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2023年02月02日

先端企業の戦略(2) ~・メルカリの中にある温故知新①・~

メルカリという企業をご存じでしょうか。利用したことがなくとも名前は知っている、という人は少なくないでしょう。簡単にいえば、ネット上で行う個人売買を支援するビジネスです。具体的には、蚤(のみ)の市やフリーマーケットを想像していただければ分かりやすいかと思います。それがネットで行われていると考えてください。メルカリはそのシステムを提供している「フリマサービス」のIT企業です。メルカリ以外も似たよ うなフリマサービスを提供しているIT企業はありますが、メルカリが日本最大です。

年配の人の中には「ネットの蚤の市? なんだか、めどうくさそうだな」と思うでしょうが、決して難しくありません。売りたいものがあれば出品して売る、出品物で買いたいものがあれば買う――という極めて単純な仕組みです。

「要はオンライン販売ということでしょ?」と考える人もいるかもしれません。オンライン販売の側面は確かにありますが、アマゾンや企業のオンライン販売と違うのは、一般個人が出品者になることができるという点です。通常のオンライン販売は、出店者の身元を仲介会社(例えば楽天市場なら楽天株式会社)が審査した上で出品させています(出店させている)。それは取引の信用を仲介会社が保証しているということです(完全に安全だとは言い切れませんが)。

一方、フリーマーケットは、業者が出品することもありますが、基本、個人が中心です。

ではメルカリではその信用の担保をどうしているのか。それは次のような段取りで保証しています。

●情報の不均衡を整える

商品を買う際、購入者は出品者にお金を払います。それをいったんメルカリが受け取ります。そして商品が購入者に届くと、購入者はそれが約束通りのものかどうかを確認し、商品の評価をします。その評価を受けてメルカリは出品側に預かっていた代金を支払います。そして出品者も購入者を評価します。

ポイントは「評価をしたのちに支払いが行われる」という点です。たったこれだけで、「商品が届かない」や「商品が写真で示されていたのと違う」などのトラブル、もっといえば商品詐欺行為のような犯罪を抑止できます。また売り手(出品側)も購入者を評価するのでクレーマーのような人を排除していくことができます。

しかも、この「評価してからの後支払い」というシステムは、市場自体を公正な状態に調整する機能が働くのです。どういうことかといえば、売り手と買い手との間には絶えず、その商品の情報(それが市場でどの程度のランクの品なのか。それによる値段は適正なのか、など)について、不均衡が生まれているからです(売り手は商品の多くの情報を持っているから有利、買い手は商品の情報を保有していないから不利)。これをそのままにしておくと、あくどい商人が市場を占有してしまいます。次の例で考えてみましょう。

●どちらの業者から買ったらいいのか?

仮にブランド物の中古販売業者「A業者」と「B業者」が存在したとします。あなたはAかBのどちらからか、Cブランドの中古バックを買おうと思っています。

A業者は「Cブランドのこの中古バッグの価値は25万円。値付けを30万円にしよう」、

B業者は「Cブランドのこの中古バッグの価値は10万円。どうせ消費者は分からないだろうから、値幅を多く取って30万円で売ろう」としています。

あなたは両方の業者に「値引きできますか」ともちかけると、A業者は「そうですね…1万円引きでいかがでしょうか」と答えました。一方、B業者からは「5万円引き致しましょう」との返答がありました。

さて、あなたはどちらから購入するでしょうか。もしかするとA業者に好感を抱くことができたのでA業者から買うかもしれませんが、商品の見た目が同じなのに5万円引きしてくれるB業者から恐らく買うでしょう。

その結果、A業者のバッグは売れ残りました。正直な商人はビジネスに失敗したわけです。一方で、B業者のバッグを購入したあなたは、そのバッグの価値以上に支出してしまったといえます。

長期的に見れば、A業者は利幅が少なく、しかもあまり売れないので経営に苦労し、やがて店を畳むかもしれません。B業者は利益が出ているのでビジネスを拡大していく可能性があります。

