2022年03月02日
【実現塾】1/11「サル社会の構造④」~テナガザルの適応(1)
前回の記事【実現塾】1/11「サル社会の構造④」~オナガザルの適応
では、原猿と真猿の違い、そして真猿のうちのオナガザルの適応についての追求を報告しました。
最後はテナガザルの適応についての追求を2回に分けて報告します。
出てきたのが、
・手が長い
・軽量化
・俊敏さ
・大型化
・年中発情している
まず、「テナガザル」と言われているだけあって、手が長いのが特徴ですね。
これは木の頂上付近に移動し、細い枝先の実や葉を取ったり、木の上を渡り歩くためだと思われます。
実際、オナガザルは跳躍して移動するのに対し、テナガザルは木の上を100m6秒という速さで渡り歩きます。
めっちゃ早い。
当然ですが、樹冠というアンバランスな場所をこれだけのスピードで移動するためには、今まで以上の判断力と洞察力が求める。そこで必要になったのが知能進化。
テナガザルはオナガザルに比べてさらに授乳期間と母子密着の期間が長くなっていますが、これは樹冠生活に適応する為にさらなる知能進化が必要になったからではないでしょうか。
〇集団化せずに、大型化したのはなぜ?
テナガザルのもう一つの特徴は、オナガザルと比べて集団化せず、大型化の傾向があること。
なぜこのような戦略を取ったのでしょうか。
重要なのが、わざわざバランスが悪く、餌も豊富ではない樹冠に適応した初期テナガザルはオナガザルより弱かった。という視点。つまり樹の上に追いやられた。という事ですね。
樹冠適応する為、テナガザルは子育て期間を長期化させたので、集団規模、という観点からみるとオナガザルとの差はどんどん開いてしまいます。
そこでオナガザルに対抗するためにテナガザルが取った戦略が「大型化戦略」ではないでしょうか。
しかし、ちょっと立ち停まって考えると、そもそも一度追いやられたテナガザルがオナガザルに再チャレすること自体、他の哺乳類には見られない行動です。
一般的な哺乳類の場合は、弱肉強食がハッキリしているので、自然と「住み分け」が発生します。
では、なぜテナガザルは身体を変化させてまで、一度負けたオナガザルに対抗しようとしたのでしょうか。
ここは劇場でも色々な意見が出ましたが、共認機能の持つ「快美欠乏」発の餌場の確保ではないか、という結論に至りました。快美欠乏は、よりよいモノ/コトを求めて「もっともっと」と欠乏がわきあがる現象。
つまり、テナガザルはより餌が豊富なところを獲得したい!という快美欠乏発の「種間闘争」に対応するために「大型化」したのではないか。という事です。
わたしたちが当たり前にしている事も、共認機能を獲得したからこそと考えると、対象世界が広がりますね。
今回は以上です。
次回は、最終回でテナガザルの適応(2)。
オランウータンとチンパンジーゴリラとの違いや「年中発情」するようになったのはなんで?の追求を報告します。
- posted by ko-yugo at : 11:00 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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