2012年01月04日
成功を導く確かな理論 ~共同体・類グループの事例:⑫中途採用者がイキイキ働ける環境って?
皆さん、こんにちは。今回は、中途採用者がイキイキ働くための職場づくりをお話します。
●中途採用者が増加している
近年、中途採用者の数が増加しています。大手人材紹介会社が抱える求人案件も軒並み、バブル景気、ITバブルの頃を上回り、今や社会人の52.5%が転職を経験しているというデータも出ています。(参照サイトはこちら)また転職しても新しい環境に馴染めず、ストレスを溜めて再々就職を考えるという話もよく耳にします。
それでは現在、なぜ中途採用者が増加しているのでしょうか?
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●中途採用者の退社理由ランキング
そこで、中途採用者が前職を辞める理由を探ってみた所、転職サイトのコラムから幾つかデータを見つけました。
【退職理由の本音ランキングベスト10(リクナビネクストより)】
1位 上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった 23%
2位 労働時間・環境が不満だった 14%
3位 同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった 13%
他の転職サイトを見ても、同様に、「上司の仕事のやり方」「職場の人間関係」の2点に集約されていました。どうやらこの辺りに退職者増加の原因が隠されていそうです。
ただしこの情報だけでは不十分ですので、類グループの教育事業部(類塾)に転職してきた方に話を聞いてみました。
類グループ・社内ネットY先生の投稿より引用
前社でも営業に所属していたので、まずは個人の営業目標達成のため日々活動していました。他社の業者がライバルであることは言うまでもありませんが、一番のライバルは社内の人間でした。
そのため、社内の営業マンとは情報交換しますが、自分が持っている良い物件の情報や、相手が持っている良い情報はあまり出さないことが多かったです。(同期などの営業マンとは交換していました。)情報を出すときは客がついたときに出したりしていました。理由は、情報を渡してしまうとお客をつけられた場合、営業数字を折半にしなければならないからです。
※社内ネットとは、類グループのイントラネットのこと。そこでは、毎日300を超える提案や意見が発信され、部門や事業部を超えて経営状況や経営課題を共有し、改善案を提起することが可能な場となっています。
類グループ・社内ネットH先生の投稿より引用
新入社員時代から「上司の命令は絶対で、疑問を持ってもそれに逆らうことは許されない」という考えを叩き込まれていました。一応「疑問に思ったことは会議の場でのみ対等な立場で発言することが許される」となっていたりしますが、日々の現場で上司の命令に絶対服従の若手が、会議の場で思っていることを発言できるわけありません。
それこそもし発言しようものなら、その場は聞いてもらったようでも現場に戻ってどんなパワハラを受けるかもしれないと思うからです。
なるほど、非常にリアルな内容ですね。やはり、「上司の仕事のやり方⇒上からの命令は絶対」「職場の人間関係⇒営業成績を争う周りはみんなライバル」といった辺りが不全感の出処になっているようです。
しかし、ここで1つの疑問が浮上してきます。昔の職場において、こうした状況は当たり前でした。そこに不全感を覚えるようになったのはなぜでしょうか?
●退職の原因とそこから見えた中途採用者がイキイキ働ける環境
この問題を考える上で、参考になる投稿があるので紹介します。
実現論:序2(下) 私権時代から共認時代への大転換より引用
貧困の圧力が働いているからこそ、誰もが私権に収束し、力の原理が貫徹される。実際、古代~近代を貫いて、紛れも無く人類は常に貧困の圧力に晒されてきた。だからこそ、力の原理が支配する私権社会になったのである。
ところが’70年頃、先進国では物的な豊かさがほぼ実現され、貧困の圧力が消滅してゆく。その先頭に立つことになったのが、日本である。
貧困が消滅すると、私権を獲得しようとする欲求=私権欠乏が衰弱してゆく。従って、物的欠乏も衰弱し、市場は縮小せざるを得なくなる。また、私権圧力が衰弱すると、誰も必死に働こうとはしなくなり、全般的に活力が衰弱し、指揮系統も機能しなくなってゆく。(中略)
貧困の圧力に基づく、私権を獲得しなければ生きていけないという否も応もない強制圧力=私権圧力の衰弱とは、力の原理の衰弱に他ならない。力の原理が衰弱していけば、人々が、その強制から脱して、人類本来の共認原理に回帰してゆくのは必然である。
かくして人々は、’70年以降、最も深い潜在思念の地平で、次々と私権収束から脱して共認収束を強めていった。この共認収束の潮流は、半世紀以上は続く大潮流であり、現在は転換の途上であるが、すでに10年以上前から、大多数の人々にとって、周りの期待に応える充足こそが、(私権充足に代わる)最大の活力源になっており、いまやこの期応充足の土壌から生み出された課題収束が、最先端の意識潮流として、顕現している。さらには、このような共認収束の大潮流の中から、共認原理に則った共同体を志向する企業も次々と生まれてくるようになった。(中略)
