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2016年05月18日

全員経営~自律分散型イノベーション企業④~釜石の奇跡・・・Ⅰ.防災教育のきっかけ

「釜石の奇跡」を皆さんはご存知ですか?
岩手県釜石市は、東日本大震災において津波の直撃を受けながら、小中学生たちの生存率が99.8%という驚異的な数字を記録し、「釜石の奇跡」と呼ばれています。この奇跡を実現した根っこには、一人の学者による地道な津波防災教育があります。

前回までの記事は
①プロローグ
②ヤマトは我なり~クロネコヤマトの挑戦
③ヤマトは我なり~バスとの連携
今回は企業とは違いますが、自立的組織の一つの作り方が浮かび上がります。

写真はここからお借りしました

写真はここからお借りしました

一般的な防災教育は、ルールやマニュアルを教え、災害発生時に秩序ある行動が取れるようにしようとしますが、現実にはその通り、行動できるかどうかは不確実です。一方、その学者が行った防災教育は「率先して逃げる」「家族のことも気にせず逃げる」と、一見無秩序のカオスを引き起こすような内容でありながら、実際には生徒たちを自己組織化させ、他者も助けていく結果を生み出しました。ではその「釜石の奇跡」に至る経緯を、Ⅰ.防災教育のきっかけ、Ⅱ.姿勢の防災教育、Ⅲ.避難の三原則、Ⅳ.3.11避難のとき、と4回に分けて見て行きまます。今回はⅠ.防災教育のきっかけ、です。

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2016年05月12日

全員経営~自律分散型イノベーション経営企業③~ヤマトは我なり・・・バスとの連携

今回も前回に引き続き、ヤマト運輸の事例です。今回は、ヤマト運輸のB.過疎地のバス路線を救う客貨混載の試みを紹介します。この記事ではダイヤモンドオンラインの過疎地のバス路線を救う客貨混載の試みから一部引用します。前回は、地元スーパーマーケットと社会福祉協議会を巻き込み、まごころ宅急便を実現しましたが、今回は、類似業界のバス会社との連携による社会事業の展開です。

過疎化と高齢化が進むなか、全国津々浦々に毛細血管のように伸びていたバス路線網が末端部分から消滅しつつある。その裏には利用者減がある。2000年度と比較して乗合バスの輸送人員は、三大都市圏では微減にとどまっているのに対し、地方では2割も減少。そしてバス路線も、06年から13年までの期間で1万1160kmと、全国バス路線41万km(09年)の2.7%が廃止されてしまった(「物流ウィークリー」より)。
本州最東端にあたる岩手県の重茂半島も過疎地だ。東日本大震災による津波で約50人が犠牲になり、避難・転居先で住宅を新築する世帯もあることで、ますます過疎化が進む恐れも出てきた。

この半島を走るのが、岩手県北バスの重茂線。この路線がヤマト運輸との協業で、通常の旅客だけでなく、宅急便の荷物も乗せて運ぶことになったのだ。これは、ヤマト運輸と岩手県北バスが北上~盛岡~宮古~重茂半島の150km以上の区間にわたって15年6月3日から実施している「客貨混載」事業の一環だ。(「過疎地のバス路線を救う客貨混載の試み」より)

盛岡 ←――――――――――→ 宮古 ←―――――――――→ 重茂車庫
・・・・・・・ ① 都市間急行バス ・・・・・・・・・・・・・ ② 重茂線バス ・・・・・・・
この二つのバスで盛岡~重茂車庫間を荷物リレーすることになります。

①の盛岡~宮古間の都市間急行バス「ヒトものバス」は、大型バスの後部を改造して設けた荷室に、宅急便の荷物を載せる仕組みとなっている。バス側には空きスペースの有効活用というメリットがあるし、ヤマト側にとっては大型トラックによる幹線輸送の1便廃止が可能になる。

