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2022年03月31日

人類はどこから生まれたのだろう? ~ 類人猿の拡散および原人の多地域発生から考える。

「私たち現生人類はどこから生まれたのだろう?」
これは、誰もが興味関心をいだくテーマです。今回の記事はこのテーマを探求します。


   ※画像はコチラからお借りしました。

現在の学説では、ヒト(人類)の進化の大きな流れは、「猿人」(アウストラロピテクス)→「原人」(ホモ・エレクトゥス)→「旧人」(ホモ・ハイデルベルゲンシス/ホモ・ネアンデルターレンシス)→「新人」(ホモ・サピエンス)。
ただそれらのほとんどは絶滅しており、「現生人類」(ホモ・サピエンス・サピエンス)とのつながりはまったく未明です。

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2022年03月31日

【実現塾】1/22「人類の祖先は?」~チンパンジー起源説を支えるDNA99%一致説とは?~

【実現塾】1/22「人類の祖先は?」~オランウータン、ゴリラ、チンパンジーの外圧適応~
【実現塾】1/22「人類の祖先は?」~オランウータンはどのようにして飢餓を乗り越えているか~
【実現塾】1/22「人類の祖先は?」~人類の祖先はゴリラ?チンパンジー?オランウータン?~

では、【人類の祖先はオランウータンなのでは?】という結論にたどり着きました。
今回は、現在有力な説であるチンパンジー説についての追求を報告します。

◇チンパンジーの知能は人間に一番近い??
まず、一般的には「チンパンジーは頭が良く、人間に一番近い」と言われています。

その【頭が良い】の出どころは【道具を使える】という事の様ですが、道具を使うのはチンパンジーだけではありません。
例えばカニクイザルもカニを食べるときに石を使ってカニを割ります。またカラスも石を水面を上昇させて餌を取る。
何よりも、オランウータンも様々な道具を使いこなします。
オランウータンの場合は、単に道具を使うだけではなく、葉を傘にする、ベッドを作る、スマホを使う、タオルで顔を拭く、交尾をする前にデートをする。困っている人を助けるなど人間の真似をした行動も見られます。
すなわち、知能レベルで言うとチンパンジーとオランウータンは同等以上。
それどころか真似が得意な事を考えると、オランウータンの方が知能レベルが高い可能性もあります。
なので、チンパンジーは知能が高いから=人間に一番近い、という説は根拠にはなりません。

そこで出てくるのがDNA99%一致説です。

◇チンパンジーと人間のDNAは99%一致している??
人類の祖先がチンパンジーである、と言われる一番の根拠は、

人間とチンパンジーとのDNAが99%一致している

という点ですがそもそも【99%一致している】というのはどういう事なのでしょうか。

まずDNAは「私たちの身体をつくる設計図」と言われていますが、この間の研究で遺伝はDNAだけが担っているわけではない事が分かっています。
例えば骨格の大きさや形などの情報については、どこが担っているかさえ全くの未解明の状態です。
かつ、脳や体を動かしているアミノ酸やたんぱく質を作っているのは、実は【RNA】と呼ばれる物質でDNAではありません。従って本来はRNAを調べるべきであって、DNAを調べるだけでは不十分。

さらに驚きなのは、そのDNAもアミノ酸やタンパク質の製造に関わっているたった2%のDNA(遺伝子と呼ばれる部分)だけを比較しているという事実。
残り98%のDNAは、何の働きもしていないジャンクDNA=がらくたと見なして検討から省いてしまっています。
さらに、その2%のうち全く異なっている部分(半分くらいある)は省略し、似ている部分だけを取り上げて、99%一致している、と主張しているのです。

これがチンパンジー99%一致説の実情です。
実際に、チンパンジーと人体を構成するタンパク質は8割が構造が違っているという報告もある様ですが、ある意味当然の結果ではないでしょうか。

◇なぜそこまでしてチンパンジー説を推すのか?
ここまで追求してくると、「なぜチンパンジー説を推すのか」という単純な疑問がムクムクと湧いてきました。

実は、1960年代まではラマピテクスの化石が人類に類似していることから、オランウータン説が有力だったのです。
しかし1970年代に「DNA」を根拠とするチンパンジー説が登場した事で、世の中はチンパンジー説に一気に傾いていきます。

