こんにちは。今回も「共同体経営とは何か?」を引き続き追求していきたいと思います 🙂
前回のテーマ「経営者でありながら労働者である仕組み=自主管理体制」の中で、共同体企業とは三位一体(経営者、労働者、株主)の組織であり、そこで決定される方針は多数決でなく「全員の合意形成=合議体制」で行われるというお話をさせて頂きました。
■合議制とは?
会社で何か方針を決定するような時、多数決では誰かスッキリしない人がいるし、上が決定した事だからやるというようなトップダウン式だと理由も分からず、やる気もでない。かといって、みんなで一斉に話し合えば意見がなかなかまとまらない。こうした会議ってみなさん経験あるんじゃないでしょうか。そんな人ほど、全員が納得し、当事者意識を持って行われる合議体制って、本当にできるの? 🙄 と疑問に思ってしまいますよね。まずはその仕組みを見ていきましょう 😛
合議体制の構築
(前略)
貧困が消滅すると、私権の確保は第一義的な価値ではなくなり、人々はその為に必死に働こうとはしなくなる。つまり、私権によって企業や社会を統合することが、困難になってゆく。
意識生産では、機械ではなく、働く者の労働力(類的価値を生み出す意識力)が唯一の生産力である。つまり、人間の能力それ自身が生産の主人公となる。そこでは、集団(ひいては社会)を資本力の様な私有権力で統合するよりも、働く仲間たちの共認(役割や規範や方針を認め合うこと)によって統合する方が上手くゆく。つまり、脱貧困の時代には、権力統合体より共認統合体の方が適している。
(中略)
共同体・類は、この様な時代認識に基づいて創られた。従って、創立当初から、経理を含む全情報を全社員に公開する情報公開システムを作り上げ、誰もが状況を把握できるようにして、その上で、全員が取締役となって経営に参画する合議体制を構築し、皆で組織や事業の方向を決定してきた。
(後略)
このように、類グループは時代潮流を見据え、全員が三位一体(経営者、労働者、株主)の当事者となって会社を動かしていく仕組みを作り上げてきました。
合議体制のカギは事実の共認にある
一方、この合議体制の仕組みを動かしていくカギとなるのが事実の共認です。
私たちは、現実そのものを対象とする長年の生きた会議経験の中から、合議体制(ひいては真の民主主義)を実現するカギは、論理が整合する事実の共認にあることを、体得してきた。
例え仮説であっても、皆の知っている限りの知識に照らし合わせて論理が整合していれば、それを事実として認める。
もちろん、これまで認めてきた「事実」に反する現象が出てくれば、直ちにその現象事実を組み込んで論理=構造認識を組み替える。この様にして、事実の認識体系は無限に進化してゆくことになる。
逆に、自分にとって都合がいいというだけで、事実に基づく根拠が何もない「主義」や「主張」など、共同体では一切通用しない。もちろん、誤魔化しや言い訳など、通用する訳もない。この徹底した現実直視⇒事実追求の姿勢こそ、常に確かな時代認識を育み、共同体を実現させてきた真の力の源である。
このように、類グループは事実を共有することで、全員が納得し、当事者意識を持って行われる合議体制を構築してきました。しかし、この合議体制の実現に辿り着くまでにはたくさんの壁があったのです。中でも、合議体制実現への組織基盤作りと全社員が当事者意識をもって参加する合議型会議“劇場会議”の構築には失敗を乗り越えてきた歴史が詰まっていそう。今回はこの2点に焦点を当て、類創設時からメンバーにインタビューしてみました 😉