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2016年04月26日

全員経営~自律分散型イノベーション企業②~ヤマトは我なり・・・クロネコヤマトの挑戦

前回のプロローグを受けて、今回から具体的な事例を取り上げます。トップはヤマト運輸です。
クロネコヤマトの「宅急便」を展開するヤマト運輸には「ヤマトは我なり」の社訓が示すように、社員の誰もが経営者の意識を持つ全員経営の組織風土があります。宅急便の生みの親である元社長、小倉昌男氏が配達するドライバーを「セールスドライバー」(以下SD)と命名したのも、配達するだけでなく、現場で顧客のニーズを掴み、自らの判断で取引に結びつける権限も委譲しているからです。
ここでは高齢者の生活支援を担うA.まごころ宅急便と、B.過疎地のバス路線を救う客貨混載の試み、を扱います。今回は「全員経営 自律型イノベーション企業成功の本質」(野中郁次郎・勝見明著:日本経済新聞出版社)を参照しながら、まずA.まごころ宅急便を紹介します。

A.まごころ宅急便
2010年に岩手県西和賀町からスタート。西和賀町は過疎化が進み、当時、高齢化率43%と県内1位で、買い物困難者の問題を抱えていました。
そこで登録した独居高齢者の家には「絆ワン」と呼ばれる小型端末機が配備されます。その青色の「ごようきき」ボタンを押すと、ヤマト運輸のコールセンターとつながる。買い物をするときは商品カタログの中から注文する。コールセンターから町の社会福祉協議会(以下、社協)へ連絡が行き、職員がスーパーマーケット「オセン」で商品をピッキング。ヤマトのSDが配達し、代金を回収。午前10時までに注文すれば即日届く。
豪雪の冬も、SDは車で行けなければ歩いて運ぶ。その際「声のトーン」「顔色・血色」「会話時間」「いつもと変わっているところ」といった八つの項目について安否を確認し、記入したシートを社協にFAXする。
※過疎化が進む全国から注目を浴び、現在は秋田、高知、岡山、北海道などでも始まっている。

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2016年04月14日

全員経営~自律分散型イノベーション企業①~プロローグ

以前このブログの記事「JALの意識改革の手法はどの組織でも役に立つ」で、経営破綻した日本航空を稲森和夫名誉顧問が「JALフィロソフィ」と「部門別採算管理制度」を導入して、全員経営でV時回復を実現したことを紹介しました。

リーマンショックや東日本大震災という日本経済にとって大きな打撃を受け、急速に崩れていく企業に中にあって、JALと同じように建て直しに向けて大きく動き出し、活路を見出した企業が他にもあります。その事例を集めた本「全員経営~自律分散イノベーション企業成功の本質」(野中郁次郎・勝見明著:日本経済新聞出版社)の内容を元に、これからの企業のあり方を探索したいと思います。

この本に拠れば、例えば、JALの再建と同時期にホンダでは「全員、本田宗一郎になろう」を合言葉に、社員全員で創業者から受け継がれたDNAを喚起する動きがありました。

日立では、2009年3月決算で国内製造業最悪の7,873億の赤字計上を受け、「世界有数の社会イノベーション企業」を新たなアイデンティティとして掲げました。「例えば、材料の仕事に携わっている社員にとって、いい材料が出来れば、いい電池が作れ、優れた太陽康発電のシステムが生まれる。自分の仕事は社会イノベーションにつながり、下支えしている。その意識を共有し、コンセンサスを取る事が何より大切だ。」と再建を任された川村社長は語っています。

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2016年03月31日

「仕事後進国」日本の敗因

「Why Japanese people??」で日本人の常識と世界の常識のズレをネタにしているお笑い芸人の厚切りジェイソン氏。彼がツイッターで「日本はスタート時間に厳しいのにエンド時間にルーズ」とつぶやき話題になったらしい。

厚切りジェイソン氏

厚切りジェイソン氏

日本人は勤勉で真面目だが、効率的に仕事をするのが苦手で、世界から見ると実は“仕事後進国”にあたる。それを指摘した記事が、ダイヤモンドオンライン「シャープはなぜアジア企業に屈したか」にありましたので一部引用して紹介します。

