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2015年01月20日

地域共同体の再生 第4回~地域のエネルギー自給(都市型)~

都市化、市場化が進み、地域活動と生産が分離された現代社会。本来、共通課題であるはずの地域活動に生産過程がなく、地域の協力関係が薄れつつある。しかし、多くの被害と尊い人命を失った311だが、この災害を契機に今、全国各地で地域とのつながりが見直されている。地域がその地で活動を維持できるかは、地域の生産活動と人口の課題が大きい。若者が地域に残り、地域の生産を担うことで、地域の未来へつながっていく。今日は、第3回に続き、その礎となる地域のエネルギー自給について扱ってみたい。

第3回では「ゆすはら町」など、比較的規模の小さい地域のエネルギー自給について紹介してきた。しかし日常的に顔が見える小さな自治組織を、そのまま都市部で真似ることはとても難しい。共同体社会の実現にむけ、もう少し規模の大きいエネルギー自給活動はないだろうか。

過去の記事はこちら

地域共同体の再生
第1回~プロローグ~
第2回~意識変化に対応していない地域の組織化~
第3回-1~エネルギーを中心とした街づくりが今成功している理由~
第3回-2~共同体の再生に力を入れている地域活動の紹介~

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林業と連携するエネルギー木質バイオエネルギー

ドイツ、バイエルン州のヴンジーデル。林業を中心とした街で、その廃材となる木チップを発電に利用。地域産業をエネルギー自給に転換する取り組み。図をクリックすると拡大します

日本最大の地熱発電所・八丁原 地域に根ざす「地熱」の可能性

地熱は、半永久的に利用できる純国産の再生可能エネルギーとして注目されてきた。大分では、早くから地熱発電の研究が進められており、八丁原地区で大規模な地熱発電が実用化、地域に根付きながら運営されている。八丁発電所は地熱発電所としては国内最大であり、純国産のクリーンエネルギーの有効利用という観点から脚光を浴びている。

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長野県止まらない小水力発電の勢い、2020年にエネルギー自給率77%へ

自給率を高くしておけば、災害時でも地域内に十分な電力を供給できる。災害対策の一環としてエネルギー自給の取り組みが全国で進んでいる。その中でも長野県は自給率100%を最も早く達成する可能性が大きい県のひとつである。県が事業者を募集し、地域住民や地域企業に、その事業者への出資機会をつくることで、地域のお金で事業を成立させる取り組みが始まっている。

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太陽光や風力から潮流発電までエネルギーが持続する環境未来島あわじ島

日本の島で7番目に大きい淡路島には山地と平野があって、周囲を海に囲まれていることから、日本の風土を集約した「ミニ日本」の要素がある。そうした特性を生かして持続する地域社会のモデルを目指す「あわじ環境未来島構想」に2011年から精力的に取り組んでいる。行政で特区を指定し、民間、地域で開発を行う。適材適所の様々な創エネで島全体として自給100パーセントを目指す。淡路島ならではの試みとしては、潮の流れが速い明石海峡や鳴門海峡で、潮流発電の事業化調査が開始されている。まさに「環境未来島」と呼ぶにふさわしい状況ができつつある。また地域産業としてチャレンジファームなど、食と農をテーマに未来の地域生産を担う人材育成にも力を入れている。

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規模の小さな自治体に比べ、都市部ではやはり行政や民間企業などの組織が主導となるようだ。都市部での地域活性化の鍵は、運営やお金の流れなどシステム管理を行える「組織化」にありそうだ。しかし行政や民間企業が主導した結果、地域住民の主体性が失われていく。また民間企業は利益が出ないと撤退せざる得ない構造的な欠陥も含む。

地域住民自らの力で継続していくには、地域住民主体の組織化が期待される。実現できれば、エネルギー自給に留まらず、あらゆる地域事業は住民主導で成立させることができる。今、都市部で求められる地域事業の取り組みは、その「組織化」をリード、サポートしていく活動ではないか。

 

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