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2011年01月26日

【元気な会社】シリーズ ~会社は誰のもの?を改めて考えさせてくれる会社~

0.プロローグ
1.板室温泉大黒屋
2.あらき
3.辻谷工業
4.キシ・エンジニアリング
番外編・元気な会社は日々のやり取りも素敵☆+゜
5.未来工業株式会社
6.小ざさ 
7.伊那食品工業株式会社 ←今ココ
8.ハッピーおがわ
9.医療法人鉄蕉会亀田総合病院
10.沖縄教育出版
11.まとめ

今回は、”かんてんぱぱ”を筆頭商品とする食品業界の企業【伊那食品工業株式会社】さんをご紹介します :D
なんと、この会社は創業以来48年間連続増収増益という驚異的な実績を収めています。寒天のシェアは国内で80%、世界で15%に至っており、寒天メーカーの世界トップと言っても過言ではありません。
「え、寒天ってそんなに儲かるの?」と思うところですが、実は寒天の市場自体は右肩下がりなのです。いわゆる斜陽産業の中で景気に左右されず実績を出しているのだから、ますますスゴイ話です。
「じゃあ、よっぽどスゴイ寒天を作っているんだね」と言いたくなりますが、これまたちょっと的を得ていません。確かに伊那食品工業さんの寒天は品質が高いと評判なのですが、特別な大ヒット商品で一気に収益を伸ばした会社ではないのです。まるで年輪が毎年少しずつ増えていくように、ゆっくり、しかし着実に業績を伸ばしてきた会社だと言えます。
しかし、だからといって単に寒天を売っていてこういう結果にはなりません。


のです。(画像はコチラより)
当ブログでは、その理由を『商品そのものよりも組織の在り方にある』という軸で分析します。
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■社員の幸せのための経営
「いい会社を作りましょう」
これが伊那食品工業さんの社是です。
思わず「えっ、それでいいの?」と聞いてしまいたくなりました。
そもそもいい会社って実際どういう会社なのかパッとイメージできないかも・・・。
その中身については、こう補足がありました。
”単に経営上の数字が良いというだけでなく、会社をとりまくすべての人々が、日常会話の中で 「 いい会社だね 」 と言ってくださるような会社の事です。 「 いい会社 」 は自分たちを含め、すべての人々をハッピーにします。
そこに 「 いい会社 」 を作る真の意味があるのです。”

なるほど、と感じます。
この言葉を誰よりも実行に移しているのは会長の塚越寛さんで、例えば

”増収増益を目標に掲げて経営しているわけではなく、たまたまの結果にすぎない。それよりも、48年間、社員を雇い社員の給料とボーナスを上げ続けてきたことを誇りにしたい”
”小社はこれまでも、またこれからも社員のリストラはやりません。なぜなら小社にとって、人件費はコストではないからです。人件費は目的である社員の幸福を実現するための生活費だからです。”
”ある日、担当の女性がクレーンの操作を誤って足に落とし、足先を潰すという事故がありました。(中略)原因は、間違いなく従業員のミスでした。にもかかわらず、社長は「二度と危ない仕事はさせない」と考え、ヘタをすると会社がつぶれるような投資をして設備を導入しました”
(『ちっちゃいけど、世界一誇りにしたい会社』より)

のような話が沢山あります。目先の利益よりも社員を大切にする姿が社員の胸を打ち、みんなが頑張るから結果的に好業績になるのですね。
また、伊那食品工業の凄いところは、『社員の幸せ=地域の幸せ』をしっかりと自覚して行動しているところです。社員を大事にするというと会社内ばかりに目が向きそうですが、塚越会長は「会社を取り巻く全ての人々が”いい会社だね”と言ってくださること」=「社員自身が会社に所属することの幸せをかみしめられること」と認識しており、全社的に地域貢献をされています。
これは慈善事業のような位置付けではなく、『会社は地域の一部であり、周りの期待に応える役割を担っている』と自覚して当然のように実行されているそうです。期待に応えていると感じられるから活力が湧くのだろうと想像できます。
これは本業である寒天作りでも同様で、利益を得るためというより、その役割を担う我々への期待に応えるという充足が根本にあり、それが「よりお客に充足してもらい、より高い評価を得る」という欠乏を生起させて品質を高めていく。そして何より、役割を担い続けるためにも『会社が存続しなければならない』ため、景気に左右されず着実な経営を続けた結果が「着実な小幅成長」という安定した経営スタイルになったのです。
この「会社単独で物事を見ていない」という事実は、会社として本当にそれで上手くいくの?という疑問を持たせる一方で『日本の会社ってもともとこうだったのかも』という想いを湧き上がらせてくれます。