「DNA」の発見は15950年代ですが、その学問である「分子生物学」は、その後学会の中心勢力となっていきます。
仮説ではありますが、その中心勢力が【DNA分析は絶対】という結論を推進したのではないでしょうか。
ご存じの通り、このDNA信仰の戦略は見事に成功し、現代の医療や農業(品種改良・F1種)等に拡がっていくことになります。

◇数字には気をつけろ!
結論は以上ですが、最後に、チンパンジー99%一致説からの学びは、

数字には気をつけろ!

という事。本来、数字は現実を掴みやすくする為の道具ですが、使い方次第では現実が見えなくなるか、全く逆の現実に見え方が変わってしまい、騙されてしまうことも。特にパーセンテージは怪しく、仮に100%という数値があれば、どこを100にした?分母はなに?など全体を掴んだうえで何%なのかを考える必要があるのでしょう。

最後に参加者の感想を紹介します。

小4 ♂
・進化とは自然の偶然ではなく必然なんだと思う。

小5 ♀
・DNAなど数字だけが全てではないことも改めて分かった。この内容を通じて普段の生活も良くしていけると思った。

小6 ♀
・自分の祖先は、オランウータンなのかチンパンジーかを解明出来なかったのが悔しいです。これからも、たくさんなんでを出していきたいです。

中1 ♀
・DNAだけでなく、他にもすぐに信用されているものもありますが、すぐいろんなものを信用しているという点で何等かの共通する意識でもあるのかなと思いました。

中2 ♀
・DNAを自分も信じてたし、信じてる人がたくさんいると思うけど、数字を簡単に信じたらだめなのかなと思った。資料がないからこそみんなの本音が聞けた気がして、いつもより楽しかった!疑問とかも沢山あるので次回までにもっと考えを深めたいと思った!

高2 ♀
・最初の東南アジアとアフリカの熱帯雨林の違いからびっくりした。トラとジャガーの違いさえもわからなかったのに、生物のテストでほんの一部のことに一生懸命時間を使っていることに少し、考えさせられた。

高2 ♀
・途中、見た目だけの追求していて追求が進まないことがあった。そうやって目の前のことが全てだと思っていることって多いけど、その奥に隠されているものまで見ていかないと騙されて終わってしまうと感じた。

大人 ♀
・初参加でしたが、会議の楽しみ方・学び方にだんだん馴染んでいく自分を感じました。最初のあたりは「どうやって覚えようか」「どう理解しようか」という今までの癖の延長で考えそうでしたが、そんなスタイルでなくても良いと気づきました。

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2022年03月25日

【駆動物質とは何か?】哺乳類の「探索回路」と原猿の「手探り回路」は何が違うのか?(2)~原猿の「手探り回路」

前回は、哺乳類の探索回路を追求しました(リンク)。欠乏(捕食、危機逃避等)も答え(行動方針)も明確なである哺乳類の探索回路は、ノルアドレナリンを駆動物質として作動するものでした。今回は、欠乏も答えも未明という中で、原猿が作り出した「手探り回路」について、駆動物質と脳回路の視点から追求します。

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2022年03月23日

【実現塾】1/22「人類の祖先は?」~人類の祖先はゴリラ?チンパンジー?オランウータン?~

【実現塾】1/22「人類の祖先は?」~オランウータン、ゴリラ、チンパンジーの外圧適応~
【実現塾】1/22「人類の祖先は?」~オランウータンはどのようにして飢餓を乗り越えているか~

では、人類の祖先候補である、オランウータン、ゴリラ、チンパンジーがどのように外圧適応をしたのか、中でも食料状況が厳しいオランウータンは子育て期間中、どのようにして飢餓を乗り越えたのかについての追求を報告しました。