一見、よくあるビジネスの事例ですが、この事例には2つの問題点があります。

●経営の課題を解決

1つは、「質のいいものを適正価格で買いたい」買い手に対して不利益をもたらす点。

2つ目は、「質のいいものを正直に売っていきたい」売り手が市場から締め出されていくという点です。

実は、この問題は経営学で「アドバース・セレクション問題」という名前で知られている経営課題の一つです。メルカリの「評価して支払う」という仕組みは、このアドバース・セレクションの問題をかなりの部分で解決します(完全には解決しません。それはなぜか皆さんで考えていただきたいと思います)。

そもそも、メルカリの仕組みでは、売り手側の販売価格(つまり値付け)は適正、もしくはそれに近いはずです。他と比べて極端な安い価格ならばそれは相応の理由があると理解できます。質の低い品は安くしないと、辛口の評価を付けられて、その出品者は市場から退場させられていきます。

現実の店舗で売っている売り手には、評価圧力がなかなか働きません。アマゾンや楽天のようなECサイトは口コミがありますが、そのコメントは玉石混交ですので自分事に置き換えられませんし、そもそも、メルカリのような、売り手による買い手評価もありません。その意味でメルカリの「評価する(正しくは『評価し合う』ですが)」は、なかなかいい仕組みなのです(もちろん完璧なシステムではありません)。

メルカリのフリマサービスは、売り手と買い手の間にある「情報の不均衡」を埋めました。これはは第1回で定義した「不易と流行を合わせ持っている」の流行(IT)の部分です。もう一つの「不易」はどうでしょうか。それは次回の投稿で示してみたいと思います(次回は2月7日予定)

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2023年01月28日

【教育ってなに?】~日本の教育が転換するためには「教育観」の共有が不可欠~

IMD(国際経営開発研究所)が作成する「世界競争力年鑑」において、日本の国際競争力は1992年には1位でしたが、年々順位を下げ2022年には34位/63カ国まで落ち込みました。この順位が代表するように、現在は日本全体が活力不全という状況です。
この状況を打破するため、これからあるべき教育について追求をしていきたいと思います。

「世界競争力年鑑における日本の総合順位の推移」はコチラからお借りしました

◆教育方針の変遷
公教育の基本方針となる「学習指導要領」は概ね10年単位で改訂がされています(文科省:学習指導要領の変遷)。これらの改訂は社会状況の変化に応じて行われますが、その概観をみると、以下のようになります。
【戦後~70年代】欧米へ追いつけ追い越せの詰込み路線
【70年代~2000年代】豊かさの実現から、ゆとりと個性重視の路線
【2000年代以降】市場拡大の限界→国際競争力激化から、グローバル人材路線
現在は、2017年に改訂されたもので、「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」となっています。

学習指導要領の改訂において各団体からの意見募集があり、とりわけ経済界からの要請は強いと考えられます。社会で求められる人材の育成が教育の意味でもあるので、当然といえば当然ですね。

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2023年01月20日

『生き続く企業とは?』~婿入り→継承~

前回の記事『生き続く企業とは?』~プロローグ~では、日本には1000年~200年に渡って長く続いてきた企業が多数あること、それらの企業が長く続く秘訣を探るために、共通項として5つの追求ポイントを挙げました。

1.婿入り→継承
2.権力との関係
3.流通
4.技術
5.組織体制

今回は、その中の一つ「1.婿入り→継承」を取り上げます。
200年以上続く企業には、「婿入り」で家業を継承しているところが多く見られますが、なぜ実子ではなく、敢えて婿を取り家業を継承しているのでしょうか?

