2015年04月23日
地域共同体の再生 第5回~ご当地電力が続々誕生! 人を育て、コミュニティを育てる「まちエネ大学」~
今、日本の様々な地域で、エネルギー自給の取り組みが活性化しています。当ブログでも地域共同体の再生が期待される動きとして注目してきました。多くのプロジェクトは、既存の大規模エネルギー産業には無い新しい特徴を持ち、各地域で主要な役割を担っています。
そして、エネルギー自給を起点として、地域の人材育成そのものに力を入れた取り組みも始まっています。それは自らの生きる場を自らの手でつくる自給の動き。地域の電力自給と人材育成を重ね、コミュニティを育てる取り組みを紹介したいと思います。
過去の記事はこちら
地域共同体の再生
第1回~プロローグ~
第2回~意識変化に対応していない地域の組織化~
第3回-1~エネルギーを中心とした街づくりが今成功している理由~
第3回-2~共同体の再生に力を入れている地域活動の紹介~
第4回~地域のエネルギー自給(都市型)~
再生可能エネルギーを通じて、地域を盛り上げたい!という意気込みはあっても、知識やスキル、お金、資源、人、そして情報がないために二の足を踏んでいる…。そんな人の背中を押し、必要な学びが得られる場。それが「まちエネ大学」です。
この「まちエネ大学」からは、再生可能エネルギーを通じて地域を盛り上げるプランが多数生まれており、実際に地域で活動を始めている人もたくさんいます。
「まちエネ大学」とは、一言で言えば「持続可能なまちづくりの推進に向けて、再生可能エネルギーの活用による、地域での新しいビジネス創出のための人材育成プログラム」。
つまり、再エネを使って地域を盛り上げていくビジネスリーダーを育てる講座、ということです。「再生可能エネルギー」を、みんなの“じぶんごと”にするプロジェクト「わたしたち電力」と同じく資源エネルギー庁Green Power Projectの一環として位置づけられています。
今までは寄付や補助金によって設置されていた市民発電所でしたが、「宝塚すみれ発電所1号」は固定買取制度を利用する事で市民出資による太陽光発電所を開設する事ができました。又、設置工事についても市民の手で行い、DIYによる「市民発電所」となっています。
「まちエネ大学」が描く未来予想図
2012年7月、固定価格買取制度が始まったことにより、日本の再生可能エネルギー、特に太陽光発電は爆発的に普及が進みました。
ただその中には、地域にゆかりのない大企業が中心となって土地を開発し、その収益がなかなか地域に還元されないようなメガソーラー案件も含まれています。
”だからこそ、地域恊働型の再生可能エネルギー事業はますます重要になってくる。「まちエネ大学」は、地域に根ざした再生可能エネルギー事業、再生可能エネルギーを通じた持続可能な地域づくりを行える人材を育てていくことが目的です。
そして事業者だけでなく、地元のステークホルダーの皆さんにいかに応援してもらえるか、その枠組みを形づくっていきたいですね。
金融機関には地方創生につながる事業の掘り起こしを。行政には相談役を。弁護士には金融、法的なリスクのアドバイスを。大学には学問的な立場から意見を。産官学民で地域恊働型の再エネを進めていく基盤づくりこそが、私たちの役割だと考えています。
次の時代に残せることって、環境と人ですよね。だから私は未来を担う人を育てたいですし、いろいろな角度からアプローチしていきたいと思っています。”
”地域のエネルギーが全て、再生可能エネルギーによって回っている、ということでなくてもいいと思うんですね。ただ、みんなが「ここに住みたいね」とか「ここで暮らしたいね」と思える地域には必ず、再生可能エネルギーが溶け込んでいる風景がある感じ。
そこに住む皆さんは、いろいろなかたちで個性を発揮しながら、なるべく環境の負荷が少ないような暮らしを営んでいる。そんなイメージですかね。「まちエネ大学」で学んだ人が5人、10人と地域にいれば、そんなコミュニティが生まれるのかな、というイメージを持ち始めています。
東日本大震災をきっかけに危機感を感じている人の輪が広がり、それぞれの地域が自分たちの力で電力をまかない始めています。一極集中で電力を集めていた結果、震災後の復旧に時間がかかりました。地域ごとにエネルギーを作り出せることができれば、ご当地エネルギーをシェアできるようになれば、社会の大きな弱点をカバーできるのではないでしょうか?
- posted by 岩井G at : 19:01 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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