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2012年04月15日

成功を導く確かな理論⑰~時代に先駆けて事業化した類農園2~

皆様、こんにちは。

前回は90年代の社会状況を主に振り返ってみました。
’91年 バブル崩壊、‘95年 阪神大震災、地下鉄サリン事件、そして’97年 山一証券や拓銀の破綻などの出来事を通じて、徐々に社会全体に危機意識が顕在化してきたともいえます。
では、今回はそういった時代背景において、「何のために農業を始めたのか?」についてさらに踏み込んで見ていきたいと思います。



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●大転換期ゆえに高まる外圧~経済危機~



当時から、類グループの認識としては、‘90年代以降のバブル崩壊、企業倒産などは単なる不況の一現象ではなく、もっと根底からのパラダイム転換、すなわち市場原理、経済システムそのものの崩壊過程だと認識していました。
その転換期においては必然的に、現在の経済・社会システムの大混乱を引き起こします。
そして、世界で起きると思われるのは「(主に)先進国の国家破産→国債暴落→貨幣価値▼→暴動や略奪の派生→国家の秩序破壊」のリスクです。
 

◆実現論:序5(下) 経済破局の下で秩序は維持できるのか?

【秩序崩壊し、壊滅してゆく個人主義国家】
旧国債も旧紙幣も紙クズとなったリセット以降、食糧価格が2倍~5倍に高騰しているなかで、果たして秩序は維持できるのだろうか?
それは、新紙幣と食糧配給制という新秩序が信認されるかどうかにかかっているが、それは各国の国民性or民族性による。
日本をはじめ、東南アジアや南米やアフリカ、あるいは欧州やロシアの一部etc、共同体質が比較的残存している国々or民族は、政府の食糧供出令と配給制に従うだろう。従って、秩序が維持される可能性が高い。

しかし、米・中をはじめ、欧州やロシアの過半etc、骨の髄まで個人主義に染まり共同体質がほとんど残存していない国々or民族の場合、農家の過半が供出に応じず、流通業者の大半が買占めに走る可能性が高い。従って、食糧不足による大暴動は必至となる。
(中略)
かくして、至る所で殺し合いが発生し、アメリカは数百万→数万→数百の略奪集団が割拠する無法地帯と化し、リセットから三年後には人口は1/5に激減しているだろう。
また、中国は現在でも暴動が頻発しており、食糧3倍~5倍で秩序が維持できるわけもなく、アメリカ以上に暴動→殺し合いが激化し、人口が1/10に激減している可能性も充分にある。
しかも、秩序崩壊するのは米・中だけではない。おそらく、欧州やロシアの半分、さらにアジアや南米やアフリカの一部でも崩壊する国が、次々と出てくるだろう。




画像はコチラよりお借りしました

日本のように危機時においても秩序が維持されている国家というのは非常に珍しいのです。上記にあるように個人主義が蔓延している国家を中心に(アメリカやヨーロッパ、中国等)、経済破局から始まる食糧高騰、物資の欠乏という局面において、暴動や略奪が発生する可能性が極めて高いといえます。
そうなれば、現在の食糧輸出国も、自国内の食糧防衛や備蓄に精一杯となり、当然のことながら、輸出制限という事態に発展していくと考えられます。


●世界中で急増する自然災害


加えて、経済的要因意外にも、この数十年で自然災害およびその被害が急増してきています。




画像はコチラよりお借りしました

直近では、昨年の東日本大震災の記憶に新しいですが、その災害によって「災害による被害→食糧生産高の減少→食糧不足→食糧高騰」という事態にもつながります。

実際に、ここ数年でも、諸処の要因によって食料価格の世界的高騰が問題となってきています。

<穀物価格>


画像はコチラよりお借りしました

よって、経済危機以上に予測しえない自然災害による食糧高騰リスクということも無視できません。
          


●日本農業の実態は?~食糧自給率40%~



そういった経済危機による食糧の輸出入制限や自然災害による食糧減産のリスクに対応していけるのは、自国の食糧自給を担う農業しかありません。


では、ここで日本の食糧自給率について確認してみましょう。

<食糧自給率>


画像はコチラよりお借りしました

戦後、日本の農業は、一貫して市場拡大優先のために耕地面積および就業者数が減少してきています。
にも関わらず、2015年頃までは総人口は増加していくことになります。つまり、農業生産が減少した分と人口増加分を、アメリカをはじめ、諸外国からの食糧の輸入に頼っているのです。
その結果、日本の食糧自給率は長期にわたって下がり続け、現在では40%前後しかありません。
世界との比較で見れば、先進国ではこれほど自国の農業をないがしろにしてきた国はありません。食糧とエネルギーという戦略物資を他国に依存する国など、歴史上存在していないのです(あったとしても滅んでしまっている)。
経済危機、自然災害によるリスクを考えれば、現在の日本における「食糧自給率40%」というのは低すぎる数字だと言えます。