■実子よりも婿養子を選択!当主の大半が婿養子
・三井の「大阪別家(暖簾分けした店)」の51件中、実子相続はわずか12件(約24%)で、残りの39件(約76%)は婿養子が占めていました。
このように、大阪の商家では養子を跡取りにする習慣があり、養子は役に立たないと分かると容赦なく離縁されました。商家の取引先や使用人の暮らしがかかっているのだから当然です。

・近年、東京の神田、日本橋、京橋の老舗40店の当主を調べたところ、全てが婿養子だったことが分かりました。

・日本橋馬喰町のさる紙問屋は、「当家に男子出生いたすとも、別家または養子に遣わすべし。男子相続は後代まで永く永く禁止し、当家相続は養子に限ることを、堅く定めおき候」と主人が書き残しています。
「世界一の老舗大国ニッポン そのカギは女原理の婿取り婚にある!」 「奥の院と日本の老舗企業の親近性~集団を存続させるには母系が適している」より抜粋)

他にも多数の事例がありますが、このように、江戸時代の商家では「息子は選べないが、女の子が生まれたら優秀な婿養子が取れる・選べる」と、女の子が生まれたら喜んで赤飯を炊いたという話もあるくらい、たとえ実子が居たとしても、跡取りに婿養子を選択することが多かったのです。


画像は、三井コスメティックス様よりお借りしました。


■婿入りによるトップ継承をしている企業の特徴

これらの事例で挙げた商家では、事業継承の過程で優秀な使用人の中から婿養子を取って当主を継がせる、優秀な番頭に経営を任せるなどしています。さらに、優秀な人材には本家から暖簾分けした多くの分家・別家を継がせることで組織拡大しています。その象徴的な事例が住友家です。

 住友の歴史は、17世紀に初代・政友が京都に書物と薬の店を開いたことに始まります。政友の娘婿として住友家に入った2代・友以は、大坂に進出。実父(政友の姉婿)と協力して銅の精錬法「南蛮吹き」を同業者に公開し、「南蛮吹きの宗家」として名声を高めます。
江戸時代の日本は、世界有数の銅生産国であり、友以は銅貿易をもとに糸、反物、砂糖、薬種などを扱う貿易商になり、さらには分家が両替商も開業し、住友家は「大坂に比肩するものなし」と言われるほどに繁盛します。
「住友グループ広報委員会」より抜粋)

 それでは、なぜ「婿入り」によって、事業を長く継承し拡大することが出来るようになるのでしょうか?

■「婿入り」による継承は、「基盤」と「先端」の双方を高める優れたシステム
長く続く企業には、事業を継承する「基盤」と、時代に応じて変化し続ける「先端」の両方が必要であり、「婿入り」によるトップの継承が、「基盤」と「先端」双方の適応力を高めているということです。

事業の「基盤」となる商才や技術力は、必ずしも血によって受け継がれるとは限らず、血縁だけでトップになれるような人材が続くとは言えません。

生まれた時から先代の背中を見て学び育っていくことは、「受け継ぐ」という意味ではその中身を色濃く継承できるように思われます。しかし、代替わりさせながら3代企業が続くとなると、50年~90年が経過。継承してきたものをそのまま生かそうとしても、時代の変化に対応できず、生き残りは厳しいものとなります。

その反面、「時代は変わったから同じものは通用しない」と、まったく新しい事業に挑もうとしても、今までの基盤を軽んじることになり、これもまた事業継続が厳しいものとなります。

それに対して、婿入りによる継承では、丁稚から商売のイロハを叩き込み、手代→番頭と成長していった使用人や、同業の商家や分家から優秀な人材を選んで、婿養子として当主を継がせることで、事業の基盤を継承しつつ、時代の変化に適応した事業の変異を促進させることが可能になります。

さらに、トップを有能な人材で継承することで、組織全体を能力ヒエラルキーで統合し、人を育てる圧力を貫徹することが可能になります。それが、次代のリーダーを生み出し、技術力、営業力を継承する人材を増やし、組織を拡大する原動力ともなります。

まとめると、婿入りで事業を継承することによって、

経営能力のあるトップを選べる(トップになる人材にも評価圧力が働く)。
・事業を継続し組織を拡大する上で不可欠な、高い技術力、営業力を持つ人材を育てられる
能力ヒエラルキーで組織を統合できる