今回は、いよいよ【人類の祖先は?】についての追求です。

◇人類の祖先は、チンパンジーか、ゴリラか、オランウータンか?
まず、みんなで共有したのは

人類の祖先は「足の指が先祖返りして木から落ちたサル」

であろう、という事。
類人猿が草原に進出する為に樹から”降りた”という説が根強いですが、
「より良い縄張りを」という欠乏の強い類人猿が、外敵もいて餌も少ない地上に”あえて”進出する理由は見当たりません。
また、人類が「観念機能」を獲得した=進化した、ということは、地上の降りたのではなく、安全な樹上に行けなくなり、逆境に追い込まれてしまった。
と考える方が自然です。

①始原人類の身体の大きさは?
さて、そのような状況で類人猿から人類に進化していくわけですが、まず、樹から落ちたサルは、餌が無い状態=飢餓状態に適応するため、身体を小さくしていく必要があったと思われます。
猿人の化石で知られるラエトリ遺跡から猿人の大きさは、チンパンジーと同等と言われていますので、
【大きさ】という視点では、オランウータン、ゴリラが有力候補となります。

②人類の祖先はナックルウォークをしていたのか?
次の照準はナックルウォーク】です。
ゴリラとチンパンジーは地上生活が長く、現在もナックルウォークで移動をしています。
一方、オランウータンは地上でもナックルウォークをしていません。

では、人類祖先はどうだったのでしょうか?

胎児の発生過程は進化過程を再現している、というのは有名ですが、
研究の結果、人類の祖先は「ナックルウォークをしていなかった」事が分かっています。
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2018-02-01-1

③人類との類似点はどれくらいある?
続いては、人類との類似点の数ですが、オランウータンが28カ所(歯の形、白目がある、血液型など)、ゴリラが7カ所チンパンジーが2カ所。チンパンジーは意外と類似点が少ないですね。

④樹上機能を失った事で最も外圧が高くなる=進化可能性が高いのは?
ゴリラ、チンパンジーは地上に降りて来ますが、地上にトラが君臨する地域に生息するオランウータンは樹上中心の生活。
そのため樹上機能を失った時、一番生存外圧が高くなるのはオランウータンだと思われます。
進化は弱者から生まれる、というのが生物の歴史。つまり、最も進化する可能性が高い種はオランウータンという事になります(もちろん絶滅可能性も最も高い)。さらにオランウータンは「飢えの経験」があるため、飢えに対する耐性が最も強い類人猿とも言えます。

以上
・大きさ
・ナックルウォークの有無
・人類との類似点の数
・外圧適応態としての可能性

の観点で比較した結果、

人類の祖先は「オランウータン」ではないか。

というのが実現塾での結論となりました。
写真を見てもらうと分かりますが、おじいちゃんみたいな顔してますよね。感覚的にも納得。

ただし、一般的にはチンパンジー説が有力です。
次回は、「なぜチンパンジー説が有力なのか」についての追求を報告します。

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2022年03月17日

【実現塾】1/22「人類の祖先は?」~オランウータンはどのようにして飢餓を乗り越えているか~

【実現塾】1/22「人類の祖先は?」~オランウータン、ゴリラ、チンパンジーの外圧適応~

では、人類の祖先候補である、オランウータン、ゴリラ、チンパンジーがどのように外圧適応をしたのか、についての追求を報告しました。
今回は、前回の報告で課題となっていた

驚くべきことに、この飢餓状態でもオランウータンの子どもの94%が生き残ります。
オランウータンの母子は、どのようにして飢餓状態を乗り越えたのか?

の追求の中身を報告します。

■どうやって母子は飢餓状態を乗り越えたのか?飢餓状態でどうやって母乳を作るのか?

