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2018年09月13日

限界集落は『希望の集落』である

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限界集落。定義は、過疎化・高齢化が進展していく中で、経済的・社会的な共同生活の維持が難しくなり、社会単位としての存続が危ぶまれている集落。
人口の50%以上が65歳以上の集落。とされています。

限界集落という言葉は、その「限界」という言葉のイメージが先行してしまい、
「未来のない。廃れた集落」というイメージを人々に抱かせてしまいます。

では、「限界集落」には本当に限界がきているのか。
いくつかの事例を紹介しますが、限界集落は集落の住民の志次第で、「限界集落」にも未来へつながる「希望の集落」にもなりえると感じました。

CASE 1 : 新潟県佐渡島虫崎
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佐渡島の北端にある「虫崎」という集落は、総人口なんと17名。
うち過半数が65歳以上という所謂限界集落。
この地域生まれ育った30代の若者が、Uターンで集落に戻ってきました。
若者は言います「集落のみんなが何も行動しなくなったら、本当の意味での限界集落になってしまう」。
そう感じた若者は、仲間を集め、集落の盆踊りに人を集めようと企画します。
作戦はこうです。
まず、佐渡島へ渡るフェリーが出る新潟市に出向き集落の魅力をアピール。
出会った人へ「佐渡の人と友達になろう。次は佐渡で会おう、待ってます」と“友達として”約束。
その受け皿として、盆踊り大会を用意。
加えて、クラウドファウンディングで寄付金を募り、それが告知となっていく。
結果、集まった人数は163名。
その中から何人が「移住しよう」となるかはまだわからないが、確かに虫崎という集落へ愛着を持つ人は増えたはず。

CASE2:島根県津和野
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津和野町にある商人(あきんど)集落。住民59人、高齢化率44%。
この集落の勝ち筋は、「集落全体で実践すること」。
大小さまざまなアイデアを住民同士で出し合い、決めたからには一丸となってその実現を“みんなで”目指す。
その一つが集落産業。この地域では集落全体で「サカキ(榊)」を栽培しており、農家としてUターン・Iターンする若者に、空いた時間の副業としてサカキの作業を進めるそうです。
集落全体で栽培し、販売していく。まさに共同体としての生産活動が根付いているのです。
極めつけは「集落全体による特許取得」
「なめくじ油」という集落に伝わる秘薬で、純正の菜種油になめくじを溶かしたものらしいが、どんなケガでもマムシに噛まれてもたちまち治るという。
それを当時の集落全世帯で特許取得し、大学や製薬会社との共同開発で、新しい集落産業にすることを計画しているそう。
集落を守る⇒これまでのやり方を変えずにコツコツと。となりがちだが、「本当に集落を守る=集団として生き残っていく」ことを考えると、『変わりゆく社会に適応するために新しいことへ挑戦する=集団として変革し続けていくこと』が重要であることがわかります。

CASE3:新潟県十日町市池谷集落
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人口わずか13人だった集落に一人の若い女性が移住したといいます。
内定が決まっていた広告代理店への就職を断り、大学卒業と同時にこの地で農業を始めたそう。
女性はこの集落を始めて訪れたときに「ここは限界集落ではなく、きぼう集落なんだ」と感じたといいます。
「社会は“人”という小さな単位から変わっていく」そんな思いのもとボランティアに励んでいると、
集落の人たちの“夢”=日本中の過疎地を勇気づけたい を聞いて、その活力からここは“限界”ではなく“きぼう”の集落だと印象に残ったそうです。
集落では保育園もないが、代わりにたくさんの大人たちが子どもを見守り、時には叱りながら一緒に子育てをしてくれる
農業も困っていれば互いに助け合いながらみんなで生産していく。
まさに子育て=生殖と、仕事=生産を集団として一体で行っている共同体。
農園は法人化もして、農村を子育てするお母さんたちの精神的なよりどころにして、子どもの味覚と感性を育める場にしたいとも考えているそうで、現代にあった生産のカタチを実践しています。

3つの事例を紹介しましたが、共通するのはUターンやIターンで移住した若者が起爆材となり、
生殖と生産が一体の“共同体”を形成しているということ。
そして集落のみんなが生き残るために“変革”を、恐れずに実践していることm051.gif

