次回は9月に開催を予定しています。
次の開催もぜひご期待ください!
- posted by kawai at : 1:53 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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