物的な豊かさが実現された以上、私権収束⇒私権統合の社会が終焉し、共認収束⇒共認統合の社会、すなわち、人々が、状況を共認し、課題を共認し、役割や規範を共認し、それらの共認内容に収束することによって統合される社会に移行してゆくのは必然である。現在の、意識潮流の先に人々が求めているものも、間違いなく共認社会(古い言葉で言えば、共同体社会)であると言えるだろう。
昔は、貧困の圧力に基づく、私権(金や身分etc)を獲得しなければ生きていけないという強制圧力を受け、どの集団も力の序列によって秩序化され統合されていました。そこでは、上司に取り入り出世すれば給料や身分が上がり、自らの活力もどんどん湧くので、下は上司の言うことを遵守していました。だから、上の言うことに下が従う指揮系統が成立していたのです。
それが’70年に貧困を克服すると、私権圧力→私権収束が衰弱し、序列原理も徐々に無効化していきます。序列原理の引力が衰弱すれば、人々がその強制から脱して、上からの命令通りに主体的に動かなくなり、人類本来の共認原理(みんなで状況・課題・役割・評価を共認する)に回帰していきます。そのため、今まで通用していた指揮系統が機能しなくなります。
一方で、人々は共認収束を強め、周りの期待に応える充足こそが最大の活力源になりました。皆の期待に応えるには、企業の統合様式を「状況→課題→役割→規範を共認し、それらの共認内容に収束することで統合される形」に変えること。そのため、ここ数年で共同体を志向する企業も増え始めてきました。
今までの話をまとめると
貧困の克服に伴い皆が共認収束し、組織の共認統合(=共同体)が求められているにも関わらず、未だに組織を私権統合(=指揮系統)していることが、中途採用者(退職者)増加の原因でした。
したがって中途採用者がイキイキ働くには、組織の共同体化が求められていたのです。それを実現することで、中途採用者も含めた社員全体の活力が高まり、結果的に再々就職者数も退職者数も減少していきます。
●実際に、共同体・類グループに転職された方の声を紹介
それでは実際に、共同体・類グループ(教育事業部)に転職された方の声を聞いてみましょう。
類グループ・社内ネットI先生の投稿より引用
やはり「自分がどうした」というよりも「周りのみんなの期待掛け」が非常に大きかったと思います。こちらがなかなか発信できなくてまごまごしているときに、M先生やK先生、AさんやIさん、他の沢山の方々から「期待」を掛け続けてもらった、というのが大きいと思います。特にK先生には社内ネットに発信した内容が佳作になったときなど、本当に一緒に喜んでもらえました。またAさんには「I先生は社内ネットへの発信が少ない!」と直接ご指摘を受けました。
実際に発信していく中で、いいときはいい、ダメなときはダメと、「みんなに真っ当に評価してもらえる」「事実を発信していくことで、前進感がある」など、実現イメージが湧いてきました。
またみんなに委ね続けるうちに、類グループに対して「安心できる」と思えるようになってきました。その理由は「みんなが本気で課題に向かい、よくしようと思っている」から。
一般に私権会社では「自分の目先の利益や評価」のみに意識が向かいがちで、どうしても「みんなのため」という意識にはなりにくい。ところが類グループでは、みんなで「実現するため」に、全て社内ネットに発信し、事実を共認して前進していく。また、社内ネットだけではなく、みんなで何気なく話すときにも、常に「実現するには」「良くするには」の観点で物事を考えていく。
社内ネットに投稿することで仮に「おかしい」が付いても、軌道修正して「変えたらしまい」というのはI先生がよく仰っていますが、本当にその通りだと心の底から思えるようになったのも大きいです。これは類グループでの指摘が常に「肯定視」から来る「実現思考」に基づいているから。
みんなの判断・評価に「本気で委ねて」おかしいと指摘されたら「本気で変える」
これができる人が本当に評価され、みんなの役に立つ人だということに気付いてきました。つまり「自分がどう思う」を捨てることが大切で、常に「みんながどうしていきたいか」という、一点のみを軸にすることが大事だということ。以上が「転換のきっかけ」になったのかもしれません。
共同体では、全ての課題がみんなの課題。そのために、「この課題を実現するにはどうする?」を皆が追求し、その中から幾多もの可能性が生み出されていきます。その可能性(新たな突破方針や皆の成功体験etc)や自らの失敗体験(他の人も繰り返さないように)も皆で共有するために、それを社内ネットに投稿しています。
例えば教育事業部では、中途採用者や新人でもトップクラスの講師の授業研修を受けられるので、初めからレベルの高い授業を展開でき、地域から高い評価を得られるのです。一般的に、本人の授業は私権を得るための武器になるので、それを公開するなんて、私権企業では考えられない事例ではないでしょうか。教育事業部だけでなく、他部門においても同様の事例が見られ、部門を超えて期待を掛け合い、課題を共に実現しています。このようにして、共同体・類グループではイキイキした職場を創り出しています。
中途採用者も含め、社員全体の活力を高める共同体制。現在「職場の雰囲気がよくない」「退職者が多い」と悩んでいる職場の突破口として、組織体制を見直してみてはいかがでしょうか。
◆これまでのバックナンバー◆
★成功を導く確かな理論~これまでの内容をまとめて紹介します♪①~
↑成功を導く確かな理論①~⑪はこちらをご覧下さい☆
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