人々の意識は年々本源的な部分へ収束しており、「地方移住」が流行ってはいます。
しかし自分発の「のんびり田舎で過ごしたい」なんて思いの人はたいがい失敗に終わっているでしょう。
大切なのは移住するにしろ、移住者を呼び込みにしろ、「集団としてなんとしても生き残っていく覚悟」があるかどうか。
集団としての志・覚悟が、圧力となり、変革を生み、強い集団をつくっていくのでしょうm034.gif

それだけの想いがあれば、実は限界集落はどの集落でも『希望の集落』へとなる可能性を秘めていますm034.gif

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2018年09月05日

「地域の誇り」とされるブランドづくり ~宮崎本店①~社員持株会の効果

三重県四日市市にある宮崎本店は、1846年創業で、現在も創業時と同じ場所で経営を続けている酒造メーカーです。地元では清酒「宮の雪」が、東京下町の居酒屋では焼酎(甲類)「キンミヤ」が有名です。「宮の雪」はG7伊勢志摩サミットで各国首脳に振舞われたお酒でもあります。

今日は宮崎本店宮崎由至氏が、1987年に六代目の代表取締役社長に就任(2017年11月に退任→会長へ)してから次々展開してきた取組みにスポットをあてたいと思います。今回も「地的経営のすすめ」(佐竹隆幸著:神戸新聞総合出版センター)から要約しながら紹介していきます。

清酒の消費利用は1970年代をピークに、1975年には167万リットルあったのが、宮崎氏の社長就任当時の1989年は134万リットル、そして2009年には61万リットルにまで落ち込んでいます。一方、焼酎は甲類(連続式蒸留)についてみると1975年に12万リットルだったものが、第一次焼酎ブーム(お湯割り)にのって拡大し、1985年には36万リットル、さらに第二次焼酎ブーム(酎ハイ)に引き継がれ、2009年には46万リットルとなり、乙類(単式蒸留)と合わせると96万リットルにまで拡大している。
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宮崎氏は、少子化、日本酒離れ、そして焼酎ブームといった市場の変化を目の当たりにし、それに流されないように地域に根ざした企業経営を目指します。実際、蔵元としての存在は、鈴鹿山系の伏流水からの超軟水と、日本酒の原料となる山田錦の生産地に恵まれたことで確立しており、ブレずにその存在基盤をしっかり固めようとしたのです。

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2018年08月30日

コメを食べない日本人~活力再生のカギは何か?~

先日の記事で、『農業・林業・漁業』を志す若者が増えているという事実とその要因の考察を紹介しました。
今回は、もう一つの事実として、日本人が『お米』を食べなくなっているという事実について。

高度済成長期(私権の獲得という目的だとしても、日本に活力がまだあった時代)、日本人一人あたりのコメの消費量は、118.3kgだっと言われています。
その後豊かさの実現以降、食の多様化に反比例し、コメの消費量は下がっていきます。
2016年度には、高度経済成長期の半数以下となる54.4kgまで減りました。

そうです。実は『本当に必要な仕事』として、コメの生産を含む『農業』に注目が集まる中で、それを消費する側のコメ離れ止まらないのです。
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このコメ離れは根強く『パン食』が一つの原因だとも言われています。
パン食の始まりは、実は『学校給食』
戦後、アメリカの余剰小麦を受け入れるための支援のために、パン食を前提とした学校給食が始まりました。
「コメと野菜では身体が強くならない」と思い込まされていたのです。
結果、コメ農家が減少し、減少した分の農業人口を他の工業生産等に回すという政策も成功してしまいます。
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学校給食だけでなく『バラバラ食』というのも原因の一つ。
一人で食べる。
というのが子ども~大人まで普通になっています。
実は『食事の時間』は、集団を形成する上で重要な時間。
食事という生きる上でかかせない時間を、家族や会社の仲間と過ごすことで充足を基盤にした集団性が育まれていくのではないでしょうか。
原始時代から人類は、食事というものを一人でとることはなかったように思えます。

