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2015年11月10日

共同体と教育~フレネ教育に学ぶ~

「フレネ教育」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。フランスのセレスタン・フレネが始めた教育方法で、「子どもの生活、興味、自由な表現」から出発し、印刷機や様々な道具、手仕事を導入して芸術的表現、知的学習、個別教育、協同学習、協同的人格の育成を図っています。日本でも注目され始めたこの教育法について、紹介します。

フレネ学校授業風景

前回記事
江戸期の子供達に見る無意識の教育
教育における日本らしさとは
海陽学園はなぜ全寮制を採用したのか

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異なる年齢の生徒が一緒に学ぶ「フレネ教育」

人口の少ない地域では、違う学年の子供たちを同じクラスにまとめている学校が多くあります。このようなクラスは「複式学級」と呼ばれるものです。1クラスにするに十分な生徒の数が集まらず、やむを得ない形で生まれた複式学級ですが、外国にはこの方式に特有のメリットを期待して、意図的に「異年齢クラス」を導入している学校があります。

複式学級のルーツは、フランスで生まれた「フレネ教育」に求めることができます。フレネ教育は、詰め込み学習から脱却し、共同体の中での人格形成を主な目的とした教育です。1983年に日本に持ち込まれ、研究が始まりました。現在は、フランスの公立学校を中心として、アメリカ、スイスなど、多くの国の一部の学校で実験導入がされています。

異なる年齢の子供が同じ教室に会するのですから、先生が生徒全員を対象に黒板を使って授業をしても、それを理解できる子供と、できない子供が生まれてきます。そのため、フレネ教育の複式学級では生徒各々が作った「活動計画表」に基づいて自習をすることがメインになります。分からないところがあったら先生に聞いて理解を深める。そして、2週間ごとに自己評価をして、それと同時にクラスメイトから自分に対する評価をもらいます。

自分のペースで勉強することは、理解が満足でないまま勝手に授業が進んでしまうことに比べて、結果的には「ゴール」にたどり着くまでの時間が短くなる。という研究結果もあり、さらには子供どうしで勉強を教え合ったりすることで、年上の子や年下の子に対する対人関係のスキルも身に付くことが期待されています。

 

日本でも実験的に「複式学級」を導入している学校があります。例えば、広島大学附属東雲小学校では、通常の単式学級に加えて複式学級・特別支援学級を設けています。学校ではないですが、クローバのお教室では、2歳から小学校低学年の子供を一つのクラスにして、泥遊び、ハーモニカやリコーダーの演奏、こんにゃく作りなどのカリキュラムを行っています。

現在では限られた学校での導入にとどまっている「複式学級」ですが、実施することそのものはそれほど難しいことではありません。この形式の指導は、江戸時代の寺子屋と同じものでもありますし、文部科学省の学習指導要領の中には、国語や、3・4年生の社会、1・2年生の生活、音楽など、複数の学年にまたがった到達目標が設定されている科目が多くあります。

実際に複式学級を阻んでいるものは、この新しい指導方式を行うにあたって必要な教材や計画表などの資材の費用や、異なる学年の生徒を指導するために必要な教員への教育、勉強の理解度に対する保護者の不安などです。

実際に複式学級を卒業した生徒の長期的な追跡調査などを行ってみないと、従来の単式学級に比べてどちらがよいかは判断が難しいでしょう。でも、これによって勉強の理解度も上がり、人間関係のスキルも向上するのであれば、まさに「いいトコ取り」ではないでしょうか?

義務教育のどこかで自分が周りの生徒に比べて年上になり、否応なしにクラスメイトを率いなければいけない状況を経験することができれば、もしかすると大学生が就職活動の際に「リーダーシップ」を求められることだってなくなるのかもしれませんね。

寺子屋寺子屋イメージ

単式学級は人類集団でイメージすると、どこか人工的。社会に出ていく人材を育てる場として不自然な感じもします。複式学級、無学年制の代表例としては、江戸時代の寺子屋が上げられますが、教え教えられる中で期待応合の関係が深まり、知識だけでなく人格も成長できたのでしょう。

 

 

 

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