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2016年06月23日

全員経営 自律分散型イノベーション企業⑦ ~釜石の奇跡~Ⅳ故郷を大切に想う心が皆の命を助けた

このシリーズでは東日本大震災で津波の被害を受けながら、小中学生の生存率99.8%という驚異的な数字を残した「釜石の奇跡」について、「全員経営~自律分散イノベーション企業成功の本質」(野中郁次郎・勝見明著:日本経済新聞出版社)を元に取り上げています。そして今回は、突然やってきたその日のことです。
前回までの記事はコチラ
①プロローグ
②ヤマトは我なり~クロネコヤマトの挑戦
③ヤマトは我なり~バスとの連携
④釜石の奇跡~Ⅰ防災教育
⑤釜石の奇跡~Ⅱ姿勢の防災教育
⑥釜石の奇跡~Ⅲ「率先避難者たれ」の意図

2011年3月11日午後2時46分、地震発生。そのときの釜石東中と鵜住居小の生徒たちの動きをここで改めて検証してみましょう。

釜石東中は授業終了後で、校庭ではクラブ活動が、校舎内では課外活動が始まっていた。

突然、地震 が発生する教頭が校内放送で避難指示を試みたが停電で使えない。ハンドマイクを手にしたとき、すでに校庭の生徒たちは隣の鵜住居小に向かって、「津波が来るぞ!」と大声で叫びながら、全速力で避難を開始していた。校舎内でも生徒が会談を駆け下りる足音が鳴り響いた。

鵜住居小では、釜石東中と同様にハザードマップ上は浸水域外だったこともあり、生徒たちは3階に移動していた。外を見ると、日頃から合同訓練を重ねていた中学生が全力疾走している。それを見た小学生たちも校舎を飛び出し、合流。800m先の指定避難場所「ございしょの里」というグループホームまで走った。

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それでもやはり、地震時には一瞬「どうする?」で生徒の動きが止まったらしい。その中でサッカー部のある生徒が真っ先に「津波がくるぞ!」と叫びながら避難先に向けて走り出したらしい。彼の動きがその全校生徒を、さらにその動きを見た小学生を引っ張って行ったのです。 率先して避難者になり、そして「助ける人」になるために。

ございしょの里で点呼中、中学生が裏山の崖の崩落を発見する。「先生ここはダメだ」。

次の避難を進言。500m先にある介護福祉施設に向かってまた全員で走った。
車に乗せて避難しているのを見つけると園児を抱え台車を押し、次々合流してきた地域の高齢者の車椅子の手押しハンドルを握った

介護福祉施設に着いて、まちを見下ろすと、津波が家々を壊す土ぼこりがあがっていた。「ここも危ない」。
全員でより高台にある石材店まで駆け上がった。全てが避難開始から10分足らずの出来事だった。津波は学校もございしょの里も飲み込んだ。ハザードマップを信じていたら、多くの命が失われていた。

想定にとらわれない。最善を尽くす。率先避難者になる。そして、助けられる人から助ける人へ。子どもたちは全てを実践した。その後、避難所でも中学生たちは率先して毎朝清掃を行い、「被災後最初のEASTレスキューの活動だ」といって、避難住民の名簿作りも進めた。

「生き延びた子どもたちはマスコミに取材された時、自分たちのどこがすごいのか、とキョトンとした様子でした。彼らにとっては当たり前のことをしただけです。その様子が逆に僕には嬉しかった」と片田は話す。

地元では「奇跡ではない。普段の訓練の成果だ」と話しているそうです。確かに“神がかり的”を意味する「奇跡」という言葉よりも、人の知恵と行動の結晶と捉える方が学びは多い。
今回で言えば、大人の作った「災害規模“想定”とその対応マニュアル」を学びつつ、対応策を正しいものと絶対視せず、想定“外”の事態にも、自ら柔軟に対応する思考力から、決断し避難のための組織化を行います。

その思考力を持てるようになった一つの要因は、この津波は自然現象だということを意識下に置いていること。それは釜石の奇跡Ⅱで取り上げたように、一方で災害というリスクを抱えながら、普段は自然の恵みを享受して釜石で生きることの大切さを教育したことで形成されていたと考えます。災害が起きても自然を否定視せず、常に向き合うことで、冷静にその対策を取れたのだと解釈します。

このことは企業等の組織でも応用できます。業務が思うように上手くいかないときに問われて、よく出る言葉「規則だから」「マニュアル通りにした」「上司が言ったから」。これらは全て課題や対象としっかり向き合ったときに出る言葉ではありません。多分、自分の行動や判断の根拠を説明しようと思考しているのだと思いますが、本当に問われているのは、「何を実現しようとしているのか?」ということ。純粋に課題に向き合うには、釜石の子どもたちと同様に、課題をプラスに捉える思考が重要なのです。

 

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