コメ離れというのは一面の減少でしかなく、実は問題なのは日本人の『活力が低下している』ということ。

現代は、活力をもって働いている人の割合が、2%しかないと言われている。
活力については、豊かさの実現以降、近代思想・私権観念が用済みになり、無思想・無関心が蔓延していることが要因の一つ。
つまり、今はみんなが新しい活力源を求めてる状態m051.gif

本源充足の時代である現代の新しい活力源は『人々の期待に応えること』・『応えるにはどうする?を追求し続けること』
そのためにも、常に対象発である必要があり、仲間の存在が不可欠。=集団が不可欠。
その集団を形成するのにも、充足が基盤になるはず。

もしこの記事を読んでいる社会人や学生または保護者で、自分の会社や組織が『バラバラ食』が基本という方は、
充足基盤の形成という視点で、集団としての食事の時間を見直してはどうだろうか。
親和充足が、追求関係を構築し、活力ある集団へと変化する一歩となるはずです。
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それに比例して、コメの消費量も伸びてくるはず。。。

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2018年08月23日

若者が注目を集める農業・林業・漁業の可能性

AI技術の発達や、IT企業の躍進等、一見若者は所謂IT業界に可能性を見ているように取られがちですが、
実は昨今、農業や林業そして漁業にも注目をする学生が増えています

まずは農業m051.gif
ここ数年20~30代の若者が増えているといいます。
』というものは、人類が生き残る上でなくてはならないもの。
あるデータによると、ここ数年は毎年49歳以下の新規就農者数が2万人を超えているといいますicon_eek.gif
若者は新しいビジネスという視点で就農する者もいますが、契機はやはり東日本大震災。
震災以降、改めて食の安全・安心、そして『お上に頼らず、自らの力で生きていく』という自給思考の高まりが顕著になり、新規就農者数が増えているのだと思います。
就農した若者は、サラリーマンからの転職者が多いと言われており、これまでの「仕事=辛いもの・生きていくためにしょうがなくやるもの」という古い概念から、「働く=傍を楽にする」(農業はもちろん一人ではできないもので、多くの仲間を必要としますから、そこに生きかたを見出す人が多い)という新しい可能性へ向かっています。

そんな潮流もあり、従来の3K=キツイ・汚い・危険 から、新3K=稼ぐ・効率化・簡略化という言葉も誕生しました。
食べてくれる人を考え、自ら関係性を築いて新しい販売のルートも築く。
そんな農家がこれから増えてくるでしょう。
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次に林業m051.gif
実は林業も近年若者の新規就業者数が増えている業界の一つです。
林業も農業に負けず劣らず、「キツイ・危険」のイメージが先行し、「若者に人気がない」というレッテルを貼られがちですが、これももう古い話。
実は、林業における35歳未満の就業者割合は、1995年に9.9%だったものが今では15%を超えるまでに上昇しているそうです。
林業大学校と呼ばれる学校も、2011年には全国で6校しかなかったものが、今では14校にまで増えています。
ロボット技術の発達等により、安全性や効率が向上しているということや、バイオマスの技術革新が進んでいるという要因もあるでしょう。
一方で、木造建築物が年々増え、日本人の奥底にある『』への可能性収束が顕在化してきている面もあるのではないでしょうか。
コンクリートジャングルとまで言われる都市に住み、健康を崩す人も多い中で、日本人が古来より建材として使い、力を借りてきた『木』というものへと、収束していくのは自然なことなのかもしれません。

生き方という点では、林業も農家同様に仲間があってこそ。そんな生き方を求めて林業の世界へと踏み出す人もいるでしょう。
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そして、漁業m051.gif
漁業も、年々5~6%の割合で15~24歳の就業者数が増えているそうです。
研修施設の増加や、スマホによる情報の広まり、そして漁獲から加工・販売までを行う所謂6次産業という新しい生産のカタチの登場等様々要因はありそうです。
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漁業もまた、新3Kとして『かっこよくて・稼げて・革新的な』というフレーズを打ち出しています。

若者に響くのは特に3つ目の『革新的な』の部分でしょう。

どんな業種でも生き残り競争が激化する中、求められるのは『変革m051.gif
変革とはただ目新しいものをつくるのではなく、変わりゆく社会に常に適応し続けていくことではないでしょうか。
そしてそれをお上に任せるのではなく、自らの手で実践していくこと。
それこそが、これからの社会を生き残っていく可能性で、若者はすでに『脱常識⇒変革』へと、意識が向かっています。

