2020年08月06日
【実現塾】テナガザルから類人猿へ1 ~ 真猿(オナガザル)との縄張り闘争に敗れた原猿→新テナガザルの中から類人猿に進化
ここまで、原猿、真猿の起源から、共感(同化)回路、共認(応合)回路を獲得した(さらに共認機能の鬼っ子の自我回路を生み出した)サルの進化を見てきました。
※【実現塾】~ 原猿の登場
※【実現塾】~ 原猿の(+)(-)価値混濁 → 親和本能の混濁 ⇒ 一体充足
※【実現塾】~ 親和共認の母体の上に闘争共認が上部共認として形成
※【実現塾】~ 自我とは何か? 自我肥大どうする?
今回は、いよいよサルの中から人類に直結する類人猿への進化です。
一番知りたい! 人類の祖先は、チンパンジーか、ゴリラか、オランウータンか?
実現塾では、その核心に迫る追求の中で、大きな認識転換がありました。
これまで「原猿→真猿→類人猿→人類」と進化してきたと認識していたのが、類人猿を追求してみると【原猿→類人猿→人類】という進化の歴史をたどっていると考えた方が整合性が高かったのです!!
★原モグラから樹上逃避した原猿は、樹上で繁殖し縄張り限界まで飽和。(リンク)
★樹上の縄張りは原猿強オス(制覇ザル)で占められ、縄張りを持てず共感(同化)回路を獲得した原猿弱オスの中から、同類闘争(縄張り闘争)を第一義課題とする真猿集団(オナガザル)が登場。(リンク、リンク)
★真猿集団(オナガザル)との縄張り闘争に敗れた原猿(旧制覇ザル)の中から、オナガザルが住めない高い木の樹冠に逃避し「テナガザル」に進化したサルが登場。
Q.テナガザルの置かれた環境(外圧)は? 集団形態は?
・テナガザルは、樹冠の細い枝先の果実を採るために軽量化して枝にぶら下がる形に進化したサル。
・アジアでも、アフリカでも、アマゾンでも、原猿→オナガザルが主流で、原猿→テナガザルは少数派
→★テナガザルには、オナガザル集団との縄張り闘争の外圧が一貫して強く働いている。
・テナガザルは、樹冠にぶら下がって生息するため軽量で、オスとメスの体格差がほとんどない。
→★従って、1匹のオスが複数のメスを抱えることができないので、テナガザルの集団形態の特徴は、オス1匹、メス1匹、子ども2~3匹の【両頭婚】の最小集団。
Q.類人猿への進化系統は?
・アフリカは次第に乾燥化していったので、古い化石が残っているが、湿潤なアジアの熱帯雨林では、400万年前より古い化石は残らない。加えて、人類のアフリカ起源説に惑わされて、アジアでは古い化石の発掘が殆ど進んでいない。
・アフリカでも、ヨーロッパでも、中央アジアでも、乾燥地帯では3000万年前以降のオナガザルの断片化石が残っている。原テナガザルの断片化石は、2500万年前アジアの乾燥地帯で見つかっているが、800万年前には消滅。
→★「原テナガザル」はオナガザルとの縄張り闘争に敗れて絶滅したと考えられる。
・アフリカでは、テナガザルの化石は見つかっていない。一部の学者が600万年前の人類もどきの化石を発見したと言っているが、その断片化石が人類の祖先=テナガザルである根拠は乏しい。
・800万年前~250万年前は、アジアでもテナガザルやオランウータンの化石は見つかっていない。
→★従って、その後、800万年前~250万年前の間で、オナガザルが樹上を制覇している中、アジアの熱帯雨林で改めて「新テナガザル」が誕生したと考えられる。ただ、化石が残らないので、何万年前に登場したかについては、確定できない。但し、雲南省の500万年前の冷涼期の地層から、大量の大型テナガザルの化石が見つかっている。
・新テナガザルはアジアにはいるが、アフリカにはいない。
→★とすれば、アジアのテナガザルがアフリカに渡り、彼らからゴリラやチンパンジーが誕生したことになる。
Q.600万年前?オナガが制覇している中で、どうして新テナガが誕生できたのか?
