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2011年01月15日

【元気な会社】シリーズ ~会社と社員の信頼関係に基づく共同体の会社~

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こんにちは。
今回は元気な会社シリーズ第5弾 日本一休みの多い会社「未来工業株式会社」を紹介します。
今回紹介します「未来工業株式会社」は年間140日以上の休みがあります。中小メーカーの平均が105日程度、有給を入れても113日ですから非常に休みの多い会社です。しかも、1日の勤務時間も8時間より短く、おまけに残業禁止です。日本一休みの多い会社として有名な会社です。
にもかかわらず、経常利益率5%以上を持続している不況知らずの会社なのです。
今回はその秘密?に迫ってみたいと思います。

0.プロローグ
1.板室温泉大黒屋
2.あらき
3.辻谷工業
4.キシ・エンジニアリング
番外編・元気な会社は日々のやり取りも素敵☆+゜
5.未来工業株式会社
6.小ざさ
7.伊那食品工業株式会社
8.ハッピーおがわ
9.医療法人鉄蕉会亀田総合病院
10.沖縄教育出版
11.まとめ

続きの前に・・・
↓ ↓
いつもありがとうございます

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未来工業株式会社」さんは休みの多さ以外にもユニークな特徴がありますので、その特徴についていくつか挙げてみます。
・ 脱下請け宣言
・ 経営理念は「常に考える 何故・なぜ・ナゼ」
・ 提案制度の導入
・ 何でも言える社風
・ 社員の要望で勤務時間短縮
・ ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)禁止
・ 本社機能は最小


などなどです。
■ 評価指標としてのお金
まず、提案制度に着目してみます。
未来工業さんは電設資材などを作っている会社です。この制度は、その製品のアイデア提案や経費削減の提案などを社員に募る制度で、提案ひとつについて500円が支給され、採用されると上限3万円の褒賞金が出ます。
そして、780人の社員で年間1万~1万5千件の提案が社員からあるそうです。それもいい加減な提案ではなくきちんとしたものだそうです。
未来工業さんはこうした社員さんたちのアイデアを取り入れて、これまでに2万点こえる商品開発をしてきました。そして、特許や実用新案などの知的財産・工業所有権は4000件を超えているそうです。

とりわけ有名な商品は、一般にスイッチボックスと呼ばれるスライドボックスで、家庭内やオフィス、工場などのコンセントの配線器具を取り付ける際に壁に埋め込むものです。内装で壁板を取り付けてしまうと隠れてしまう器具のため位置が分からなくなります。コンセントを取り付けるときに電気工事業者はそのボックスを探して壁に穴を開ける必要があるのですが、図面から読み取って正確な位置を見つけるのはなかなか苦労する作業でした。未来工業さんの製品はスライドボックスの上下にアルミテープを貼って金属探知機で探し出すシステムを開発しました。この商品は国内80%のシェアを誇っています。未来工業者の2万点を超す商品のほとんどがこのようにひと工夫ある、「なるほど」「こんなものがほしかった」と思わせるような、画期的アイデア商品です。実際に現場で工事をする工務店の方に話を聞くと「未来工業の商品は使用者のことを知り尽くしていて、実に使い勝手がいい」と言います。

