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2022年02月18日

【実現塾】1/11「サル社会の構造④」~原猿と真猿の違いは?

12/11の実現塾では、共認機能を獲得したサルたちがどのように集団を形成していったのか?について追求していきました。

今回は、集団を形成した真猿(オナガザル、テナガザル系)が【どのように種間闘争に適応していったのか】についての追求です。

◇原猿と真猿(オナガザル・テナガザル)の違いは?
まずは、写真をみながら共認機能発達前の原猿と真猿の違いを出し合いました。

これを見てグループ追求でみんなから出てきた意見は、
原猿に比べて原猿は、、、

・顔の毛がない
・授乳期間が延びた
・大型化
・上半身が直立している
・親和様式がなめ合いから「毛づくろい」へ
・集団化
・集団形態の多様化

といったあたり。
みんなから出た意見をもとに全体追求では「なぜ違うのか」について追求を深めていきました。

〇共認機能の発達によって生じた変化
原猿と真猿の違いは、共認機能の発達度。
その発達によって起きた変化とその理由を抽出すると、
顔の毛が無くなった:共認機能は相手の表情から感情を読み取る。なので表情を読み取りやすくするために顔の毛を無くしたのだろう。なんと、脳の6割が手・足・顔の筋肉を動かすために使われているらしい!
上半身が直立している:共認機能の獲得で相手とのコミュニケーションが発達。上半身が直立していると両手があく→身振り手振りでコミュニケーションをとっていた。オランウータンやゴリラは手話もします!
毛づくろい:共認機能は、「もっと、もっと」とあくなく充足を求める機能です。原猿も「なめ合い」はあったが、毛づくろいの方が密着度も充足度も高い。しかも簡単でオス同士も出来る。さらに元々指先の感覚は他に比べて敏感だが、より敏感になって毛づくろいをする方も気持ちが良くなる。だからなめ合い⇒毛づくろいに移行したのではないか。
集団化、集団形態の多様化:これは本能を超える共認機能のたまもの。共認機能を獲得していない哺乳類は「メス同士」の集団のみ。共認機能を獲得したがゆえに、「オスとメス」「オス同士」など「血縁関係のない同士」が集団になったのでしょう。

〇授乳期間が延びたのはなんで?
ここまでは比較的分かり易いですが、難しいのが、授乳期間の延長。

なぜ、共認機能を獲得・発達させた真猿は授乳期間を延ばしたのでしょうか?オランウータンに至っては、なんと7年間も授乳しています

まず出てきたのは【体が大きくなったから】
確かに真猿の方が身体は大きい。確かに身体が大きくなる事で授乳期間は伸びそう。でも7年は不要では?

で、次に出た来たのが、【知能進化したから】
確かにチンパンジーもオランウータンも賢い。道具も使う。でもなぜ知能進化する必要があったのでしょう?そもそも知能進化と授乳期間は関係あるのでしょうか?

まずは知能進化の必要性ですが、
①体性感覚を獲得するため。
②共認機能をより発達させるため
の2点が出て来ました。

①体性感覚の獲得
そもそも樹上で生活するためには体性感覚(バランス感覚)を発達させる必要がありますが、特に授乳期間の長いテナガザルの住む木の頂上付近(80m近く)では、今まで以上の体性感覚が必要とされます。体性感覚の発達は脳の発達そのもの。でもこれだと脳の発達と授乳期間の延長の説明がつきません。

②共認機能をより発達させるため
で、出てきたのが共認機能をより発達させる。という説。
樹冠という危険な場所で育てるにあたって、母子は今まで以上に一体化する必要があります。さらに母と子が互いに表情を読み取ったり、息を合わせる必要もある。つまり共認機能をより発達させる必要がある。その為の授乳期間延長ではないか。という説です。
授乳期間中は母子が常時密着状態になるので、一体充足により共認機能がより発達します。また密着により皮膚感覚も今まで以上に発達します。そして以前追求したように、皮膚感覚が発達すると脳=知能も進化していきます。共認機能の進化と知能進化が密接に関わっている、というのは非常に興味深いですね。ただ実感ともあうので僕たち人間にも当てはまる構造でしょう。

最後は【少子化戦略】
樹上には外敵がほとんどいないため、闘いに負けても死なず、サルの数は膨大になります。樹上は多様なサルで一杯の状態。このような状態では、たくさんの子供を育てる事が難しい。
なので、授乳期間を延ばすことで子育て期間を延長し、大人にするまでの時間をかけて数を減らしているのではないでしょうか。同時に手厚く育てる事で死亡率を減らす効果もあったと思います。
まとめると、
真猿になると、外圧状況から身体が大きくなるとともに共認機能の進化≒知能進化が必要になった。その上で少子化戦略を実現するため、授乳期間を非常に長くした。
という事です。
以上、今回は原猿と真猿の違いについての追求報告でした。
次回は、オナガザルの特徴や種間闘争にどう対応していったのか?についての追求を報告します。
 

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