2022年07月06日
【今週の注目情報】 日本の食糧は、海外依存から脱却できるか?
世界中で食糧の価格上昇が止まりません。その原因は、直接的には「エネルギー高騰」「物流の停滞」そして「円安」ですが、根本は『食の海外依存』です。
目の前の物価上昇は切実ですが、今回は視野を広げ、日本の農業生産について考えるための情報です。
◎日本経済の後退は、コロナでもウクライナでもアメリカ金利でもなく、1970年豊かさ実現以来の市場の構造問題
日本は市場構造を抜本的に転換する課題に直面し続けており、それが今回の円安に至る問題でより露になったのです。そしてそれは、「外需型から内需型の転換」ではないでしょうか。それも貧困の物的需要のある時代ではなく、物的豊かさを実現した時代で「外需から内需」への市場構造の転換です。
日本は食料自給率の低下と引き替えに、アメリカの余った穀物を買うことを約束した
◯世界の食糧危機を引き起こし、自給意識を高めていく
ウクライナは「欧州のパンかご」と呼ばれるほど小麦の輸出を行っており、ロシアも同様に世界有数の小麦輸出国です。両国を合わせると世界の30%の小麦輸出を行っており、その輸出先であるEUやアフリカ、中近東は両国からの輸入に頼っているため、国内の食糧供給に大きな影響を与えています。
各国、これまで輸入に頼っていた国内の食糧事情であったため、「自ら食糧を確保してかなければ」という自給意識を高めることになっていくかもしれません。◯化石燃料の高騰により、世界の有機農業への意識は高まっていく
ロシアは欧州に対して、化石燃料を供給しています。
農業を行うにしても、機械を動かすための石油を必要とするため、ロシアの供給制限に伴う石油価格の高騰は農業生産に大きな打撃となります。
さらに、近代農業において必要不可欠な「化学肥料」は化石燃料を原料としており、かつ肥料の原料となる「窒素・リン・カリ」の輸出はロシアがシェアを占めています。
ロシアの経済制裁に伴い各国は新たな原料の調達に四苦八苦していますが、化学肥料の調達難により、肥料価格の高騰は免れない状況です。
ロシアのウクライナ侵攻に伴った肥料価格の高騰は、世界の農業生産における基盤に対して大きな影響を与えており、化学肥料を基盤とした近代農業からの脱却が必要になります。
日本においても、農林水産省が「みどりの食糧システム」という有機農業への転換を推し進めており、今回の危機を発端として世界でも化学肥料に頼らない有機農業への転換する潮流が加速していくと予想されます。
食に関する「地産地消」は、昔から「医食同源」の意味をもっていわれてきた。
切っ掛けは、全国の野草を食べながら旅をしている人の言葉です。それは、地場の植物を接種すると体に変化が起きる感覚が分かるというもので、地産の農作物はもちろんですが、特に自然に育成している地場の野草を食する事によってその感覚がダイレクトに感じられるというものです。これは全国、世界中の食材を自由自在に手に入れる事になれてしまった私たちには、薄れがちな感覚の一つだと思います。美味しい、美味しくないだけでなく、食する事で体が変化していく内的感覚。
旬のものは地域人にとって、その季節、その時期、その場所にある、そのものだけが持つ特別なエネルギーであると言えます。そして最も美味しく頂け体に染みわたる食材。さらには各々に接種することによって、その季節、その時期に合ったとても体に良い特別な感覚があるものです。
自然の恵みを分けてもらうということは、「今居る場」で「生きている=適応している」自然のエネルギー(波動)を頂くことでもあるのです。
ロシアのウクライナ侵攻を起点に、世界は「近代農業からの脱却⇒有機農業(自然の摂理に則った農業)」という動きを加速させるかもしれません。
食糧、エネルギー、防衛を他国に依存して独立国とはいえません。
今こそ、日本は「地産地消」「有機農業」を核とする『食糧の自給自足』を高める農業生産に根本から見直す機会ではないでしょうか。
そのためには、現在の農業の問題は「就農人口の減少」ですから、『就農定住』『企業の農業参入』を促す国の政策が必要です。物的豊かさを実現し、人びとの自然収束の潮流がある今だからこそ可能性があります。
- posted by asaoka at : 12:59 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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