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2012年10月11日

『企業の進むべき道』シリーズ~総集編1~

2012年2月からスタートした「企業の進むべき道」シリーズですが、今回の総集編をもって最後となります。ここまでの追求過程を振り返りながら、ポイントを抑え直して行きましょう。
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プロローグ「企業の進むべき道」シリーズ
今、時代は大転換期に差し掛かっています。
既に、意識的にこの転換期を感じ取っている方は多いと思われますが、そもそもこの大転換期の始まりは、遡ること40年前からの現象。一方、大きな外圧転換に対して、全く変わらなかったのが、経済政策。物的飽和限界を越え、実質的な成長基盤を失っても、『市場拡大絶対』という固定観念だけは残り続けたのです。しかし、作っても売れない時代ですから、黙っていれば市場は縮小するのは当り前。そこで打ち出されたのが、ケインズの公共投資、そしてその後のマネタリズムの世界。とにかく、紙幣をばら撒き続ける、というバブル経済へと突入して行きました。
しかし庶民の意識は40年前、私権から共認へと転換が進み、今や最先端の若者は仲間収束・課題収束・仕事収束へと可能性収束しています。この意識と場(制度)のズレは、いよいよ限界点に達しており、このまま行けば世界中が大混乱に陥りかねない、といった危機感も生起し始めています。
そこで、大転換期を乗り切る新たな可能性基盤を構築していくことを目標として、「企業の進むべき道」の探索に取組みました。

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1.企業連合組織の分析
ここではまず、日本の企業社会を牽引してきた力の構造を明らかにすべく、日本の3大経済団体の経歴調査を行いました。
 
経済同友会ってどうゆう会?
 
日本商工会議所の歴史って知ってる??
 
江戸時代から受け継ぐ、相互扶助的精神☆~商工会議所の歴史~
 
経団連(日本経済団体連合会)って何??

 
上記の各分析から明らかになった事をまとめます。
 
戦後アメリカ支配と結びついた経団連は、戦後日本経済を牽引していきますが、70年以降利益第一主義に傾倒していき弱体化の一途をたどります。修正資本主義といった経済指針を打ち立てて来た経済同友会も、抜本的に日本を変えることが出来ず、経団連と同じく資本主義に傾倒していきます。そして、大衆期待が共認原理に回帰している現代、相変わらず私権・序列体制を貫く大企業の集合体である経団連、大企業を主軸にする経済同友会は、今でも強大な権力を持っているとはいえ、ますます大衆期待から乖離しています。マスコミ・官僚・政治家との強力なパイプを持ち、権力体となった事自体が致命傷なのかもしれません。時代の転換に、最も遅れを取った組織体として今後も益々ズレていく事が予想されます。middle_1323477892-thumb.jpg
 
一方、古来からの共同体的自治組織を基盤に明治初期に誕生した東京商工会議所は、近代資本主義に飲まれながらも、培った基盤を活かして非営利の扶助的活動を現在まで継続しています。今後はこうした地域社会に根ざし、全国にネットワークを持つ相互扶助的団体の存在意義が大きくなっていくでしょう。ただし、商工会にも序列構造は存在します。地域ごとの自主性が尊重されれば、今後も有効なネットワーク基盤として活かすことができますが、権力志向に傾倒すれば、商工会もまた時代変化に取り残された組織として衰退して行く可能性も有ります。今後の舵取りが注目されるところです。
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2.市場を牛耳る「閨閥」の正体を解き明かす
資本力を基盤とした経済連合に関わる主要人物を調べていくと、同じ人材が多方面に渡って何度も登場してきます。市場社会は競争原理を原動力として動いているはずなのに、何故そのような事になるのか?違和感を覚え、それらの主要人物の資金源、つまりパイプを調べあげていくと、実に明解な力の基盤が浮かび上がりました。それが、あらゆる権力体を纏め上げる『閨閥』です。
 
閨閥の歴史に迫る
 

閨閥を紐解くにあたり、権力の三大要素である「権力」「財力」「名誉」を切り口に、「政界」「財界」「地方」そして全ての閨閥の中心に存在する「天皇」と4つの系統に整理し市場を牛耳る力の構造について解明しました。
閨閥の歴史その1:政界を牛耳る歴代宰相・政治家~高級官僚閨閥