(画像は同社HPより)

■会社は誰のもの?
伊那食品工業はまさに”日本的な企業”。そう認識すると、「すごく特別なことをしている企業ではない」という最初の印象と合ってきます。
では、具体的に日本企業はどういう存在だったのでしょう?
それに応える内容の投稿があったので引用させていただきます。

長寿企業の秘密は社会的役割意識(「るいネット」より)
創業1400年という企業もあるが、たかだか100年前に創業した企業にしても、村落や都市の共同体の中で生まれたことになる。また、資本主義や近代市場が成熟する以前の話なのでその規模は小さい。そして、その企業が存続するには、川下の問屋、小売、消費者、だけではなく、川上の原材料の供給者、中間加工を依頼するなどの企業など、数多くの地域内の小集団との関わりが必要だった。
とりわけ、村落共同体内では、原材料供給から加工生産、そして小売までが社会的分業として完結し、それぞれの役割を果たすことで、村社会は成立していた。ここには、現代の市場社会のような、利益を多く取った方が勝ちという意識はなく、村全体が潤いそれぞれの役割が持続されることに最大に価値がおかれていた。
そして彼らは信用を重んじるという言葉を使う。一旦信用をなくすと中々信用は取り戻せないともいう。この信用とはなんだろうか?当然、製品の良し悪しもあっただろうが、最大の信用は、みんなが役割と対価を得られるように、企業経営の舵を取っていくこと。そして、その社会が持続するように、少々の外圧がかかっても創業を止めないこと、では無いかと思う。
つまり、彼らはなぜ、こんなに長く活動を続けてこられたのか?の答えは、『社会的役割を果たすため、存続すること自体に価値を置いていたから』ということではないだろうか?だから、現存する長寿企業は、市場社会の荒波の中でも、今までの技術を応用して、関係する生産集団とともに闘い、なんとか生き延びてきたのではないか?

今でこそ”企業””会社”という概念・制度が浸透していますが、もともとは「共同体における役割を担う集団」だったのでしょう。
それに対して、西洋から導入されたものは興り方からして異なります。

企業の意味『日本と世界』
西洋では、企業は長続きしないが、貴族(膨大な遺産相続人の一族)は極めて長く続いている。そして、彼らにとって生産体である企業は、投下した資本を増加させるためにある機械のような持ち物に過ぎない。だから、儲からなければ投資を引き上げ、生産体をつぶし、乗り換える。
ここには日本のような、企業そのものが社会的役割を果たすための集団であり、存在そのものが成員の帰属対象であるという価値はない。これは労働観の問題とも繋がる。汗水たらして働くのは下層の人間のすることで、優れた人間は何もしないで優雅にくらすのが正しいという内容だ。
このような違いから、日本の企業は社長も含む社員のもの、西洋の企業は資本家(株主)のものという意味の違いを生じさせたのではないか?

現在、私達が企業と聞いて連想するのは西洋型の「資本家のための企業」ではないでしょうか?事実として制度がそうなるように変わってきているのだから、それも止む無しと言える時代だったことは認めざるを得ません。
しかし、近年の経済危機の中で西洋型市場社会に対する疑問が強くなってきたため、改めて「企業とは何か?」「どういう企業を目指すべきか?」という問いが生じています。
伊那食品工業の在り方はその問いに対する答え(=実現態)であるように思います。
そして、共同体の時代と呼ばれるこれからこそ、こういう企業が求められ、存続していくのだろうと予感せずにいられません。

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