①食べられる時に食べる
まず出てきたのは、食べられる時にたくさん食べて栄養を蓄える、という説。
実際果実期にはメスは肥満体形になる等、果実期と非果実期の体重の変動差が大きいのが特徴です。おそらくは皮下脂肪に栄養をため込んでいるのでしょう。
ちなみにオスも非果実期には痩せてしまいますが、メスよりも行動域が広いため、非果実期も果実期の6割程度は餌を確保することが出来る様です。

②何でも食べる
次は、なんでも食べる説。
オランウータンの奥歯の臼歯はエナメル質で平らになっており、硬いものもすり潰して食べる事が出来ます。
この特徴から、樹液や樹皮なども食べていると思われます。
難点は栄養分。栄養は葉や果実に集まるため、樹皮には栄養分はほとんど含まれていません。

どうやら①②だけでは説明がつかない様です。
なにか秘密があるはず。

③自前で作る
そこで出てきたのが、「自分でエネルギーを創っていたのでは」という説。
植物が光合成を行って自分で栄養分を作り出すように、オランウータンにもその機能があったのではないでしょうか。
例えば、マメ科の植物と共生する根粒菌は、空気中の窒素を固定し、生育に必須なアンモニウムイオンをつくる事が出来ます。
それらを利用してアミノ酸やタンパク質を作り出します。
オランウータンもこの根粒菌を腸内で共生させ、空気中の窒素からタンパク質を生み出す仕組を確立した可能性もあります。
事実、パプアニューギニア人は、主食は芋でタンパク質はほとんど取らないのに筋肉質の体をしています。
少なくとも栄養は食からだけではない、という事は言えるのではないでしょうか。

④性充足のエネルギーを栄養に
その極地として出てきたのが、性エネルギーによるエネルギー補給をしているのでは?という大胆な説。
オランウータンは「発情期が無い(いつでも交尾出来る)」事が大きな特徴ですが、性収束度が非常に高く、他の類人猿に比べて圧倒的に長い時間交尾を行います。
生殖のみの目的であれば、短かれば短いほど良いはず。(無防備になる時間が少なくなる)それを引き伸ばすのはなぜか?という追求の中で出てきたのが、性充足のエネルギーで飢餓を緩和したのではないか?
という仮説です。
この説は継続追求ですが、性エネルギーが栄養になる、という発想は面白いし、あり得る話なのかな、と思います。

今回はここまで。
次回はいよいよ「人類の祖先は?」の追求を報告します。

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2022年03月17日

【動物質とは何か?】哺乳類の「探索回路」と原猿の「手探り回路」は何が違うのか?(1)~哺乳類の「探索回路」

【実現塾】12/11「サル社会の構造③」~(1)欠乏がある限り探索し続ける手探り回路』では、
原猿が、過密化した樹上で、果てしのない同類闘争を強いられるという、本能ではどうにもならない状況(いわば「無限苦行」)の中、欠乏も対象も答えも未知な状態で追求し続け、ついに「自分の欠乏」と「相手の欠乏」を同一視できる地平=無限苦行の脱出口を見つけるまでの過程を追求しました。

この原猿の探索回路は、欠乏(捕食、危機逃避等)も答え(行動方針)も明確な、哺乳類の探索回路とは、全く異なります。原猿が迫られたのは、欠乏も未明、もちろん答えも未明という、基点も終点も曖昧模糊とした五里霧中下での探索は、まさに手探り回路と呼べるものです。

今回は、哺乳類の「探索回路」と原猿の「手探り回路」は何が違うのか?につて、駆動物質と脳回路の視点から追求します。まず、原猿の「手探り回路」から考えます。

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2022年03月11日

【世界情勢を読み解くには?】金貸しが企業を支配する仕組み

中央銀行を手に入れた金貸しは、国家を支配した。(前回記事 リンク
今回は更に企業も支配していく仕組みについて追求していきます。

■企業間闘争は資力が勝敗を決する

産業革命以降、生産は機械化した工業が中心となった。

工業による大量生産大量消費の時代になると、大規模な生産施設や大量の人材など、事業費・運用費の大きな資本投資が必要となる

☆工業生産の時代となると企業間闘争資力(資金調達)が勝敗を決する鍵となる。

Q.では、企業が資本を調達する方法は?
企業にとって資金を調達する方法は二つ

①銀行から借りる
銀行から借金をして資金調達をする方法
この方法は、新規事業の参入となるとハードルが高いうえに、金利の支払いが大きな負担となる。
そして、企業情報も銀行へ渡され、銀行からの借入金+金利の返済まで銀行の監視下に置かれる。