そうすると、従来の“農業・林業・漁業は稼げない=生き残れない”という古い常識から、
農業・林業・漁業という人が生きていく上でかかせない『食』と『住』に直結する仕事=“人々が本当に求めているもの”で、稼いでいく=“人に求められる・人の役に立つという”方向へと自然と向かっているのでしょう。

いずれも『仲間とともに、自然を相手にする仕事』。つまり人智を超越した存在である自然へ同化する仕事。
自ずと、就業者たちの『追求力』も上がっていくでしょう。

農業・林業・漁業に従事すると、追求力が上がる」という事実が世間一般となれば、追求力の上がらない学校よりも、
農村や漁村で子どもを育てようという親も増えるはず。
学校がなくなり、農村や漁村に子供たちが集まる日はそう遠くないかもしれません。

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2018年08月23日

「待ち」から「攻め」へ 近畿タクシー② ~現在のまちづくりは市場社会の中で組織と組織がつながっていく

前回紹介しました近畿タクシー。そのユニークな取組みに至る経緯について、今回も「地的経営のすすめ」(佐竹隆幸著:神戸新聞総合出版センター)から一部要約して紹介します。

今回は1995年阪神淡路大震災後の長田区腹腔まちづくりについて。神戸市長田区にお住まいだった森崎社長は、「長田復興」を目的に「アスタきらめき会」に参加。ここで、復興住宅と商店街を結ぶ無料バス「買いもん楽ちんバス」や、修学旅行生を呼び込み店主自ら語り部となる企画を立ち上げたり、地元の味を活かして「ぼっかけカレー」を土産物として考案。さらに最終的には復興のシンボル「鉄人28号のモニュメント」(作者の横山光輝が地元出身。高さ18mで若松広場に設置)を作るまでになったのです。

一方、会社の方はというと、そもそも客を待つ事業で、いくらロンドンタクシーを始めはしたがアイデアを活かす業種業態ではない。

「まちづくりでは人は動きます。ところが会社では動かない。フィールドの違い、モチベーションの違いといってしまえばそれまでですが、しかし何とかしたい。この落差を埋めたい。そこで始めたのがタクシー進化論会議です」

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2018年08月15日

『学び合い』が成長のスピードを上げる!

「どうすれば成長のスピードを上げられるのか。」
子どもを持つ親や、企業経営者等の人みなが持つ悩みでしょう。
塾に行かせているのになかなか力がつかない。私立の学校に行かせているのに力がつかない。
多大な時間をかけて研修を行っているのに、力がつかない等々。

では、その塾や学校ではどんな授業をしていますか?
どんな研修をしていますか?

多くの塾や学校・企業では、所謂『講義型』と呼ばれる形式で授業や研修をしています。

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講義型の授業が日本で導入されたのは、明治時代。
富国強兵のため、屈強な兵士(命令に従順な兵士)を育成するために西洋の軍教育を真似て取り入れられたものです。
講義型の授業は、少数の教師が一度に大量の生徒を扱うことができるし、生徒に考えさせないので、そういう命令に従順な人間を育成するに大変便利と言えるでしょう。

しかし、現代において必要な力(=生きる上で必要な力)は『未明課題に対し、自ら答え(仮説)を出す力・仲間と成果を出す力・答えを出すスピード力』。
そのいずれも、講義型の授業では育成することができません。
言い方を変えると、日本においては講義型の授業が導入されてから、そういった生きる上で本来必要な力を育成することができなくなったとえます。

そんな中近年注目を集めているのが、『学び合い』。
すでに当ブログでも紹介しましたので学び合いそのものについてはこちら→( http://bbs.kyoudoutai.net/blog/2018/07/6003.html )をご覧ください。