●外圧が高まれば、農業が必要とされる時代が来る


以上のことを想定すれば、農業の必要性は否応なく高まってきます。

経済危機による農業への影響

ギリシャ危機発のユーロ安、米国債のランク格下げが象徴するように、政府介入によって通貨価値を保ち,経済危機を回避しようとすることに対して、依然状況は変わらず「金融破綻は先延ばしされただけだ」と見られており、世界経済破局の予感が漂っている。
 
そして、金融資本の行き詰まりから金融証券→現物へと収束、その結果、金、食糧の高騰が加速している。小麦、砂糖、卵、油脂類などの原料の高騰が起こっており、7月に食品メーカーによる食品価格引き上げが行われ始めた。
 
また、今後不況が長引けば、倒産△・給料▼から、食糧の確保が難しくなっていくことも懸念されている。
 
重要なのはTPPにしてもFTAにしても市場原理を前提とした貿易問題であるということだ。戦後から60年、貿易によって生まれたものが食糧自給率40%であることを忘れてはならない。
自給率が低く、市場原理の中で食糧が取引されている現在、世界経済破局が現実となり、各国が食糧確保のために輸出規制をかければ、日本の食はたちまち枯渇することになるのだ。



上記の文章は、比較的最近の事情も踏まえた内容となっていますが、類グループでは’98年当時から、今に到る経済や社会の混乱も大きな方向性においては予測していました。

そして、経済危機、自然災害などの外圧が高まれば高まるほど、食糧生産を担う農業の必要性は高まってくるはずと考えました。

「これからは、農業が必ず必要とされる時代となる」。

そういった強い確信のもとに類農園は始まったのです。

類農園を始めた理由①:農業参入によって自集団、ひいては日本の食糧自給率を高めていくこと


●共認原理発の農業の可能性~農の持つ教育力~


そして、もうひとつは「農業の持つ可能性」です。
具体的には、農の持つ「教育力」です。
農業は自然相手に外圧を受け、地域の農村共同体に深く関わりながら行う仕事です。学校に代表される机上の知識中心の勉強に対して、体験主体の農業は、現場で学ぶ生きた知識や皆と一緒に行う充足体験等を身につけさせてくれます。

農が育む新しい教育シリーズ~エピローグ~「教育の再生」と「地域の再生」は一体の課題

シリーズを通して明らかになったことは、自然(植物)に向き合うこと、さらに寮生活のように仲間に向き合う場があることが、従来の学校教育に比べ、遥かに子供を成長させる効果があるということです。
中でも注目すべき点は、 「遊びの効用」です。以下、「こどもの遊びは、充足発の実現思考」より引用
>豊かさが実現され、生存圧力が弛緩すると、闘争の実現可能性よりも充足の実現可能性の方が大きいので、人々がそちらに向う結果、闘争よりも充足の方が価値が高くなる。
子どもから遊びを奪ったのは、戦後の工業化・都市化です。さらに、人々は機械や便利なサービスなどを利用するようになり、他者に依存した生活をすることを余儀なくされてしまいました。
自分では作らない、自分では考えなくても済むような生活が当たり前になり、自給・自活することのない生活は、人の自立を決定的に妨げているのではないかと思います。
 
>今回、遊びの復活や自立を促す場として注目したのが「農」です。 「農」は教育だけでなく、「人々の健康を支える機能」、さらに「雇用創出」など、様々な可能性を秘めています。現在、「節電」や「もったいない」の言葉に象徴されるように、人々は利便性や快適性よりも安心や安全に意識が向いています。さらに、お金や身分よりも、「やりがい」や「役に立つ仕事(役割)」を求める若者が増えていることからも 「農」への期待は高まるばかりです。

自然に触れ、作物を育て、販売するという生産過程を包摂している農業の教育力をカリキュラムとして具体化したのが類塾・類農園の「自然体験教室」です。これは、類農園設立(‘99年)の翌年にはスタートしていますので、準備段階から構想されていました。

農業は、私権の崩壊によって上昇してきた共認収束の流れにも適っています。現在では、子供対象に限らず、大学生や社会人向けのインターン研修、企業への社員研修や福利厚生としての企業研修という方面へも、農のもつ教育力への可能性を広げています。

<strong>類農園を始めた理由②:農の持つ教育力を事業化する~自然体験教室、インターン研修~

では、次回の最終回では、この農の持つ新しい可能性や、類農園のその後の発展についてさらに詳しくご紹介していきます。
読んでいただいて、ありがとうございました。

 

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