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2022年06月12日

【左脳・右脳の進化史】4.哺乳類は、なぜ大脳新皮質を肥大化させたのか?

魚類~両生類~哺乳類~霊長類~人類に至るまでの、左脳・右脳の機能差→左脳・右脳の連携、統合への進化を探索する【左脳と右脳の進化史】シリーズ。
1.左脳・右脳の機能分化→連携、統合への進化を探る
2.魚類の左脳・右脳の機能差~なぜ、魚の群れは同じ方向に泳ぐ向きを変えるのか?
3.哺乳類の集団形成~左脳・右脳の機能分化→左脳・右脳の連携・統合への転換

哺乳類に進化する過程で大脳新皮質が発生しますが、それと同時に左右の新皮質を接続する「脳梁」が発生します。この「脳梁」は左右の脳の情報を接続し、あらゆる外識情報に対して脳全体で思考することを可能にしています、言わば左右に機能分化した脳を再統合する機能です。人類は外圧適応の戦略上、左脳・右脳の機能分化→左脳・右脳の連携・統合へと、大きく転換したと言えます。

では、はぜ哺乳類は、左脳・右脳の連携・統合へと、大きく転換したのでしょうか? まず、哺乳類の特徴である巨大な大脳新皮質から考えてみます。

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■哺乳類は、なぜ大脳新皮質を肥大化させたのか?

●初期哺乳類(原モグラ)は、土中に住む存在であり、視覚を後退させ、主要に触覚(皮膚感覚)と嗅覚を武器としています。加えて哺乳類は授乳や子供を嘗めるなど、スキンシップを通じて、皮膚感覚に快感機能を付与することで、皮膚感覚の回路を著しく発達させています。

皮膚はそれ自体が駆動物質を分泌し、キャッチしたりできるという脳と同様の機能を持ちます。他の感覚器官は情報のみで、判断機能を持ちませんが、皮膚はそれ自身が判断機能を持ち、「心地よさ」「気持ちの悪さ」「怖さ」等の感情を生み出します。これが、皮膚は第二の脳と言われる理由です。

哺乳類はこの判断機能を持つ皮膚と脳との連携を強化することで知能を発達さてきますが、その過程で皮膚から受け取る多様な感覚を受けるために、大脳新皮質を肥大化させていきます。

●視覚、聴覚、嗅覚などは、感覚器で受け取ったばらばらの断片情報が、脳の各部で段階的に分類・秩序づけされ、最終的に大脳新皮質の連合野で価値判断を下します。

霊長類大脳皮質における腹側視覚経路と背側視覚経路
(図はWikipediaより引用 )
腹側視覚経路(紫色):外界の物体の形状を認識(what経路)      
背側視覚経路(緑色):物体の位置を認識(where経路、あるいはhow経路)

●一方、触覚情報は、「皮膚」によって分類・秩序づけし、価値判断をくだされた膨大な情報が、そのまま大脳新皮質に投影されます。哺乳類の場合、体表面の皮膚感覚や体毛で受容された感覚が脳内に投影された空間地図、いわゆる「体性感覚地図」が形成されます。

ペンフィールドマップ(画像はコチラからお借りしました)

ペンフィールドマップは、大脳にある『運動野』と『体性感覚野』を切り取った断面図。手や唇、舌の比率が実際の体よりも著しく大きく、これに対して胴体や腕の比率は小さくなっていることが分かる。これは、手や唇、舌などの皮膚感覚に関連する脳の範囲が広いことを意味しています。

●このように、皮膚感覚を著しく発達させた哺乳類は、その皮膚の膨大な情報を処理するために、皮膚と脳の脳の連携を強化し、情報を受け取る新たな脳領域=大脳新皮質を拡大していったのだと思われます。

次回、大脳新皮質について、その最大の特徴とも言える「6層構造」と、左脳・右脳を結ぶ神経回路の入出力経路に迫ります。。

 

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