・シロテナガザルはオナガザルが住めない高い木の樹冠を生息域としていた。従って、縄張りを拡大できる余地が少ない。
⇒★そこでメスの「授乳期間」を2倍に延長することによって繁殖力を低下させ、親和機能と知能を進化させる方向に向かった。
⇒★他方、オナガザル集団との縄張り闘争に対応して、一気に「大型化」する方向に向かった新テナガザルが類人猿の前身。
Q.たった300万年で6kgの新テナガザルから80kgの類人猿に大型化?
★類人猿は「妊娠・授乳期間」を一気に3倍→5倍に延長し、それに伴って親和機能と知能を大きく進化させていった。
★また、妊娠・授乳期間を延ばしたことによって、より大きな頭脳や体躯を産み出し、育てることが可能になり、急速に「大型化」させていった。
⇒大型化も知能進化も、適応上有利なので、その方向(必要な方向)に向かって、どんどんDNAを反復させていった。
・DNAを必要な方向に向かって反復させれば、授乳期間を数倍延長することも、体を数倍大きくすることも可能。それは、授乳抑止のDNAや成長抑止のDNAを封鎖すれば実現する。
Q.類人猿(オランウータン、ゴリラ、チンパンジー)の生息域が赤道直下に集中しているのは?
・テナガザルは樹冠で生息しているため、ぶら下って移動するには熱帯の密林でなければ生息できない。
・また、食料が豊かではない乾燥地帯でいたずらに大型化すれば、食糧不足で絶滅してしまうが、食料がふんだんにある「熱帯の森林」では大型化が可能であった。
・重量化するにつれて、果実食から食性を変化させていく必要が出てきて、芽や葉も食べるようになるが、セルロース(植物の硬い細胞壁)を分解する腸内細菌の働きで、一段と大型化が促進された。
→★豊かな熱帯雨林でないと生きていけないため、生息域が赤道直下に集中している。
→★現類人猿は、オナガザルを寄せ付けない力と知能を獲得したが、メスの子育て期間を5年or7年(3~4倍)に延長したので繁殖力は低く、最も豊かな赤道近くの縄張りは確保できたが、広く分布することは出来なかった。
Q.類人猿登場の起点を成したのは「メスの授乳期間の延長」であるが、授乳期間の延長による「親和機能の進化」が「知能を進化」させるのは?
◎子育てをする高等動物は、母親や周りの真似をするための転写回路(ミラーニューロン)を形成しており、その分だけ知能が進化している。ex.イルカ、鳥
◎転写回路は、相手の行動を見ただけで自分の脳内で同じ行動回路が作動するという回路であるが、原猿は行動を転写するだけでなく、更にその行動を生み出す心情にまで同化する共感回路を形成した。
◎この共感回路と毛づくろいの親和充足回路によって、知能を進化させた。
◎真猿は、相手の心情に同化するだけではなく、その上に仲間集団の闘争課題を共認し、役割を共認し、規範を共認する共認機能を形成して闘争集団を形成した。真猿はこの共認機能によってさらに著しく知能を進化させた。
★【親和本能 ⇒ 転写回路(ミラーニューロン)⇒ 共感(同化)回路 ⇒ 共認(応合)回路】
→共認機能の先端に知能を司る『追求機能』が形成されている。
・授乳期間の延長によって「母子密着の親和機能(皮膚感覚の発達)」が発達。
→★親和機能により、「どうする?の追求機能」を著しく進化させた。
→★親和充足こそが知能を進化する土台。類人猿は、授乳期間を延長→母子密着の親和共認の進化→知能を進化。
今回はここまで。
人類につながる類人猿は、共感(同化)回路を獲得した(原猿→)新テナガザルの中から、「妊娠・授乳期間」を一気に延長し、大型化するとともに「親和機能」を発達させ「知能」を進化させたサル。
次回はこの中身を踏まえ、いよいよ人類の直接の祖先の類人猿は、チンパンジーか、ゴリラか、オランウータンか?
by 麻丘
- posted by komasagg at : 22:52 | コメント (0件) | トラックバック (0)
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