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2014年09月04日

老人共同体の実現に向けて その萌芽となる事例の紹介 ~高齢者によって再生される地域農業~

「老人共同体の実現に向けて その萌芽となる事例の紹介」シリーズの第4弾。        

市場社会を卒業した高齢者が、新しい事業を起こしていく可能性
枯れた町を再生した老人の力~徳島県上勝村゛いろどり事業“
~知恵を伝承する寺子屋事業~

 高齢者の役割は、歳をとるごとに減っていきます。
  

地域共同体のなかで経験をもとに、次代への伝承を担っていた高齢者ですが、その地域共同体はすでにありません。いまでは多大な医療費を使い、年金を使い、消費者としての存在になっています。

農業にも関係しています。戦後からはじまる豊かさ追求により、利益の少ない農業は取り残され、年々、農家数や農地面積は減少していきました。その結果、日本の自給率は右肩下がりになり多くの食品を他国に頼らざるを得ない状況にあります。

それでは今の高齢者が何をしているのか・・・。内閣府の調査によると、日常の楽しみの1位が「テレビを見ること」。一方で、不安なことは「病気の不安」「介護の不安」「生活の不安」と、まさに共同体の崩壊が招いた当然の帰結といえそうです。

しかし、こう考えたらどうでしょうか
『役割を失った高齢者が「農業」を担うことができれば、農業再生、地域共同体再生、高齢者の役割が再生される』

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現在の高齢者は、生まれた時に両親が農家であった方が多いでしょう。土とともに生きる感覚は失われていない、むしろ鈍っている感覚が呼び起されていくのではないでしょうか?暑い夏と緑の色鮮やかな田圃、夜に合唱するカエルの鳴き声、秋の頭を垂れる黄金の稲穂、そんな風景がいたる町で広がっていく。

イキイキとした元気な高齢者が目に浮かびます。

そんな取り組みをはじめている自治体があります。農業だけでなく、高齢者が老人ホームで働く老老介護や、子供への家庭教師など幅広く活躍の場が開かれています。

今回は、そんな取組の紹介です。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/gdn/20130401/346012/?P=1

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~高齢者の生きがい就労プロジェクト~ 

 

■農家で元気に働く高齢者
 
都心から電車で30~40分の柏市にキャンパスを持つ東京大学の高齢社会総合研究機構(IOG)が、柏市やUR都市機構と共同で進める『セカンドライフの就労モデル開発研究』(以下、就労プロジェクト)。2013年1月現在、約120人の高齢者が地域内の農家、介護施設、幼稚園、学習塾などで週1~2日働いている。
この就労プロジェクトは2011年11月に第1回就労セミナーを実施し、地域の60歳以上の高齢者に「セカンドライフの新しい働き方を考えてみませんか」と呼びかけた。これまでセミナーは6回開催され、計450人が参加。セミナー参加者はその後、興味のある就労事業を見学し、事業者(雇用者)の面接を受けて採用が決まる。事業者が面接で重視するのは仕事の適正・能力、協調性などで、普通の企業と変わらない。
セミナーに参加した450人のうち、現在就労しているのは120人。最も多いのは農業で、7軒の農家に約60人が働いている。
人口約40万人を抱える柏市は典型的な近郊都市で、農地が多く、カブ、ネギ、ホウレンソウなどの栽培が盛んだ。就労者は農家の野菜の直売などを手伝う。収穫した野菜を袋に詰め、直売所に運んで値札を付け、棚に陳列して売れ残った分を回収する。仕事は朝の数時間で終わるが、高齢者が手伝うと、農家は非常に助かるという。その時間を稲作など本来の仕事に回せるからだ。就労者は曜日ごとにスケジュールを決め、ワークシェアリングしている。

 

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農家には高齢者が少し手伝うだけで大きな助けになる仕事が他にもたくさんある。例えば、ビニールハウスの張り替えは業者に頼むと高いし、農家はできれば自分でやりたいと思っている。長いビニールを張るのは農家だけでは難しいが、高齢者の助手が何人かいれば業者に頼まなくて済む。
それから果物の収穫時期は家族労働だけでは間に合わないので、高齢者がいると助かる。「高齢者が継続的に働いてくれるなら、作物の生産を増やしてもいい」という農家も出てきたという。
しかし、農家の仕事には問題もある。IOGの特任研究員として、就労プロジェクトの現場責任者を務める矢冨直美氏はこう指摘する。
「農家の仕事は天候に左右されやすく、突然の作業中止・変更など就労者への連絡が面倒になる。また、農業自体が人を雇える産業になっていないことも問題です。労務管理や雇用契約もきちんとしていないし、最低賃金や労災などもクリアできない状況です。農家はその方向でやる気になっているが、なかなか難しいようです」。
他の職場では最低賃金を払うことになっているが、農家だけはまだ実現していないという。ただ、矢冨氏は、「個人的には70歳か75歳を過ぎたら、最低賃金はあまり重視しなくてもいいと思う。ゆったり働きたい人がいて、雇用する側もそれでいいということなら、最低賃金以下で働いてもらうのも1つの方法です。両者のニーズにマッチすればよいのではないか」と言う。
実際、就労者の多くはお金よりも生きがいを得ることに重きを置いているので、問題ないかもしれない。

