社会事業の可能性シリーズでは、ここまで社会事業を取り巻く状況を俯瞰し、多くの実例を紹介してきました。
これまでの記事のポイントを簡単に整理します。
未来を拓く社会事業の可能性-1- なぜ今社会事業が注目されているのか?(リンク)
今、社会事業が注目されている背景を、意識潮流や社会事業の歴史から分析しました。
社会背景:社会閉塞から来る危機感と、人々の活力源が大転換(私権(お金や地位)から共認充足へ)
企業の価値転換:企業も利益追究第一という従来の企業の枠を超えないといけない時代へ。
未来を拓く社会事業の可能性-2- 成功事例から学ぶ社会事業継続の秘訣 (リンク)
企業の枠を超えた企業の事例として、社会事業を目的としてつくられた企業を紹介しました。
・充足発の提案:理屈抜きで良いと感じられる充足発の提案あることが重要。自然と仲間も集まり成功の可能性が大きくなります
・今あるものの組み合わせ:今ある技術、施設、人などをどう組み合わせて使っていくかが重要
・供給者のネットワーク化による事業継続性: 互いに供給し合う信認関係のネットワークが、継続的に新たな可能性を発掘し発展性を実現している。
・現実直視:身近にある違和感や、ちょっとの工夫で良していくなど、生活の場(現実)に直結した場を変えていく事業。
未来を拓く社会事業の可能性-3- 企業の枠を超える時代(リンク)
一般企業が本業を持ちながら、新たに社会事業に取り組み始めた事例を紹介し、市場時代と現在での企業の変化を分析しました。
・喜んでもらえるなら何でもやる姿勢:充足を軸として業界の枠を超えた事業を展開。経営効率という発想とは無縁。
・地域の経営も企業が担う:地域や社会の課題そのものを担い、地域の期待に応える。グローバリズムと全く逆の経営路線。
・信任関係による企業ネットワークの構築:みんなで力を合わせて事業を実現する充足が軸。得意な分野を活かし合う対等な関係。
利益追求第一の時代につくられた企業の枠を越えていく事がこれからの企業には求められている。
未来を拓く社会事業の可能性-4- 市場が作り出した枠組みの崩壊⇒地域共同体の再生(リンク)
複数の企業や集団による組合などで行う社会事業を紹介しました。
・市場社会がつくり出してきた概念の融解:生産者と消費者が一体となって社会や生活の場そのものをつくっていく活動に変化。
・第一次産業を基盤とした自給志向と地域共同体の再生:一次産業を基盤に自給し、他地域に依存しない自立型の経済圏を構築。
・最先端の根源回帰:根源回帰・本能回帰の潮流が、第一次産業と結びつき、地域共同体を再生する。
ここまでに紹介してきたように、現在は、様々な形で社会事業が立ちあげられ、これらの社会事業が社会を変えていく礎になっていくのか非常に楽しみなところです。
しかし、新しい社会は一朝一夕に形成されるものでもありませんし、社会事業の多くがまだまだ模索中という段階です。
今回は、これらの活動、事業が次の社会を築く礎となり得るのか?今後どのような姿で進化してゆくのか考えてみます。