今回は、私の所属する会社での実践事例を紹介します。
結果として社会人の育成にも『学び合い』が有効だということがわかりました。

私の会社は建築関係なのですが、生き残り競争が激化していく中で、新入社員の育成というのは喫緊の課題でした。
加えて、2~3年目の若手社員の能力上昇も同様に課題としてありました。
講義型の研修をしても意味のないことはわかっていましたので、そこで取り入れたのが『学び合い』です。
新入社員と2~3年目の社員、それぞれやったことのある課題もあれば初めてやる課題もあり、一つの現実課題を前にしたときにどう突破するのかを、
若手同士で学び合い・追求し合い、成果を出していく
企業で行う学び合いは必然的に現実課題が対象になるため、かなりの期限圧力と期待圧力の中で、追求することになります。
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実はこれは、「よし、学び合いでこの課題を突破しよう!」と言って行ったことではなく、自然発生的にそういう状況になっておりました。
講義型の研修に意味がないことを知っていたため、高い圧力の中で成果を出すにはどうする?⇒『学び合い』へと自然にみんなが可能性収束したカタチです。
結果として成果品をつくれたことはもちろんですが、何よりも『学び合い』により、若手社員の活力と『力をつけたい!』という“欠乏”が生起したことが大きく、
その後の関係力や技術面での上昇がみられるようになりました。

現在は、この『学び合い』のスタイルで仕事の課題や、資格試験の課題等、あらゆる課題を突破しています。
おそらく『学び合い』による短時間(15分)の追求は、講義型の研修の数時間分に相当する効果があるでしょう。

学校教育における突破口として期待されている『学び合い』は、
企業での社員の人材育成にも非常に有効に働くはずです。

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2018年08月13日

「待ち」から「攻め」へ 近畿タクシー① ~地域資源をつなぎ、地域のブランド力を高める~

神戸には2006年からユニークな観光サービスを始めたタクシー会社があります。
有名ケーキ店を巡る「神戸スイーツタクシー」では、三宮エリアにある有名ケーキ店6店を選び、好きな所へ行ってケーキを味わえる。プラン限定メニューのある「ボックサン三宮」なら3個500円で顧客の名前入りの菓子のプレートを付けて歓迎してくれる。さらにビーナスブリッジや潮騒公園といった名所も巡れる。タクシー代は2時間1台7000円(3名、飲食代別 2018年8月現在)。
同様のアイデアを横展開した「神戸ビーフタクシー」「jazzタクシー」などでヒットを飛ばしているのが、森崎清登社長率いる近畿タクシー㈱です。今回は「地的経営のすすめ」(佐竹隆幸著:神戸新聞総合出版センター)から一部要約して紹介します。

このユニークなタクシー会社誕生には二つの前史があります。
一つはタクシー事業を「流し営業」から「予約営業」に替えたこと。
二つめは1995年の阪神淡路大震災後、森崎氏が被災地の長田区復興まちづくりでの経験。

まず一つ目「予約営業」への転換を見ていきましょう。 森崎氏は、早稲田大学卒業後、地元神戸の酒造メーカーに勤務後、1986年に奥さんの父親が経営する近畿タクシーに跡取りとして入社。 しかし仕事が合わず陰鬱な日々が続いたのです。

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2018年08月11日

社員がグングン成長するチームは「メダカの学校」である

以前、学び合いの本質は人材育成にあるリンクことに触れました。今回は、実際に学び合いを実践することで、社員の活力とともに成長が著しく上昇している企業を一つ紹介しますm044.gif
以下、指示0経営より引用
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社員教育がいつも「上司が部下を指導する」というスタイルで固まっていたらすごく勿体ないことだと思います。なぜなら一方的に教えられたことは身に付かないからです。
実は、一番学習効果が高いのは「人に教えた時」です。「上司→部下」の教育で一番賢くなるのは上司なのです。
理想は「メダカの学校」です。 どういうこと? 最後にお伝えしますね!