こうして「技術力」「営業力」「組織力」の3つが揃い、事業の継続・拡大を実現できるのです。

つまり、「婿入り」による事業継承は、「基盤」と「先端」双方の適応力を高め、長く事業を継承し、組織を拡大するための優れたシステムなのです。

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2023年01月12日

【次代の先端市場を切り拓く】スタートアップ創出元年のいま~日本の新産業創出の勝ち筋は?~

“『国の産業政策の動向』では、産業政策はどこに向かっているのか?どの領域に国費が投資されていくのか?国内外の企業がこぞって開発を進める新たな領域はどこか?こういった追求を通じて、これから先数十年を牽引する新たな産業領域・市場の解明を行います。”

事業創造の時代、産業の向かう先はどこか? >これから先数十年を牽引する新たな産業領域・市場の解明を行います。

に続き、今回は、今年特に注目された「スタートアップ」に対する政策の背景と実態について整理しました。

見えてきたのは、日本の産業はものづくりで成長してきた背景が強く、成果を価値としています。そして政府の支援が希薄(官民連携が弱い)で、スタートアップに挑戦する環境が整備しきれていない状況です。一方で、米国は価値を生み出すことに相当の価値があるとみており、CVCや政府の支援(産業確立に向けて長年の支援)が豊かで、スタートアップに挑戦する環境が整っていることが分かりました。 これからの日本の産業を支えていくために、スタートアップへの挑戦ができる環境を整備する必要があります。

◆1.スタートアップ支援の背景

現状日本の輸出入の差を見てみると、輸出額―輸入額=-2兆1622億円/月 となっており、国として「稼ぐ力を取り戻す」という大きい目標を掲げています。 この赤字額をプラス転換するには、日本から世界に売り出せるものをつくる必要があります。そのため、日本政府も、新しい資本主義の担い手として、スタートアップ企業や、新領域の研究・開発者の育成に力を入れています。

どのような市場で世界に売り出すものをつくるのか。

GAFAMのようなIT市場の先行きは暗く、DeepTechと呼ばれるような社会課題解決のためのものづくりが市場として期待されています。 私は、これを日本にとって大きなチャンスだと捉えています。 ただ、現状は、ユニコーン企業と呼ばれる未上場で企業評価額が10億ドル(1,450億円※140円/ドル)以上の企業が日本には12社しかいません。 ちなみに、米国は646社、中国は172社、インド71社と比較すると非常に少ないことがわかります。 ※日本の目標は2023年までに20社とすることを目標に掲げておりましたが、実現できそうにありません。

参考:【2022年】ユニコーン企業とは?日本で注目の企業12社はここだ!

そこで、スタートアップ元年と呼ばれる本年に、「スタートアップ支援5ヵ年計画」を策定しました。

ポイントは3つ。 ①起業する人の育成と、起業した人とをつなぐ=企業人材を生み出すネットワークと環境づくり ②資金供給強化(VCとCVC)と出口戦略 ③大企業との連携(エコシステム構築、M&A) スタートアップ支援は10年程前から提起があったものの、なかなか加速していませんでした。 それにはいくつか日本ならではの課題がありそうです。

◆2.スタートアップの実態

【課題1】日本のものづくり風土

・資金調達の基本が銀行借り入れのため、事業失敗すると自己破産に至るなど、失敗したら再起不能のイメージ

・教育で、起業や投資に関して扱われない

・日本は事業構想には投資額を大金は出さない風土  =「結果」にこそ対価

一方、米国では、日本の数十倍の投資額。。。事業構想にこそ対価を支払う価値があるとされています。 2018年の日本におけるVCやCVC、事業会社によるスタートアップへの投資額は約3800億円ですが、米国のスタートアップへの投資額は約13兆円日本の34倍となります。また2016年のファンドレイズでは、日本が2763億円に対し、米国は4.6兆円と約17倍になっています。

