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2014年05月29日

生物進化の歴史構造に学ぶ「仕事とは何か?」6~極限的な追求の果てに、人類は追求充足⇒観念機能を獲得した~

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画像はこちらからお借りしました。
前回の記事 生物進化の歴史構造に学ぶ「仕事とは何か?」5では、原始人類が仲間との共認充足を唯一の活力源として、絶望的な極限的状況を何とか生き抜いてきたことを見てきました。
しかし、共認充足だけでは、外敵にも勝てませんし、食料を得ることもできません。
このような大逆境に人類はどのように適応していったのでしょうか?
今回は、その謎に迫ります。

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■当時の人類の置かれた状況は?
人類の進化適応を考えていく上でも、まずは当時の人類の状況を押さえていきましょう。

20130219050407774s洞窟の外は外敵だらけで、小動物のような外敵にも勝てない原始人類は、常に、極限的な飢餓状態にあったことは想像に難くありません。
まともな食料を手に入れることもできず、夜中に他の動物が喰い残した動物の死骸の骨を密猟するのが精一杯だったでしょう。
従って、原始人類は大半の時間を洞窟の中で、隠れ住みながら過ごしていたと考えられます。
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そこでは生存の危機意識が恒常的かつ強力に作動していたでしょう。 人類は唯一の命綱である共認機能をフル稼働させ、集団の全員が互いに顔を見合わせながら「どうする?」「どうしたらいい?」と日夜、追求していたはずです
しかし、それでも突破口は見いだすことはできない状況でした。
■極限状態の中に見出した突破口は?
そのような状況の中で、人類は何に可能性を見出し、突破していったのでしょうか?

o0605040211748161106人類はどうにもならない極限状態の中でもわずかな生き残りの可能性を求めて、自分たちの周り、すなわち木々や太陽、川や海、風、天気、その他様々な自然現象を注視(凝視)し続けていたのだと思われます。
画像はこちらからお借りしました。

そして、徹底的に自然を注視し、自然現象への畏怖の念と共にそれらがもたらす自分たちへの恵みを期待し、祈り続ける中で、自然の背後に何らかの規則性や因果関係を見出すことができたのです。
つまり、人類は直面する過酷な現実対象=自然を凝視し続ける中で、元来は同類(仲間)を対象として働かせてきた共認機能を、自然に対しても作動させ、自然との期待応合(=共認)を試みたのです。

「どう生き延びるか?」という集団全員の強力な課題共認と期待応合圧力がかかる中で、その営為(自然への祈り)は、極限的な追求過程であったでしょう。

2d2fb38941f66d2cefff6417be71bd33c980c763_40_2_9_2そして、その追求の果てに、遂に、感覚に映る自然(例えば1本1本の木)の奥に、応合すべき相手=期待に応えてくれる相手=精霊を措定するに至ります。
原始人類が万物の背後に見たこの精霊こそ、人類最初の観念であり、人類固有の観念機能の原点です。

直面する現実対象の背後に精霊を見るのも、物理法則を見るのも、基本的には全く同じ認識回路であって、原始人類が観た精霊こそ観念の原型(観念原回路)に他なりません。

このようにして、人類は、生存課題の全てを本能⇒共認⇒観念(精霊信仰)へと先端収束させる事によって、200万年前の言語機能を含む観念機能を発達させていきました。

その事実認識の蓄積によって生存様式(生産様式)を進化させ、遂に1.3万年前、弓矢の発明によって外敵と対等以上に闘える段階にまで生存力を高め、動物一般レベル以下にまで過酷な生存圧力を克服することができたのです。

このように、原始人類は、強力な生存圧力⇒共認圧力(充足)から、観念機能と生存様式を生み出し、進化させ、極限状況を突破してきたのです。

 

■意識の3層構造
d4de0f9105392d27168fe2ad4adc5ed7ここまでの外圧適応の過程からわかるように、人類の意識=脳回路は3層構造を形成してきました。
(哺乳類時代に形成された本能⇒サル時代に形成された共認機能⇒人類固有の観念機能)

そして人類は、その観念内容を組み換えることによって、極限的な生存圧力に適応してきました。 この人類の意識の三層構造は、生存圧力を克服した現代も全く同じ構造を持っており、意識の3層構造は、脳回路や意識潮流分析をはじめとする様々な問題を突破するために不可欠な認識です。

例えば、最近どの企業でも主要課題となっている社員活力の問題も、人類本来の活力源を見出すためには、この意識構造を明確に捉えておく必要がありますし、子供の教育や人材育成、社会の諸問題についてもこの認識なしには到底本質的な答えには至らないでしょう。

<参考記事>
これから求められる思考能力、観念能力とは?
活力源としての共認充足と、統合の要としての構造観念
赤ん坊の皮膚感覚~共認充足に貪欲な存在~

■共認機能の2層構造
サル・人類に共通して共認機能が備わっていることは、ここまで見てきたとおりですが、サルと人類の共認機能には、実は大きな違いがあります。
共認充足を活力源にしている点では原猿・真猿も同じですが、人類の共認機能は実は2段階構造になっています。
第1段階:親和充足
最基底にあるのが、原猿時代に形成された期待応合の充足⇒性充足やスキンシップ、おしゃべりをはじめとする親和充足である。これが原猿~人類を貫く活力の源泉です。

第2段階:追求充足
さらに人類は、原猿よりはるかに過酷な生存状況で500万年間に亙って「生き延びるためにどうする?」と日夜、追求し続けてきた結果、「みんなの期待に応えて追求すること、それ自体で充足する」という追求充足という機能を獲得しています。

つまり、共認機能の中でも第2段階にある「追求充足」という機能こそ、原猿以来の期待応合充足の上に塗り重ねられた人類固有の共認充足の新地平であり、また、追求機能は人類が本来誰もが持っている根底的機能であるということなのです。

いかがでしたでしょうか?
原始人類が大逆境を乗り越えるために進化させてきた共認機能(追求充足機能)、観念機能は、現在の人類にまで脈々と引き継がれていることを感じていただけたでしょうか。

次回は、これまでの内容を振り返りつつ、この同類闘争の時代に求められる力とはなんなのか見ていきたいと思います♪

 

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