◎人は個別指導よりも仲間同士の学び合いで育つ
「教育」という字には3つの解釈があります。 1つは「教え育む」です。私たちはずっとこのスタイルで学んできました。
先生が子どもを教え育む。
上司が部下を教え育む。

もう1つの解釈は「教わり育つ」です。
子どもが先生に教わり育つ。
部下が上司に教わり育つ。
主体が部下になります。

3つ目の解釈は、教える側も教わる側も「子ども」「部下」のスタイルです。
部下が仲間を教え育み、教わり育つという関係です。

これが一番、効果が高い。
人は受け身の時はあまり学びません。

アメリカ国立訓練研究所の研究によると人は講義を聞いたことの5%、読書の10%、見たり聞いたりしたことの20%、実演を見た場合でも30%しか学習しないそうです。一方的なインプットは効果がないということ。

その一方で、グループ討議をした場合は50%、自ら体験した場合は75%、そして人に教えた時は90%を学ぶそうです。
全然効果が違うでしょ?
やっぱり人に教えた時が一番効果が高いのです

だから、部下は教わる側ではなく「教える側」にいたほうが良いのです。

あ、これには例外があり、部下の中で1人もその知識を持っていない場合、まずは「教え育む」が必要になります。
しかし、これは珍しいことで、だいたいのことは誰かがすでに知っている事が多いです。

さて、ここで「メダカの学校」の話になります。

◎もう画一的な教育はやめてしまおう
以前に社内研修でお邪魔した企業さんが『学び合い』を日常的にやっていました。
茨城県水戸市の株式会社エイチ・エス・ケイさんです。
同社はいわゆる1,000円カットのお店を北関東に約80店舗展開しています。大きな会社です。

お邪魔した時、研修前に社長さんを紹介していただきました。市毛慶一さんと言います。

僕が同社と出会ったキッカケは中平忠孝さんという幹部社員さんが指示ゼロ経営セミナーに参加されたことでした。さて、ここで僕の大いなる勘違いが始まります。
その後、何度もセミナーに参加してくださったのですが、僕はずっと中平さんが社長だと思っていたのです。だって経営者と同じ視点を持っているんだもん。経営者じゃなきゃ分からない悩みを持っているんだもん。これが指示ゼロ経営の特徴の1つです。

さて同社での社内研修で驚いたことがあります。それは研修が強制ではなく「出たい人が出る」というスタイルだったのです。
年間、様々な研修が行われるのですが、出るか出ないかの判断は本人に委ねているのです。

だから僕の時も本当に主体性を持った方ばかりでした。
すごくやりやすかった。

これはとても素晴らしいことだと思いました。弊社も似たようなスタイルです。違うところは社内研修はほとんどやっていないことです。社員が自分で選んだ外部研修に行っているのです。

このスタイルで学ぶとチームは加速度的に賢くなっていきます。

『学び合い』が起きるからです。

研修から帰ってきた社員が仲間にそれを伝えますので、聞いた人も教えた人も学びになります。

このことから思うことがあります。
1、研修は社長、上司が決めず社員が自分の課題に合ったものをセレクトするのが良い。
2、強制にせずに受けたい人が受ける。
3、学んだ後は『学び合い』を行う。

そんな学び方がチームを賢くします。
さて、どうして「メダカの学校」なのでしょうか?

実は、株式会社エイチ・エス・ケイのクレドにメダカの学校の歌詞が載っているのです。

m030.gifめだかの学校は 川のなかそっとのぞいて みてごらんそっとのぞいて みてごらんみんなで おゆうぎ しているよ めだかの学校の めだかたちだれが生徒か 先生かだれが生徒か 先生かみんなで げんきに あそんでるm030.gif

同社の学び合いの理由が分かったでしょ?

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

引用終了——————————————————————————————————————

学び合いは、決して子供の専売特許ではありませんicon_rolleyes.gif会社という大人の世界においても、十分、力を発揮することがわかりました。そもそも、子供だからとか大人だからとかいう枠そのものが不要なのかもしれません。

集団の維持と未来をつくっていこうと考えている企業ほど、人材育成は最重要かつ最優先課題として捉えています。

学び合いが、人材育成の本質が学び合いなのだとしたら、株式会社エイチ・エス・ケイの成功例に学んで、学び合いを取り入れる企業も増えていきそうです。

目先の自集団だけの利益に踊らされることなく、学び合いにより成員の追求力と活力が漲る企業が増えていく。
人類本来の共同性に溢れた社会の実現は近いと感じますm208.gif

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2018年08月09日

勝ち筋はスピード力!短時間で答えを出す企業のポイント

AI技術が発展し、様々な業種がロボットに取って替られるようになると言われており、ますます企業の生き残り競争が激しくなってきました。
そんな時代に求められる力は多々あるかと思いますが、そのうちの一つが『スピード力』ではないでしょうか。
『スピード力』というと、作業スピードやPC操作のスピード等思い浮かべる人も多いかもしれませんが、
そんな作業こそ将来ロボットに取っ手替られる仕事で、これからの社会に求められるスピードは、