その銀行は金貸しの支配下であるため、企業は金貸しの支配下、つまり金貸しは企業も支配することになる

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2022年03月10日

【実現塾】1/22「人類の祖先は?」~オランウータン、ゴリラ、チンパンジーの外圧適応~

前回の実現塾では、共認機能を獲得した真猿=オナガザルとテナガザルがどのように適応してきたのか、を追求しました
それを踏まえて、1/22の実現塾では、人類の祖先はどのサルなのか?を追求していったので報告します。
人類の祖先は「類人猿」ですが、候補はオランウータン、ゴリラ、チンパンジー。

まずは、それぞれの違いや特徴をみんなで追求していきました。

〇オランウータンとゴリラとチンパンジーのそれぞれの違いor特徴は何か?
みんなからは

・ゴリラとチンパンジーは地上に降りて生活している
・集団形態が違う。
・オランウータンは授乳期間が格段に長い
・オランウータンは正常位で交尾をする

あたりが出て来ましたが、これらの特徴の違いは外圧状況に規定されるだろう、という事で、まずは外圧状況の違いから押さえていきました。

●アフリカ熱帯雨林の外圧状況は?
まずは、チンパンジー、ゴリラの生息域であるアフリカの熱帯雨林の外圧状況です。

・地形が台形(海岸の平野が少ない)で標高が高く内陸のため、気温が低い。
・熱帯雨林であっても、比較的雨が少ない。(降雨量1000~1500㎜)
・乾季が3~4か月あり、果実ができない時期がある。毎年果実はできるので、乾季を乗り越えれば餌は得られる。
・木がまばらで(疎林)、乾季は枝が折れやすい。
・外敵はヒョウ(体重は30㎏程度)

このあたりは前回の実現塾でも追求しましたが、乾季があるため樹上だけでは十分な餌を獲得するのが困難。かつ、めちゃくちゃ強い敵もいなかったので、地上適応することが出来たのがアフリカ系の類人猿と思われます。ゴリラは大型化、チンパンジーは集団化で地上適応していきました。

●アジアの熱帯雨林の外圧状況は?
続いて、オランウータンの生息地であるアジアの熱帯雨林の外圧状況です。

・年中雨が降る(スコール)(降雨量2700㎜)
・木が生い茂っている(密林)→地面には陽が当たらないので、地上には餌が少ない。
・外敵はトラ(体重は150㎏。加えて10m跳躍できる。)

このようにアジアの熱帯雨林はアフリカに比べて地上に降りるメリットがありません。
なのでオランウータンは地上に降りる道を選ばなかったのだと思われます。
あるいは、地上に降りた種もいたのかもしれませんが、生存することが出来なかったのでしょう。

驚いたのは、東南アジアは木の実や餌が豊富なイメージを持っていましたが、実際にはそうではない、ということ。
特に、ボルネオ島の北部は果実ができるのは数年に一度しかないそうです。
実際にオランウータンのメスは、非果実期になると果実期の1/4程度の餌しか食べられず、ガリガリに痩せてしまいます。
まさに「飢餓状態」ですが、これはゴリラ・チンパンジーにはなく、オランウータンに特有の現象です。

そして、さらに驚いたのは、この飢餓状態でもオランウータンの子どもの94%が生き残るということ。
オランウータンの母子がどうやって飢餓状態を乗り越えたのか気になりますね。

次回は、そのあたりの追求を報告します。

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2022年03月04日

【実現塾】1/11「サル社会の構造④」~テナガザルの適応(2)

では、原猿と真猿の違い、そしてオナガザルの適応、そしてテナガザルの適応の途中まで報告しました。
最後はテナガザルの適応についての追求の残りと参加者の感想を報告します。

〇オランウータンは地上に降りてこないが、チンパンジーやゴリラは地上に降りてくる。この違いはなに?
テナガザル、と一口に言っても、その置かれた外圧によって適応方法は分かれて来ます。
特に注目したのはチンパンジーやゴリラは地上に降りてくるのに対して、オランウータンは常に樹冠生活。