出典:ANTELOPE 日米のベンチャーキャピタルの違いと今後の展望

この日本の風土ではスタートアップ企業は育たず、また、スタートアップに挑戦する企業が出現しない傾向に陥ります。育つ人材も少なく、日本で高度人材が生まれにくい環境になっています。

【課題2】政府の支援が希薄

また、これを支える日本政府の支援も希薄です。 米国では、シリコンバレーに優秀な人材が集まってくる環境を支えているのは政府です。中小企業投資法(1958年)を皮切りに、ERISA法※2(1974年)、Small Business Innovation Research制度(1982年)、競争強化策(1985年)などリスク資金供給の基礎を築き、スタートアップエコシステムを形成しています。 こうした政府の支援があり、米国では、スタートアップ企業が多く生まれています。 一方、日本ではそういった法整備や環境づくりを政府が行っていません。そのため、スタートアップに取り組む難易度が高く、また事業失敗のリスクが高く、スタートアップ企業が生まれにくい構造になっています。  

出典:東洋経済 なぜ国がスタートアップを支援するのか

【課題3】なぜ日本に高度人材がこない?

産業を支える高度人材の存在は、ユニコーン企業の出現を助長します。しかし、以上で取り上げた内容を踏まえると、日本では高度人材が生まれにくく、そういった環境に他国から高度人材が流入することも難しくなります。

また、以下3つの視点でも高度人材の流入の壁があり、乗り越えていかなければなりません。

① 政治的な壁(国籍の扱い) ② 言語の壁 ③ 雇用システム(給与体系) ⇒日本は技術者に対しての給与も高くない。 ※中国大手企業の日本支社の理系初任給は40万 ※米国は一般労働者に対して、専門家は4割高い

出典:東洋経済 高度人材が日本では働きたがらない根本理由

日本固有の課題を突破するためには、海外の仕組みをそのまま取り入れるのではなく、日本のものづくり風土に見合った、新たな仕組みづくりが必要だと考えます。

次回の記事では、経済産業省と内閣府の方針から、日本がどの領域で世界に立ち向かおうとしているのか、についてみていきます。

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2023年01月01日

先端企業の戦略(1)~・「企業」という集団の未来・~

あけましておめでとうございます。
旧年中は本ブログを応援頂きありがとうございます。
2023年が皆さまにとって明るく希望に溢れる1年となりますように。
本年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

大洗海岸

写真はこちらよりお借りしました。

生き続く企業とは? ~プロローグ~』では、200~1000年続く企業についての追求がスタートしていますが、会社の存続率は、設立して3年65%10年6.3%20年0.39%30年経つと0.025%と言われており、創業からわずか10年の間に9割近くの会社が廃業するのです。

創業から30年も経つと、99%を超える会社が存続できていないことを考えると、200~1000年間に亘って社会が求めるものを提供し続けるという凄さが伝わってきます。

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2022年12月29日

「新しい言葉」から未来を考える SDGs編 ~「なぜSDGsは注目されるのか」①

多くの人にとっての「世界」とは、毎日の仕事であったりたり、子どもとの何気ない会話だったり、今日の晩御飯について考えたりする、そういったこと。海の向こうで起きることや、国内でも大きな出来事はなんとなく「自分と関係ない世界のこと」ように思える。しかし、ここ数年はそんな他人事とはいえない出来事が次々と起きている。コロナ禍であったり、ロシアとウクライナ紛争だったり、世界的な物価高であったり。

 

そんな先が見渡せない時代にあって、未来への羅針盤となるような「新しい言葉」がいろいろと現れている。SDGs、DX、VR、ダイバーシティ……。これらの言葉を見ない、聞かない日はない。だが、なんだか曖昧模糊として、つかみどころのなさを感じがする。マスコミのニュースに乗って届けられるそれらの言葉は、建前のような観念でお化粧されたもののようで、いざ自分が使おうとすると戸惑ってしまう。