今回は、外国人が実践している効率よく仕事を進める抜本的な心構えを紹介しよう。
率直に言えば、まずは今の日本で行われている、稟議や確認、承認を取りながら進める意思決定プロセスがいかに無駄かに、気づかなければならない。海外ではとにかく決断が速いために、どんどん業務が流れる。スピードはグローバルビジネスの鉄則なのだ。
また、スピード化を進める対策として、マネジャー以上にはかなりの意思決定に関する権限が与えられ、会社の体制的にもスピード化を推進しやすいようになっている。

そう言えば、今月1日のNHK『クローズアップ現代』「シャープ“買収”~日本のもの作りはどこへ~」で、元三洋電機社員が、経営がハイアールに代わってからの違いを、次のように語っていた。
とにかく、スピードが早い。(以前の会社では)当然 社員がいて主任がいて課長がいて部長根回しして段階踏んで決裁を取るまでに1ヵ月かかるとか今は今日言って明日からって感じかな。そのスピードにびっくりしましたね。負けますわ。あのスピード感には。日本メーカー」

彼が言っていることは大げさではなく、海外の多国籍企業では当たり前のことなのだ。その当たり前のことが日本ではできていないところが大問題なのに、一番の問題はこの問題を深刻に捉えていない日本人マインドなのである。 「シャープはなぜアジア企業に屈服したか」

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2016年03月29日

共同体と教育~教えない授業~

教えない授業で成果をあげる学校が増えています。今回紹介する両国高校もその1つです。

半世紀前、東大合格者63人を誇った都立の名門、両国高等学校。その後、長期にわたって低迷しましたが、2006年に始まった中高一貫校の卒業生が出た2年前から、合格実績が「都立トップ水準」に躍り出ました。校風が一変した両国は今、教育界でにわかに注目を集めています。そこでは、教育新潮流ともいえる「生徒が勝手に教え合う授業」が展開されていました。

東京都立両国高等学校・附属中学校

 
前回記事
江戸期の子供達に見る無意識の教育
教育における日本らしさとは?
海陽学園はなぜ全寮制を採用したのか
フレネ教育に学ぶ
日本人なら、「やまと言葉」を大切にしよう

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2016年03月16日

リーダーに向いているのは 誰かに好かれる人より 嫌われない人

人から“好かれる”ことはとても大切なことです。しかし仕事上では、好かれるより“嫌われない”事の方がより重要なのです。それがダイヤモンドオンライン「最高のリーダーは何もしない」(藤沢久美著)に展開されていましたので、一部引用して紹介します。藤沢久美氏は、シンクタンク・ソフィアバンク代表でキャスターでもあり、国内外のリーダーとの交流や対談の機会も多い方です。
その経験から、組織がリーダーに求めるのは、好き、嫌い、という感情面ではなく、それを超えた信頼、信用という視点であり、同時にそれは仕事相手が求めるパートナーとしての資質ということを語っています。

少し意外な印象を受ける方もいらっしゃるかもしれませんが、日本の高度経済成長の象徴的存在とも言える総理大臣・田中角榮氏は、ある意味、ビジョナリーな存在でした。「日本列島改造論」というビジョンで、日本国民をワクワクさせたリーダーです。

田中元総理のリーダーとしての考え方をよく表した言葉を、ある人から教えていただきました。それは「広大な中間地帯をつくれ」という言葉です。
政治家たるもの、自分を好いてくれる人と嫌う人、どちらか一方が増えすぎても、掲げたビジョンを実現することはできない。熱烈な支持者がいる政治家には、同じくらいたくさんの反対派が生まれるし、熱烈な支持者はいきなり苛烈な批判者に反転する可能性がある。だからこそ、好きでも嫌いでもない『中間層』をどれだけつくるかが大切だ」というのが、この言葉の意味です。

