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2015年12月23日

私有経済から共有経済への可能性③ ~モノの流通ではなく人の交流を基盤に

前回までの記事は以下のものです。
①ネットを使った新しい展開
②集団間の潰し合いではなく共生化へ
前回紹介しました相互扶助は、基本的には顔を知っていて素性も分かっている人同士の間でしか成り立ちません。生まれも育ちも、代々その家系も知っている村落共同体だからこそ成立した関係と言えます。しかし既に農村は過疎化し、共同体が崩れ、相互扶助も廃れてしまいました。そんな現代で、改めて共有経済が注目されていますが、バラバラに分断された個人が『共有』するためには、やはり信頼が不可欠です。共同体という基盤のない個人同士が信頼を培うには一体どうしているのでしょうか?
今回も「経済の行き詰まりにシェアリングエコノミーという選択肢」を一部抜粋しながら、共有経済について考えて見ましょう。

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皆さんは、日本の高校生が起業家に投資しているのをご存知ですか?

例えば「Kiva Japan」というサイトがあります。Kivaというインターネットを通じて発展途上国の起業家に融資できる国際的なサイトの日本版です。そこに行くと、例えば日本のある高校の生徒10人くらいが1人2千〜3千円ずつ東ヨーロッパの国のお母さんにお金を貸している。

そのサイトには、毎月いくら返済して、金利をいくらつけるという詳細まで全部出ているし、過去にお金を借りてちゃんと返した、あるいは返さなかったという実績も載っている。そういう仕組みがあるから、一度も会ったことがない人との取引が可能になるわけです。

これもシェアリングエコノミーの一つで、不特定多数の人がインターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力を行うこうした行為は、「クラウドファンディング」「ソーシャルファンディング」と呼ばれています。(「経済の行き詰まりに、シェアリングエコノミーという選択肢」より)

かつては資本家(金貸し)が行っていた起業家への投資という役割を、社会貢献したい人の集まりが担っているのです。これは「お金」を共有財産として位置付け、必要な人にシェアする、ということで共有経済の一つとして捉えられています。

他にも、アメリカで「ジップカー」というカーシェアリングサービス会社が生まれました。会社の所有する車を貸し出すサービスですが、その創業者ロビン・チェイス氏は、2011年パリで「バズカー」というサービスを開始。実はこの会社は、もはや車すら所有せず、車を所有している人(オーナー)と借りたい人(ドライバー)をつなぐというサービスを提供するだけなのです。利用者のための損害保険制度も新しく作りましたが、さらに「信頼」形成のために、オーナーには、ドライバーの運転記録と履歴をチェックできるような仕組みも作ったのです。

ロビン・チェイス自身、その辺を明確に意識していて、「車両に投資する代わりに、コミュニティーに投資した」と言っています。また、バズカーのような会社を「ピアーズ(仲間たちの)株式会社」と呼んでいます。バズカーのプラットフォームは信頼を担保するだけではなく、個人と個人が出会うことで新たなコミュニケーションを生み、イノベーションが起こる場になるという意味を込めて、そう呼んだのです。それがシェアリングエコノミー・ビジネスの今後の方向になると思います。(「経済の行き詰まりに、シェアリングエコノミーという選択肢」より)

冒頭に展開したように、共有経済の原点は、村落共同体にあります。したがってこれは実は新しいビジネスモデルではなく、人類の原点に回帰し始めている、その後押しをしているということ。つまり共有経済は、モノや金の流通ではなく、人の交流ということが本質なのです。

 

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