 

メジャーな経済新聞や専門誌を読んでいるでもそうだろう。いや、そういう人ほど肚の奥底では、その言葉を追求しきれない感覚を抱えていると思う。

 

このシリーズでは、それら「新しい言葉」を取り上げ、徹底的に深掘りする。単なる語句の説明ではない、本源的な理解ができるような記事を提供する。

 

「本源的な理解とは?」。そう疑問をお持ちの方はぜひ本文をお読みになっていただきたい。きっと腑に落ちて、「新しい言葉」に対してこれまで抱えていたモヤモヤが晴れることを保証したい(ただし、読み手の真剣度にもよるが)。

 

先行きが見えにくい時代、新しい言葉を通して、未来の道筋を見つけよう。

 

1回目はSDGs。

 

この新しい言葉ほど、見ない、聞かない日はない。双璧はDX(デジタルトランスフォーメーション)か。

 

よく見かける言葉、よく聞く言葉といってもその中身まで知る人は少ないもの。SDGsという言葉は、その典型だ。

 

SDGsという言葉は、Sustainable Development Goalsの頭文字を取ったもので、訳は「持続可能な開発目標」。国連が定めた目標で、最後の「Goals」が複数形になっているのは、複数の目標が設定されているためである。

では、「持続可能な開発目標」とは具体的に何のことなのだろうか。

 

それは、現代世界が抱えている貧困や飢餓、エネルギー、自然破壊など17分野の問題を解決して、国にかかわらず誰もが暮しやすい社会に、また地球にとって良い環境にしようというもの。つまり「目標」とは、17分野が解決される地点のことである。

 

SDGsには17分野の課題があるわけだが、これを一つずつ分析して初めて、この言葉の全容が分かる。ただし、それをイチから取り上げていると、木を見て森を見ず、ということになりかねない。そこでまず、この言葉ができるまでの歴史を振りかえろう(全体を俯瞰するには歴史を知ることが必須だから)。

 

さて、SDGsが誕生したのは2015年の国連総会にて。なぜこの「持続可能な開発目標」が生まれたのか。それは同年に「ミレニアム目標」が終了することを受けて、である。SDGsの前に「ミレニアム目標」なるものがあったのだ。このミレニアム目標とはなんだろうか。

これも国連が定めた開発目標で8つの目標である。具体的には、貧困と飢餓、初等教育、ジェンダー平等、環境の持続性の確保……などである。つまり、SDGsはこのミレニアム目標の上位互換モデルといえる。

 

このミレニアム目標は、そもそもどのような経緯で誕生したのだろうか。調べてみると、起点と変節点があった。

 

それは、前者が1987年の「ブルントラント報告書」であり、後者が1992年に提唱された「4つの平等」である。前者はネットで調べることができる著名な国際会議の報告書である。それに対して後者の「4つの平等」はあまり知られていない。1992年の国連環境開発会議、いわゆる「地球サミット」の出席関係者の間で共有された考えである。

 

結論から言ってしまえば、ブルントラント報告書と4つの平等、これがSDGsという言葉を読み解く鍵(かぎ)だ。

 

次回、まずルントラント報告書とは何だったのかを解説し、もう一つの「4つの平等」に切り込んでみたいと思う。

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2022年12月24日

生き続く企業とは? ~プロローグ~

このブログを読んでくださっている多くの方が、企業や集団に属し、その集団内で、そして、その集団を率いて、外との競争や共創に挑み、事業を生み出していっているのではないでしょうか。それが、みなが生きる場=社会を形づくり、次世代にも受け継がれてゆくものでもあります。
しかし、今や激動の時代、創業からわずか10年の間に9割近くの会社が、さらに30年も経つと99%を超える会社が存続できないといわれています。

そんな中、日本には【根源】ともいえる200年から、長いものでは1000年を超える企業も存在しています。長らく続く企業には、それだけの意味があり、そして、そこに継続させていく極意・秘訣が隠されているのだと思います。