これは企業でリーダーを務める人にとっても、参考になる考え方だと思います。とくに大企業では、「社内のある集団からは好かれ、他の集団からは嫌われている」といった人がリーダーになると、それは派閥に発展し、組織風土の悪化にもつながります。 (「最高のリーダーは何もしない」より)

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2016年03月10日

受験のための学習から、実践に役立つ学習へ

2020年は東京オリンピックの他に、実は大学入試の大幅変更という出来事もあります。その詳細は未だ発表されていませんが、要点は「思考力」「判断力」「表現力」、そして「総合的な英語力」を問うことになるそうです。それに対応すべく新しい英語教育サービスとして「お迎えシスター」なるものが注目を集めています。ダイヤモンドオンライン『受験にも就活にも勝てる子が育つ!? 新時代の教育サービス「お迎えシスター」がスゴい訳』で紹介されていましたので、一部引用します。大学入試はどこに向かっているのでしょうか?

今後はキャリア教育だけでなく、小中高校生のための受験教育も、多様な価値観に触れて、多様な文脈を理解する力を育むプログラムが要求されるようになるだろう。そのことを予見させる教育サービスもすでに生まれている。「お迎えシスター」だ。
これは、主に幼児や小学校低学年の児童を対象に、バイリンガルの帰国女子大生が両親に変わって保育園や学校までお迎えに行き、そのまま自宅で英語などの語学を教えるというサービスだ。「なんだ、幼児向け家庭教師か?」「ベビーシッター?」と思う人もいるかもしれないが、そうではない。これは、海外生活を経験してきたお姉さんたちが、幼い子どもたちに多様な価値観を教える教育サービスなのである。
お迎えシスターでは、海外生活が最低でも3年以上、ネイティブの面接による語学力、さらに教養、マナー、話し方と厳しいチェックをクリアした、厳選された女子大生が「先生」として派遣される。「先生」は基本的に「日本人のバイリンガル」にこだわっているという。(新時代の教育サービス「お迎えシスター」がスゴい訳)

なぜ日本人なんでしょうか??

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2016年03月01日

地域共同体の再生 第8回 フリーエネルギーへのヒント

地域のエネルギー自給の取り組みを紹介するシリーズ。今日はエネルギーそのものに着目し、フリーエネルギーについて紹介します。

テスラコイルを自作して空中の電波から4Vの電圧を取り出したとか、ネット上にはいわゆるフリーエネルギーの話題が多く見られるようになってきました。フリーエネルギーを“詐欺”扱いする声も聞かれますが、無から有を生み出すわけではなく、これまでの化石エネルギーや核エネルギー以外の方法で自然界からエネルギーを取り出す方法の探究、として考えれば今最も可能性のある研究ではないかと思います。

前回までの記事

第1回~プロローグ~
第2回~意識変化に対応していない地域の組織化~
第3回-1~エネルギーを中心とした街づくりが今成功している理由~
第3回-2~共同体の再生に力を入れている地域活動の紹介~
第4回~地域のエネルギー自給(都市型)~
第5回~ご当地電力が続々誕生! 人を育て、コミュニティを育てる「まちエネ大学」~
第6回~自家発電で晴耕雨読の日々をおくる夫妻に聞く、これからの電力自給のあり方~
第7回~植物と微生物による発電法~

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2016年02月10日

世界農業遺産認定からまちづくりへの波及

昨年12月15日、和歌山県みなべ町と田辺地域の梅システムが世界農業遺産(GIAHS)に認定されたのをご存知ですか?

世界農業遺産とは国際連合食糧農業機関(FAO)が、2002年に開始した仕組みで、次世代に受け継がれるべき重要な伝統的な農業、農村文化、農業景観などを全体として認定し、その保全と持続的な活用を図るものです。
これまで、日本では、「みなべ・田辺」を含め8地域が認定されています。

みなべ・田辺地域は、元来農耕に適さない礫質で急峻な里山を活用して、約400年に及ぶ梅栽培を継続し、最高級品である「南高梅」とともに日本一の梅生産地になりました。それを支えているのがこの「みなべ・田辺の梅システム」です。

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