 

■高齢者同士が支え合う 
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※写真提供:IOG
次に就労者が多いのは特別養護老人ホーム(特養)だ。約40人が食事の補助、洗濯、園芸、ティーサロンの運営などを手伝っている。特に朝の忙しい時間帯に食事や配膳の準備をしてくれるので、介護職員が本来業務に集中できると評判だ。就労者が働くのは朝7~9時までだが、子どものいる職員などは遅れて出勤できるので大いに助かる。
特養では80歳の人もティーサロンで働いている。普通なら年齢的に難しいが、その人はコミュニティカフェを5~6年運営した経験を買われたのだという。
ティーサロンでは面会に来た人や近所の人などがランチを食べたり、お茶を飲んだりするが、将来的には夕方にお酒も出して入居者が飲みに来られるようにしたいという。特養では元気な高齢者が入居者を支援し、支える高齢者と支えられる高齢者が共存している。このように高齢者同士お互いに支え合うようにすれば、現役世代の負担も少しは軽減されるのではないか。
高齢者は他に学習塾や幼稚園などで働いている。学習塾では海外経験豊富な退職者が小・中学生に受験英語ではなく、対話力、コミュニケーション能力を身につけさせる英語を教えている。また、幼稚園では児童に絵本の読み聞かせや昼寝の寝かしつけなどを行っている。
就労事業として当初計画した配食サービス、ワイワイ食堂、ミニ野菜工場などはまだ始まっていない。
 
■驚くべき健康効果
生きがい就労は高齢者の健康にどのような効果をもたらすのか。就労者に「働き始めてから、何がどう変わったか」を聞くと、「生活が規則正しくなった」「全体的に生活リズムが出てきた」といった回答が多いという。
IOGでは就労参加者に検査を実施したところ、開始前は家に閉じこもりがちでうつ傾向だった人を含め、多くの人に変化が見られた。勤務日以外でも外出の機会が増え、行動が活発になり、また、目を開けたまま片足で何秒立てるかの開眼片足立ち検査で、運動バランスや歩行能力などに効果が出ていることがわかった。活動量が増えたことで、血管の機能や記憶力なども改善されているという。
就労者にとって、自宅から徒歩か自転車で15分以内のところに職場があることが条件なので、仕事に行くだけでもいい運動になる。
人口の約4人に1人が65歳以上という超高齢社会に突入した日本だが、実は高齢者の約7割はゆったりとした働き方なら働きたいと思っている。超高齢社会で増大する医療費や介護費をどう抑制するかは大きな課題だ。そのためには高齢者にいつまでも元気にいてもらうことだが、そこで生きがい就労の役割は重要になってくる。
高齢者の就労率と医療費に関する興味深い調査がある。
厚生労働省の政策統括官付政策評価官室が2002年度老人医療事業年報などをもとに作成した報告書によれば、都道府県別で65歳以上の就労率が高い県は1人当たりの医療費が低く抑えられているという。例えば、就労率が32%と最も高い長野県では1人当たりの医療費が60万円と最も低く、逆に就労率が16%と2番目に低い福岡県では医療費は90万円と最も高くなっている。これは高齢者就労と医療費に一定程度の相関関係があることを示している。
また、高齢者が現役時代に培ったスキルを活かして働くことは、社会の活性化にもつながる。彼らは「支えられる側」から「支える側」に回っているわけだが、就労を通して新しい仲間ができれば孤立防止にも役立つだろう。

 

農家は、高齢者の手伝いを本当に欲しています。市場における雇用関係では天候に左右される農業は向いていないからです。高齢者が積極的に生産を担い、イキイキと元気に働く姿をみんなが望んでいます。なぜなら誰もがいつかは老いるからです。このようにして高齢者を核とした地域共同体が再生されていくのだと思います。

 

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