そこで、私たちはその極意とはなんなのか?を探っていきたいと思います。

 

■200~1000年続く企業とは、どんな企業なのか?
東京商工リサーチが、保有する企業データベースは約310万社(2018年時点)。「明治創業企業」に絞ると全国で2万1,799社。これは全体の0.7%ほどしかありません。

今回、洗い出したのはその中でも日本のモノづくり系の200年・500年・1000年企業(500年とすると企業数が少なすぎたので、450年としました)。
200年企業は93社、450年企業は13社、そして1000年企業も、5社ありました。それらを年代、業種ごとにゾーニングしてみたのが下図。(クリックして拡大してみてください)

これらを整理しながらまとめる中で見えてきた傾向としては、
・重厚長大型(鉄鋼など)の産業は非常にまれであること。
・人々の生活に密着した衣食住関連の産業が大半であること。
・日本独自の技術(発酵など)を活かしている企業が目立つこと。
などが挙げられます。

また同時に、注目すべき共通項や、追求ポイントが見えてきました。ここに、長らく続く企業の極意を見出せるのではないか!と考えています。

 

■長らく続く企業の真相に迫る!追求ポイントは5つ!
1.婿入り→継承
家(優秀な婿とり)で繋いでいるところが多い。婿を取り、継続・継承していくことが、組織統合を図る上で有効ということか?

2.権力との関係
時の権力(朝廷、幕府、藩、有力寺社)の御用達となり、その保護を受けて発展してきた側面が見られる。関係が近すぎると、共倒れするリスクを抱えることになる中で、権力との関係はどうなっているのか?

3.流通
「流通」とは、いわば、営業=情報戦。どのように情報を集め、それを活用してきたか?

4.技術
そもそも「技術」とはどういうものなのか?それをどのようにして継承させていったのか?

5.組織体制
組織体制でみると技術を基盤とした「拡大」と「事業の多様性」で継続させてきた2つの要素が見られる。これら、着目すべきポイントはどこなのか?

(※写真はこちらよりお借りしました)

“伝統”とは守るものではなく、“革新”。ただし、それは0(ゼロ)からは生まれません。

高度化は必要ながら、自分の家業、技術を信じること。長い歴史の中で培われたものがあり、それを基盤に新しいものも初めて生み出していけるものなのだと思います。

これらの追求ポイントを基に、それぞれを深めていく中で、これからの組織づくりに役に立つものを見出し、今後に生かし、そして未来へとつないでいくための突破口を探っていきたいと思います。

乞うご期待☆

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2022年12月10日

巨大IT企業も競争から共創へ

先の投稿記事に続いて今回も「共創」をテーマにしてみたいと思います。

ITビジネスの世界をイメージするなら「競争」でしょう。ライバルよりも先を行き、相手を叩き伏せないと自社がやられる――そんな業界です。マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツの右腕だったスティーブ・バルマー元CEOはそんな業界のシンボルでした。ライバル企業の業績が好調だと聞けば、デスクを全力で叩き、部下たちに、相手企業の息の根を止めろ!と顔を真っ赤にして怒りを隠さないような人でした。

そんな競争激しいIT業界である変化の兆しが見はじめています。それは「共創」。「他社はライバルである」から「他社も共に創造する仲間」という変化です。

その先陣を切っているのがメタ社。この社名に聞きなれない人もいるかもしれませんが、フェイスブックをやっている会社といえば分かっていただけるでしょうか(※以前はその名の通り「フェイスブック」が社名でしたが2021年に変更しました。商品・サービス名としてのフェイスブックはそのままです)。

メタ社は今年のカンファレンス(企業の事業説明会)でこう言っています。

「メタバースは特定企業が単独で構築できるものではない。本エキスポには産業界、開発者、クリエーター、関係省庁の方々に集結いただいた。メタバースを共に創っていく第一歩としたい」(同社日本法人代表・味澤将宏氏)