『企業が組織として、答えを出すスピード』

AI技術により、様々なデータの収集や解析はロボットが行えるでしょうが、その結果から生き残りをかけて企業としてどう動くのかは、
やはり潜在思念と過去・未来を読んで人の頭で行うほかありません。
(そういった側面では、ロボットよりも人間の脳の方が遥かに優れているといえるでしょう。)
そこで着目したいのが、『ミーティング時間』
あなたの会社では、ひとつのミーティングにどれだけの時間を使っていますか?

ミーティングの種類にもよよるかと思いますが、「1時間前後」という方が多いのではないでしょうか。
1時間というのは、かなり長い時間で、場合によっては多くの時間を無駄にしていることもあります。
実は、一つのミーティング(一つのテーマでの議論)に適した時間は、『15分』で十分なのですm051.gifm051.gif

私が勤めている会社も以前は、1時間以上のミーティングは当たり前でした。
一つの議案にかける時間を決めていないし、事前に資料も共有していない、参加者のうちミーティング時間内で一言も発信しない人もいる。
そんな、ミーティングにぶら下がった状態では、短時間で答えを出すなんて不可能です。

それが『1テーマ15分』という規範を徹底しただけで、一つ一つのミーティングの密度が猛烈に上昇し、アイデアの数や課題解決のスピードも上昇しました。
生き残りをかけた外圧を元に、答えの出せるメンバーで、15分で答えを出すm051.gif
これは人類の歴史を見ても非常に理にかなっている方法でしょう。

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時代をかなり遡りますが、洞窟暮らしをしていた石器時代や縄文時代等に、厳しい外圧(飢餓等)に対する答えを出さないといけないときに、1時間以上もかかる議論を長々とやっていたでしょうか。
現代よりも生存圧力が厳しい時代ですから、きっと『短時間で答えを出す』ことが基盤としてあったでしょう。
それが、観念=言葉が発達し、本能や共認域と繋がらずに観念のみで物事を考えるようになってから、答えの出せない長時間のミーティングが生まれたのではないでしょうか。

<15分ミーティングの参考>
全ての人がアウトプット!15分のミーティングの効用( http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=337234 )
たった「15分」のミーティングが会社を変える ( https://www.njg.co.jp/post-26242/ )

★ここまで、敢えて「会議」ではなく「ミーティング」という言葉を使ってきたのは、そもそも「ミーティング」というものが、「何かを決めるために集まって話合うこと」と言われているから。そう「決める=答えを出す」ということが圧倒的に重要なのです。

決めるための場なのか、ただ共有するための場なのか。
決めるための場だとしても、『1テーマ15分と絞ること』=『15分で答えを出す』という“時間圧力”が、参加者の集中力を引き出し、照準力を磨き、アイデアを引き出します。

話を最初に戻しますが、どの業界も生き残り競争が激化している時代で、生き残るためには『組織としてのスピード力』つまり、『短時間で答えを出す力』が必要。
そんな力を養う一つの方法が、『15分ミーティング』の実践。
本気で生き残っていきたい企業は、今すぐにでも取り入れてはどうでしょうかm052.gif

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2018年08月07日

モノ作りよりヒト作り ~京都府宇治市のヒルトップ~

鉄工所なのに、「量産ものはやらない」「ルーティン作業はやらない」「職人はつくらない」!なのに、ここ10年、売上、社員数、取引社数、すべて右肩上がり。これは京都府宇治市にある、機械加工事業、表面処理事業、装置開発事業等を行う「HILLTOP株式会社」。
その中で注目されているのは、山本昌作代表取締役副社長の生産性追求と監視・管理型の指導を徹底排除した「人材育成」。
「ものづくりの前に人づくり」「利益より人の成長を追いかける」を実践。その一環として本社ビル建設事業がありました。山本副社長の言葉を紹介したサイトを一部引用して、現代に躍進する企業の特徴を見ていきましょう。ヒルトップ

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