なぜこの様な違いが生まれるのでしょうか。

理由はいくつかありそうですが、まず考えられるのが生息域の違い。
具体的には、生息域に乾季があるかないか。

ゴリラ、チンパンジーはアフリカが生息域となっていますが、アフリカには厳しい乾季が存在します。
乾季がある地域では、その時期に入ると樹上の餌(木の実や葉等)が激減してしまう。
餌を獲得するためには地上に降りざるを得ない。
これがゴリラ、チンパンジーが地上に降りた第一の理由だと思われます。

副次的な話ですが、地上の外敵に適応するため、チンパンジーは「集団化」、ゴリラは「超巨大化」して外敵に対応したのではないでしょうか。

もう一つは、生息域の外敵状況
チンパンジー、ゴリラの生息するアフリカの代表的な外敵はヒョウ(30kg)
※ライオンもいますが、闘いを好まないようです。
対して、チンパンジーの生息する東南アジアの代表的な外敵はトラ(200kg)

意外かもしれませんが、東南アジアの方が圧倒的に強敵です。スマトラトラ等は有名ですね。
オランウータンが地上に降りてこない(これない)のは、このトラとの闘いを避けるため、という結論に至りました。

〇年中発情が可能になったのはなんで?
最後は、テナガザル特有の【性】についての追求です。
その特徴は【年中発情】ですが、なぜそのような適応戦略を取ったのでしょうか。そもそも「年中発情」ってどういうことなのでしょうか?

まず発情はメスがオスを受け入れる(交尾する)事を言いますが、重要なのは排卵=子供を産むとセットという事。従って授乳期間中は排卵しない=発情もしません。
つまり年中発情というのは「季節を問わず排卵できる」ということです。より具体的には、1年に1回等排卵時期が限定されているのに対して、月に1回排卵する=発情するという事です。

ゴリラ、チンパンジーはこのタイプ。ただし、乾季のあるエリアに住む彼らは“雨季(餌が豊富な時期)”に子どもを産めるように、逆算して「排卵期=発情期」を迎えているようです。
一方、多湿地域に住むオランウータンはもっと進化していて、発情期がありません(常に性行為が出来る状態)

年中発情のイメージを掴んだ上で、その理由に迫ります。
ポイントは 【種】としての適応。

種としての適応を考えた問、授乳期間が長い=過保護とも言えるテナガザルの課題は、オスの闘争力をどう上げるか?と推測できます。さらに、哺乳類の特徴は、性闘争の強さ。

このような状況の中でテナガザルが取った戦略が「年中発情」だったのではないでしょうか。

メスが常に発情することでオスの性闘争が激化し、同類闘争の頻度が各段に上がります。
その同類闘争を繰り返す事で、テナガザルはオスの闘争力を上げ【種】として強くなっていったのではないでしょうか。
テナガザルのメスは「自集団」だけを考えるのではなく、「種全体」で適応するために、オスの闘争性を上げて種間闘争に適応する戦略を取ったのです。

まとめると
・メスの発情・性機能の向上は、【オスの闘争活力・欠乏をかり立てる】
・オスのヤル気・活力はメスの欠乏喚起力によるし、メスもオスの【欠乏をどう出させるか】を常に追求してきた。
という事です。

ぼくたちもオランウータンと同様発情期が無い動物ですが、この時に獲得した機能を受け継いでいるのだと思います。このような構造、機能を上手く使って【活力】につなげていきたいですね。

以上、全4回にわたって報告しましたが、1月11日の実現塾の追求内容になります。
最後に参加者の感想をお読みください。

―――――――――
<感想紹介> ※一部抜粋しています。
小5 Iさん
熱帯井雨林の中でも人気エリアがあって、人気エリアは果物があるところで、日光がたくさん当たるだけじゃなくて栄養も大切だということが分かった。

中1 Yさん
自己中とかって結構充足のカギって思って、自我が出たときは不全を感じているから、活力の湧く方向、充足できる方向に向けれたらいいなと思いました。

中2 Kさん
授乳期間が長くなったという変化で、「知能を進化しよう」という学校のような考え方ではなく、「知能進化する必要がある」という“自分から”の考えだからこそ進化できたと思った。

中2 Nさん
メスが自分とか集団を考えていたんじゃなくて、種として考えていたのがめっちゃすごいと思って、なんで種として考えようって思ったのか気になった。

中2 Nくん
オナガザルもテナガザルも試行錯誤して手を長くしたり、大型化したり日々追求して今があるんだと思った!