この発言にある「メタバース」。この言葉をどこかで聞いたり、見たりしたことはありませんか。メタバースとは、同社のSNSサービス「フェイスブック」とともに、今後ビジネスの主力にしていきたいと考えている商品名です(メタ社の名前の由来はここにあります)。

その中身はというと、ネット上に仮想空間をつくって、人々にそこでさまざまな活動をしてもらおう、というものです。フェイスブックの儲けのほとんどは広告ですから、メタ社はおそらくメタバースでも広告収益を事業の柱に考えているのだと思います。

仮想空間であるメタバースの中で、人々は自分の分身(これを「アバター」といいます)を作成する。また企業やその他の組織(例えば行政とか)も仮想空間でアバターをつくり、そこで活動する。仮想空間では現実空間と同様の活動ができるというものです。VR(バーチャル・リアリティー)の機器を使って、遠く離れた知人や友人と仮想空間でスポーツを楽しんだり、仕事をしたりということが可能になります。言葉で書くと何だかふわふわした感じですが、実際に実現したら社会のあらゆる事象が仮想空間に移され、世界ががらりと一変するのではないかと見られるテクノロジーです。

そんな将来性のあるアイデアや技術をメタ社は独自で事業展開をしないのでしょうか。ファイスブックのサービスは自社だけでやっているのに。

自社だけでできない理由は、世界そのものを取り込んでいこうとすると、いくら巨大企業のメタ社といえども、人材、開発力、時間などが全く足りない、間に合わないためです。と同時に、メタ社一社だけの考えを反映させた世界は、正しい世界とはいえない。世界とは、微小なものから大きなものを含めて、多種多様な生き物・事象で成り立っています。人種だけに限っても、この世界にはさまざまな人たちがいます。それを無視して、例えばある人種だけがいる世界は、正しい世界を反映しているといえるでしょうか。

世界的規模のビジネスを遂行するにはもはや企業一社だけではできない。また、できたとしても、その企業だけの利益追求ならば、人々はそっぽを向くでしょう。なぜなら、現代は、インターネットで世界中の人々がつながって情報をやりとりし、価値を判断し合う社会だからです。多種多様な立場の人々を尊重しないようなものには世界中から否認され、評価されないようになってきています。仮想空間であるメタバースが先進的なものであればあるほど、共創になるというのは自明なことです。

アップルやグーグルに並ぶ先端IT企業のフェイスブック(メタ社)が競争ではなく、共創の方向に歩を進めているというのは、これからの時代潮流を読む大きなヒントになるのではないでしょうか。

この事例をきっかけに共創について考えていただければ、と思います。

 

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2022年12月02日

なぜ共創なのか、本質は何か?

ビジネスの世界で「共創」が重要なキーワードとなっています。多様なステークホルダーと対話しながら、ともに新しい価値を生み出していくこと。既存の枠組みや常識が通用しない時代を反映した考え方です。
私自身も様々なプロジェクトに携わっていますが、企業間連携、アライアンス、コンソーシアムで闘う、事業開発系のプロジェクトが増えています。また、企業の業態改革をともなうプロジェクトにおいても、「社内外共創による変革→新しい価値創造の場づくり+次世代核社員の活力づくり」が大きなテーマです。

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2022年11月26日

事業創造の時代、産業の向かう先はどこか?

前回記事のとおり、これから当ブログでは5つのテーマで追求を深めていきます。

当ブログはいくつかのチームで運営をしておりますが、当チームでは5つのテーマのうち『国の産業政策の動向』『若者の意識潮流』を中心に追求を行います。
それぞれ、会社経営上は非常に重要なテーマとなってきます。

『国の産業政策の動向』では、
産業政策はどこに向かっているのか?どの領域に国費が投資されていくのか?
国内外の企業がこぞって開発を進める新たな領域はどこか?
こういった追求を通じて、これから先数十年を牽引する新たな産業領域・市場の解明を行います

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