「日本でいちばん大切にしたい会社」 坂本 光司著より抜粋編集
こうした未来工業さんの商品は、みんなの役に立つため、競争力が高く値引きなどせずに必要な生産コストに応じた価格設定が可能なのです。つまり、ちゃんと儲けているのです。
そして、その利益を支えている一つが提案制度なのです。
実は冒頭の1枚目の写真は、「提案実施ボード」と書かれていて、社内で提案の評価を掲示しています。
まず、提案するだけで評価される。 500円
提案が実現されるとまた評価される。 最大3万円
金額だけ見ると大したこと無いと思われるかもしれませんが、少なくとも数字として評価が見えます。
もし、私だったら、提案したことによって頂いたお金は、使わず専用の通帳にでも貯金します。
会社からの評価として少なくとも、金額はメモして累積値を覚えておくと思います。
これは、お金が期待応望の「評価指標」としてうまく機能している事例だと思います。
提案制度で支払われるお金の大小は、直接自分たちの会社の経営への貢献の大小になります。
それも公開されることで、評価指標としてのお金が生きています。
■ やる気はどこから?
提案制度については一般の企業でも導入する事は可能だと思いますが、果たして年間1万5千件もの提案が集まるでしょうか?780人の社員数で割ると一人20件です。月当たり一人1件以上です。月1件とはいえ500円の為に、何らか会社に貢献しようと提案してくることは、一般企業では考えにくいと思います。経営面でも年間最低でも750万円の賞金代の投資をすることになります。
未来工業さんには、一般企業とは違う「会社のために提案したい」と思わせる、社員を「やる気」にさせる何かがあるのだと思います。
それは、社員の意見を聞く姿勢が経営者にしっかりあるからだと思います。事例としては社員の意見を採り入れて勤務時間を短くしてしまったとのことです。しかも、生産性は落ちなかったそうです。
そうです、未来工業さんも社員を大切にする会社なのです。
勤務時間以外にも会社負担の海外旅行や育児休暇などの福利厚生や定年の70才までの延長など、社員のためになることはしっかり導入しています。だから社員側も、自分たちの意見をしかり聞いてくれる会社に対して、しっかり応えようと言う社風が作られたのだと思います。何でも言える社風とは、会社のために良いと思えることは自然と口に出てしまう社員さんたちの雰囲気なのだと思います。
つまり、経営者も雇用者も無い、自分たちの居場所として会社が重要な位置づけを持っているということです。
自分たちの重要な居場所ですから、その会社が良くなるためには社員全員にやる気があるのは当たり前と言うことではないでしょうか。
■社員への信頼度MAX→自主管理の会社
そして、社員全員が居場所として会社を大事に思ってくれるのであれば、会社が社員を管理する必要は無いと言うことです。その表れとして未来工業さんは、本社機能などの社員の管理機能は最小限になっています。タイムカードや制服もありません。
そして、驚くことに、ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)禁止なのです。
みんなで考えるのはOKとのことで、自分たちで考えたことは、まずやってみなさいということです。
つまり、会社は社員への信頼を最大限表明していると言えます。そして会社は社員に自主管理の精神を期待しているともいえます。
ちょっと視点を変えてみれば、会社が社員を管理する手間は、企業にとっては生産性を犠牲にする足かせではないでしょうか?つまり、自主管理が実現している企業は生産性が高いと言えるのだと思います。
■「なんで思考」が経営理念
評価指標の構築も、自主管理の体制構築も「常に考える 何故・なぜ・ナゼ」という経営理念としっかりと結びついています。この経営理念は「脱下請け宣言」で明らかなように、直接のユーザーに直接的に接することで、使い手の期待に応えるためのものなのです。
また、自分たちの会社を自分たちで無駄を省き生産性を上げる自主管理にも「なんで思考」を使っています。提案制度にも経費削減の項目も入っています。
つまり、自分たちと会社を取り巻く外圧(社会からの期待)に対しても「なんで思考」で応え、自分たちの会社のことも「なんで思考」で捉える経営理念です。
■ 未来工業は共同体的企業
このシリーズで取り上げる企業は共同体の時代に相応しく、共同体的特徴を示していますが、未来工業さんもまさしく共同体的な企業です。株式も創業者の山田相談役と社員持株会がかなりの株式を所有しているようで、外部からの借り入れ資金は少ないようです。
そして、評価指標の構築、自主管理の体制、なんで思考の経営理念を、社員を大切にし信頼することで実現しています。また、未来イズムとしてその経営手法を山田相談役が「ふくおか未来塾」という場を作って世間に広めようと言う動きも社会との関わりという点でとてもいいなと思います。
最後に未来工業さんは阪神大震災で被災した取引企業の債権を放棄した事でも有名だそうで、こうした経営判断も、社会=自社を取り巻く関係性の中で生かされているという謙虚な姿勢=みんなで生きて行くと言う姿勢や、自らの社会的役割をしっかり捉えているという姿勢に共同体的価値観を見出すことができます。

 

コメント

共認原理って、本当に、どの次元できっても「どう共認を図るか」に尽きるんですね!
その仕組みは、色んなところで真似できそうだし、こうやって原理とセットでおさえてくれると、形骸化せずに自社の状況にあわせて取り入れられそうでありがたいです♪

  • とも☆
  • 2011年9月20日 20:55

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