戦前から戦後、政治権力の中心は軍部から官僚へと変遷し、時代の栄枯盛衰の中で利害関係の一致する相手を見つけては閨閥を形成してきた政界閨閥。現代においては“民主的な”選挙によって選ばれているはずの有力議員の殆どはこの閨閥の出身であり、私権を第一価値とする官僚・政治家は、大衆の期待に応えることのできない無能な集団と化しています。これらの歴史を俯瞰し、閨閥は私権に目が眩み大衆期待を全く掴めない特権階級を生み出すだけである、という構造的欠陥を明らかにしました。
 
閨閥の歴史その2:財界編

財界閨閥のはしりである三大閨閥は、江戸~明治期に権力者のパトロンとして基盤を作り、金融支配力を保持することで影響力を維持してきました。市場拡大と共に、私権を拡大してきた財界閨閥ですが、市場縮小期に入った現代においては、外圧を捉えきれず小手先の弥縫策によって延命しているにすぎません。一方で、大衆は着実に次代の可能性である共認原理にシフトしており、私権収束を続ける閨閥との断層はますます深まっています。
閨閥の歴史その3:地方豪族のネットワーク☆~豪閥☆

地方閨閥は、これまで見てきた閨閥とは多少毛色が違い、私権獲得第一という価値軸だけではなく、かつての村落共同体の名残を残す形で地域に根を張り、地元の雇用創出や、仲間の期待に応えることを活力源としながら、その地を基盤に発展してきたという側面もあることがわかりました。地方閨閥は、これからの時代を生き抜く本当の強さを持っている!そんな可能性を見出だした一方で、中央集権的な私権関係に収束していけば肝心の大衆との意識の乖離も危惧されることがわかりました。
 
閨閥の歴史その4:閨閥の頂点「天皇財閥」

数ある閨閥を分析すると、必ず最後に行き着く先に「天皇」あり。これは何故か?
「閨閥」とは、権力の維持装置そのものであり、権力を束ねるには常に力の序列統合が必要となります。「天皇」には、序列統合の最高権力者としての存在意義があります。閨閥内の私権闘争を止揚し統合する為には必然的に身分序列が必要になり、序列トップである「天皇」が閨閥に組み込まれ、天皇に認められることで地位が与えられ統合されます。
特に日本が近代市場化へと舵を切った明治以降、「天皇」を頂点におき、その権力下で私権拡大を目論む勢力が血を介して結託してきた歴史そのものが「閨閥」だったのです。
 
しかし「閨閥」は今や、私権の相互補完関係に雁字搦めになり、庶民の期待を看取する能力を完全に失った、社会を閉塞させる元凶に成り下がってしまっていることが実によく理解できました。その閨閥とますます意識の断層を深くしている大衆は新たな可能性を探索し、共認収束をますます強めていることも一方で明らかになったシリーズとなりました。
 
3.企業の持つ可能性を封鎖する法体系の問題構造
実は、権力の象徴として見逃せないのが、法制度。これは、まさに特権階級だけが制定できる強力な支配制度そのものです。そこで、改めて企業を取り巻く法律体系はどのように網の目を張っているのか?を押えるべく、追求しました。
労働基準法、労働組合って必要なの?【その1】
労働基準法、労働組合って必要なの?【その2】

 
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周りを見ると、労働基準法や労働組合を手放しで受容する人がいません。「なんで?」と調べてまずわかったのは、労働基準法の時代錯誤の激しさでした。経営者は弱く、労働者は過剰に保護されています。
 
では、保護された労働者は調子に乗って権利行使をしているのか?いやいや、全然してない。ストなんて皆無。完全に衰退しています。今の日本では、賃上げ運動よりも労使協調。「働く充足」が求められている裏返しです。
そうなると一日8時間じゃ足りない。でも、8時間以上働くなと労基署が言う。なんでそんなことをいうのか?・・・調べていくうち恐るべきことがわかってきました。
 
労働基準法を錦の御旗とする労基署は、「働くな」「残業代を請求しろ」と煽って日本企業弱体化策の一翼を担っていたのです。いまだに時代錯誤の法律が残っているのもそのため。背後にある欧米の意思と日本の支配階級が手を組んで、古い法律を悪用している事実が見えてきました。
 
「働く充足」。日本人の持ち味とも言うべき勤勉性を疎外する法律と運用者。これは「現在的な労働疎外」です。そんなものは不要と断言します。
 
 
前半は、ここまで。
次回の「総集編2」では、
 
4.企業の適正規模について
5.次代を踏まえた企業の進むべき道とは?
6.企業の進むべき道 まとめ
 
について、整理をして行きます。何度復習しても勉強になりますので、まずは前半1~3の元記事も含めて、じっくり読み返してみて下さい。そして、後半ではいよいよまとめに入りますので、そちらもお楽しみに!

 

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