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2012年07月20日

【新しい潮流と新理論の必要】9.新理論が登場してこない理由1

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皆さん、こんにちは
共同体企業ネットワークの理論勉強会のテキストも今回で9回目となりました。
今回も「日本を守るのに右も左もない」さんから
テキスト(9) 「~新理論が登場してこない理由2 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった~」をご紹介します
初めて本ブログを読まれた方は、「理論勉強会ってどんなことを学ぶ場なの?」と疑問を持たれるかと思いますので、もう一度理論勉強会の趣旨に触れておきたいと思います
理論勉強会とは、社会の様々な事象を取り上げながら、現代に繋がる最先端の意識潮流を解明することによって、概念装置を体得する場です。
概念装置があれば、時事問題を考える時、仕事の場面で方針を出す場面・・・、
いかなる状況に置かれても答えを出すことができます。
この概念装置を作り出すには、全文明史を振り返って、人類の歴史段階的な進化の構造(=実現構造)を解明する必要があります。
そして、この実現構造を解明する中で、何度も塗り重ねて構築してきた「事実の体系」が概念装置です。
事実の体系ですから、当然、現実の場面で使える理論ですし、2段階、3段階の能力アップが可能になります
さて、今回のテーマは“新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった”です。近代観念が如何に社会の手かせ足かせとなり、この上なく厄介な障碍となっていったのかについて詳しくみていきたいと思います。
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『9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった』より
情報中毒による追求力の衰弱もその一つだが、新理論が登場してこない最大の原因は、近代観念が人々の共認収束に蓋をする閉塞の元凶となったからである。
近代観念も、市場の拡大期には私権拡大の可能性に誘引されて、その追求力が衰えることはなかった。しかし、豊かさの実現によって私権拡大が終息し、共認収束の大潮流が出現すると、私権欠乏を大前提とし自我を源泉として生み出された近代観念は、共認収束の出口に蓋をする閉塞の元凶でしかなくなる。
もちろん近代観念だけではなく、近代観念の教宣機関たる学校制度もマスコミも、あるいは私権収束を促す試験制度や試験エリート(学者・官僚・マスコミ人)の存在も、およそ私権統合を担ってきた法と体制の全てのものが社会の桎梏(手かせ足かせ)となったが、中でも、時代閉塞の真犯人と言うべきは、それら私権体制と市場拡大を導いてきた近代観念である。
人々の頭の中を支配する近代観念は、共認社会への出口を模索する人々にとって、この上なく厄介な障碍となっている。従って人々が、思考を閉塞させる近代観念やそれに基づく理論を、邪魔な物として忌避するのは当然である。だからこそ、’70年以来、人々は一貫して思想や理論を敬遠し、無思想・無関心が蔓延していったのである。今や大多数の人々は、理論=役に立たない厄介なものと見なすに至っている。
観念や理論がここまで忌避される原因は、時代=潜在思念が急速に転換していっているにも拘らず、近代観念が全く進化しなかった点にある。
では、近代観念は、なぜ進化できないのか?
近代観念は、自我発で形成された架空観念であり、その一つ一つの観念が、自己正当化観念として働いている。その結果、近代観念に染まったものは、無数の自己正当化観念に囲まれたその中心に強固な「自分」という観念を形成し、あたかもその「自分」観念こそが自分の本質であるかのような錯覚に陥ってしまう。
従って、いったん強固な「自分」観念を形成してしまうと、その「自分」観念を崩すことは自己の崩壊を意味することになるので、「自分」観念を疑うような根本追求に対する忌避回路が形成される。このような根本追求に対する忌避回路が形成されている以上、誰も近代観念を根底から覆すような大理論の構築に向かおうとしないのは当然である。
近代観念に代わる新理論が登場してこない原因の第一は、この「自分」観念による根本追求の忌避にある。すでに、25年以上も前から、社会のいたるところで綻びが露呈し、その綻びが日増しに大きくなって危機的な様相を呈しているにもかかわらず、学者や官僚が小手先の弥縫策や矛盾を隠蔽する詭弁に終始し、決して根本追求に向かおうとしないのは、近代観念に刻印された、根本追求の忌避作用の為せる所である。
また、近代観念を見限って、予知や宇宙人やアセンション等の超常情報に収束している観念思考者たちも決して大理論の構築に向かおうとしないが、それは、彼らが「自分」観念を温存したまま超常現象に逃避しただけだからである。従って、その超常情報の発信そのものが、大きな騙しとなっている。実際、危機を煽るだけ煽って、後は祈るだけで何もしないこの連中は、金貸し勢にとって実に有難い援軍であろう。そんなことになってしまうのも、「自分」観念を温存したままだからであり、それほどに「自分」観念の根は深い。
しかし、自我・私権の終息により、近代観念(=自己正当化観念)の源泉と誘引先が閉ざされ、どんどん風化してゆくので、その中心に形成された「自分」観念も、時と共に風化してゆき、いずれ消滅する。
代わって、本能回帰・共認回帰の潮流に応合した「もったいない」「役に立ちたい」等の新しい言葉が浮上し、古い近代観念を圧倒しつつある。そして、それら本能回帰・共認回帰の潮流の中で育った若い世代は、次々と「自分」観念から脱却し、素直に期応充足⇒課題収束を深めていっている。
いまや、「自分」観念にしがみついているのは、仲間関係が上手くいかない等の関係不全から観念収束した観念病者か私権派だけである。

近代観念とは、自己正当化観念のことであり、自分にとって都合のよいものでしかなく、自分の利益にならないことには関心が向かわない。しかし、豊かさの実現による私権の終焉は、自我をも過去の遺物として消滅に向かわせている。特に本能回帰・共認回帰の潮流の中で育った若い世代には自我が少なく、素直に自分からみんなへの意識転換が進んでいる。特に’02年から顕著化しており、更に’11年の震災を契機に一挙に社会潮流として顕在化してきた。
ある企業の今年の入社式、副社長さんの挨拶にそのことがよく表れている。「この数年に社会にでた若者は自我に捉われることなく素直で吸収力が早い。大いに期待ができる」と。更に‘11年の震災以降は旧世代の中でも、周りの皆を羅針盤に、世の為人の為に自ら行動を起こし始めている人が多数登場してきていることにも大いに期待が膨らむ。

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            震災ボランテァに励む若者たち
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津波にのまれて一命を取り留めた釜石市根浜来宝館の女将、岩崎明子さんは、皆のためにいち早く震災復興に動き出した。
以下の記事も参照してみてください
『みんなにとって必要か否かが共認時代の判断軸』
『少しでも役に立ちたい、戦力になりたいと想う行動そのものが何よりの貢献』
次回は、『新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない』について詳しくみていきたいと思います。
ご期待ください
シリーズのこれまでの記事はこちら
【新しい潮流と新理論の必要】1.これから生き残る企業に求められる能力は?① ~現在は、どのくらいの大転換なのか?~
【新しい潮流と新理論の必要】1.これから生き残る企業に求められる能力は?② ~人類は生物史を覆す大転換を経て、新しい時代に突入しつつある~
【新しい潮流と新理論の必要】1:これから生き残る企業に求められる能力は?③~答えは事実の中にある~
【新しい潮流と新理論の必要】2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
【新しい潮流と新理論の必要】3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
【新しい潮流と新理論の必要】4.本源回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
【新しい潮流と新理論の必要】5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
【新しい潮流と新理論の必要】6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
【新しい潮流と新理論の必要】7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
【新しい潮流と新理論の必要】8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機

※『新概念勉強会』に興味のある方は、類グループ社会事業部(大阪:06-6305-2222、東京:03-5713-1010)までお問い合わせください

 

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