中2 Iくん
発表に対して皆が反応してくれたとき、内心ほっとした。反応してくれた時、皆と一体になれた気がして気持ちが良い。

中3 Yくん
表情とかってすごい長い歴史の中に作られてきて、当たり前にあったものじゃない。だから表情があるからこそ、それを人間も最大限に使ってちゃんと相手が考えていることをしっかり掴まないとなって感じました。

高2 Yくん
今の人たちの共認力がサルに比べて低くて、ヤバイと思った。だからもっと共認、相手のことを考えていこうと思った。

保護者 Tさん
初めて参加しました。いろんな年齢層の人がそれぞれの意見を述べているのがとても良いと思いました。猿からこれだけたくさんの考え方や検討課題が出てくることに驚きました。

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2022年03月02日

【実現塾】1/11「サル社会の構造④」~テナガザルの適応(1)

前回の記事【実現塾】1/11「サル社会の構造④」~オナガザルの適応

では、原猿と真猿の違い、そして真猿のうちのオナガザルの適応についての追求を報告しました。
最後はテナガザルの適応についての追求を2回に分けて報告します。

〇テナガザルの特徴は?
オナガザルと同様にテナガザルの特徴をみんなで共有しました。
出てきたのが、

・手が長い
・軽量化
・俊敏さ
・大型化
・年中発情している

まず、「テナガザル」と言われているだけあって、手が長いのが特徴ですね。
これは木の頂上付近に移動し、細い枝先の実や葉を取ったり、木の上を渡り歩くためだと思われます。
実際、オナガザルは跳躍して移動するのに対し、テナガザルは木の上を100m6秒という速さで渡り歩きます。

めっちゃ早い。

当然ですが、樹冠というアンバランスな場所をこれだけのスピードで移動するためには、今まで以上の判断力と洞察力が求める。そこで必要になったのが知能進化。
テナガザルはオナガザルに比べてさらに授乳期間と母子密着の期間が長くなっていますが、これは樹冠生活に適応する為にさらなる知能進化が必要になったからではないでしょうか。

〇集団化せずに、大型化したのはなぜ?
テナガザルのもう一つの特徴は、オナガザルと比べて集団化せず、大型化の傾向があること。

なぜこのような戦略を取ったのでしょうか。

重要なのが、わざわざバランスが悪く、餌も豊富ではない樹冠に適応した初期テナガザルはオナガザルより弱かった。という視点。つまり樹の上に追いやられた。という事ですね。
樹冠適応する為、テナガザルは子育て期間を長期化させたので、集団規模、という観点からみるとオナガザルとの差はどんどん開いてしまいます。
そこでオナガザルに対抗するためにテナガザルが取った戦略が「大型化戦略」ではないでしょうか。

しかし、ちょっと立ち停まって考えると、そもそも一度追いやられたテナガザルがオナガザルに再チャレすること自体、他の哺乳類には見られない行動です。
一般的な哺乳類の場合は、弱肉強食がハッキリしているので、自然と「住み分け」が発生します。

では、なぜテナガザルは身体を変化させてまで、一度負けたオナガザルに対抗しようとしたのでしょうか。

ここは劇場でも色々な意見が出ましたが、共認機能の持つ「快美欠乏」発の餌場の確保ではないか、という結論に至りました。快美欠乏は、よりよいモノ/コトを求めて「もっともっと」と欠乏がわきあがる現象。

つまり、テナガザルはより餌が豊富なところを獲得したい!という快美欠乏発の「種間闘争」に対応するために「大型化」したのではないか。という事です。

わたしたちが当たり前にしている事も、共認機能を獲得したからこそと考えると、対象世界が広がりますね。

今回は以上です。
次回は、最終回でテナガザルの適応(2)。
オランウータンとチンパンジーゴリラとの違いや「年中発情」するようになったのはなんで?の追求を報告します。

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